『レポ船の海 北方領土潜入の記』(文藝春秋 1982年3月号掲載)読了

レポ船の海 北方領土潜入の記 : 1982-03|書誌詳細|国立国会図書館サーチ

『サカナとヤクザ』第五章に出てきたルポで、本になってるのかと勘違いして図書館の蔵書を検索したところ、すごいですね、国会図書館なのかオーパックなのかウェブキャットなのか知りませんが、その者たちが長年頑張って手入力で打ち込み続けたデジタル書誌情報が、全国津々浦々のハブ図書館(雑誌のバックナンバーを収蔵している図書館)で共有されるようになっていて、記事タイトルからその記事の号の蔵書がぱっと出てしまうという… 地元の各自治体図書館の中で、某ハブ自治体の「雑誌のバックナンバーを捨てないで所蔵している図書館」館内で閲覧しました。素晴らしい時代になったものです。

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しかしすいません、広告のほうが面白かったので、そのすべてはとても読み切れなかったのですが、一部アレします。

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◯優貯蓄の決定版! 〈日債銀〉のリッシンワイド (5年貯蓄・利息一括受取方式) 年7.7%の半年複利をワイドに活用! 年7.7%の高利回りを半年複利で計算。 5年度には約1.45倍にもなりおトクです。 元金10万円→5年後受取額〔確定〕14万5,910円 元金100万円→5年後受取額〔確定〕145万9,100円 元金300万円→5年後受取額〔確定〕437万7,300円 (昭和57年1月4日現在) 元金300万円そっくり◯優をワイドに利用! 元金300万円までまるまる◯優を利用できます。◯優専用貯蓄なので利息は無税扱い、おトクです。 出版おめでとう 巨門星 赤江瀑 赤江瀑の酔わせる一冊に乾杯、ドービル。

その分借りる時の利息もすごかったそうですが、この時代なぜこれが出来て、今の時代なぜ出来なくてそして低金利で、そしてそれがなぜアベノミクスで利点がいっぱいあるのか、誰か分かるように教えてほしいです。相当頭悪いですよ、私は。

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アルビオン 我が人生最良の時 シリーズ⑳ トンネルを抜けた歓び 作家 開高健  夜ふけに指を折ってかぞえてみると、芥川賞をもらってから今年で二十四年になる。年令が五十歳だから、ちょうど人生の半分をインキの泡として浮いたり沈んだりしてすごしてきたわけである。  枚数だけでいうとフィクションが半分近く、ノンフィクションが半分よりちょっと多いくらいになる。小説家の人生は毎日が日曜日であると同時に月曜日でもあるので、きびしく見れば“余技”や“休暇”というものがない。  そういう眼なり意識なりでノンフィクションを評価してもらえることがあまりなかったので、菊池寛賞を頂戴したときはうれしかった。日蔭に突然、夏の光が射したようであった。 菊池寛賞受賞の記念時計

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名酒対談 作家 阿刀田高 豪快なる大酒豪 見かけよりもシャイ 酒にも滅法強い!えんえん8時間飲み続けた揚句、熱燗をグッとやり「ウーン、腹にしみわたる」と言った時には恐れ入った。会って飲まなかったのは、人間ドッグでベッドを並べた時だけ。 評論家 塩田丸男 ひ弱に見えても 実は肝っ玉が座ってる 酒に関しては僕のほうが名人で、 その差は小説の場合と逆かなあ。 まことに良き人生の伴侶 僕は365日飲む。“内で3合、外で一升”が僕の酒。飲み過ぎて醒まそうという時にも飲む。飲まないとね、人生半分損しちゃうようなもんですョ。酒は修業、長年を経てやっと名人の域に達する。君臣水魚、今宵は清酒富貴で…! お酒と健康についての論議に、少しずつ関心があつまるようになりました。合同酒精では、酒づくりの立場からその問題をとらえ《いい酒を、ほどよく》飲んでいただくことを企業理念として、ひろく提言しています。しなやかに生きるためのお酒は暮らしの句読点。くつろいで愉しむ適量のお酒は、豊かな味わいで心をみたしてくれます。 いい酒、ほどよく―― ●「いい酒をほどよく」飲んでいただくのが、当社の願いです。

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長谷部日出雄

ちがった。長部日出雄でした。

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“やあ 今日は”合縁 着縁 立川談志(落語家) 英語が話せなくても、 胸をはって外国人のそばを歩けるようになった。 私の進歩と調和。

ルポに話を戻すと、カメラマンのルポですが、とても写真なんか撮れる状況でなかったようで、全然写真ありません。時代的には、フォーカスはもう登場してたのかな。グラフィカルな誌面はあってもよかったのか、あくまで文春だから文字主体なのか。

で、あっけなく漁師でないことを見破られ、ソ連に捕まっちゃうのですが、東西冷戦の阿吽の呼吸なのか、軽くお灸をすえられる程度で、一晩くらいで帰してもらえます。肩透かしルポというか安堵というか。これから一生黒パンとなまぐさいスープの生活かも知れない、拿捕されて幾星霜後自殺者もわりといるとか、いろいろ書いた後に自分がそうでなかったことを実証してるわけですが、まーほんとにやばいことになったら手記なんかこんなやすやす発表出来なかったでしょうし、それを背景にか、まだこの時代は自己責任論は強くなかった気がします。というか、お調子者の人がまだ少なかったのか。周りに気を使って、用意周到ぬかりなくという。

そんなルポです。どっとはらい