- 作者: 豊田悠
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2018/09/07
- メディア: コミック
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デザイン LANTERN/石川照美
これもそのへんにあった漫画。『パパと親父のウチご飯』という漫画のスピンオフだそうです。九月発売なのに熱燗と湯豆腐の話を書いてしまいましたとカバー折の作者のナントカに書いてますが、その前の話がオクトーバーフェストのアイスヴァインなので、次が氷雨で湯豆腐は理に適っていると思います。
最初は弟の彼氏とか今日何食べたとかそういうBLというかおっさんズラブが子連れなのかと思いましたが、表紙裏によると、下記とのこと。
子育てと仕事を両立させるためシングルファーザー同士のルームシェアをしている千石と晴海。
なかなか吞みに出られないふたりは、ウチ吞みを愉しむことに。
(中略)
ゼロから始めるオトコの酒肴、充実の第2巻。
体重七十キロで健康診断を気にしてダイエットを始める編集者と、肉体労働と書いてありましたが、読み進めると整骨か整体かみたいなお店をやってるほつれ毛オールバッカーが父親ふたりです。最初の話が特に顕著ですが、目が死んでます。というと言いすぎですが、目に生気がないように感じられます。デスクワーカーは、目の下にとれないクマがありありなんだけどマンガだからボカして描くよ、との記号というかメッセージが作者から送られてる気がする。施術のしとは眼が悪いからいつもにらみつけてガン飛ばしてるようなで焦点があってなくて、なんか、見ていない感じ。それらが、酒でいい感じに酔ってるときだけほぐれていい顔をする描写は上手いと思いました。作者もそうなのだろうか、どうなのだろう。
表紙も背景が真っ黒なので、多少心配したくもなります。分析はしませんが。
編集は、カッターで肉筆原稿にセリフきりばりする昭和の編集場面があったり(頁132)スマホを手にしてるコマがひとつもなかったりして、そこが逆にこわいと。ふたりとも、絶対スマホ依存で手放せないと思うのですが、あえて絵にも入れないスマホ。ひょっとしたら、既出のエピソードで、子どもと向き合うため愛情をそそぐため?スマホを禁じた挿話があったのかもしれませんが…
眼が死んでる以外に、わざと雑っぽく描いてみる病がときどきあるように見えました。丁寧にじっくり描いて失敗すると立ち直れないから、あえてラフっぽく描いてしまう病。飲んでイイ顔になる時と、料理の絵だけはキッチリです。本当に描きたい絵と、人間でないので、描きたい表情と描き上がった絵の表情のギャップとか考えないで済む料理はきっちり。
肩甲骨はがしとか走るとかストレッチとかいろいろあると思います。銭湯も吉です。多少ラクになる。以上