「TOURISM」劇場鑑賞

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バンコクナイツ」も吃驚の、日本撮影一日半、現地撮影四日(ゲリラ)で仕上げた映画だとか(公式の監督の文による)黄金町のジャック&ベティで見ました、と書いてこの看板だと、映画「ジャンクフード」が描き切った、かつての黄金町の光景の残像が、先入観となって邪魔をするかもしれません。それじゃないです。ベティで見るの珍しいと思いながら見ました。私の鑑賞は、偶然かもしれませんがジャックが多いです。スタンプカードは六個くらいで一年過ぎたので、またもらいましたが、埋まるかどうか。

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予告だといきなり看板に地名の高座渋谷が書いてあるのが、ばばーんと映るのですが、本編だと実はそれは、みたく、とくに高座渋谷特化ではなく、何処にでもある郊外風景になっています。この監督は前作も大和が舞台で、それが縁で文化創造拠点シリウス(棒)で上映やったりしたので、今回も高座渋谷だよ、あざといなーと思いつつ、それで観に行きました。十人ほどの全員男性の観客も皆そうだったりして。あと、シンガポールが舞台だから見たです。大和に有名なシンガポール料理の店があるからそれで思いついたわけでなく、国際映画祭とかで海外に行ってる中でシンガポールとも交流があり、現地から下記オファーがあり、それでもともとのゲージツ短編を作ったそうです。

tourism2019.net

シンガポールを舞台にした映画というと、最近も松田聖子が出た「家族のレシピ」がありましたが、そっちは松田聖子なので見ずじまいで、その罪悪感もこの映画鑑賞に足を向けさせた理由のひとつです。

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充実の物販。何故こんな短期間のやっつけ撮影だったかというと、予算もさることながら、シンガポールの映画祭、フィルムコミッション?の「現代芸術」というお題でのオファーだかお誘いだかで作った映画なので、それでこんなになったそうです。そもそもの主眼は映画っぽいアートだった。だから日本語のセリフには英語字幕がつきます。マレー語のセリフには英語字幕はありません。撮影自体は2017年。「タンジェリン」も吃驚の、スマホ撮り自撮り多数。

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だもんで、ここの踊りなんか、左の子がフレームアウトしまくってて、「撮りなおせよバカ、真面目に踊ってやってバカ見たわ、なんて1㍉も思ってませんよ監督ぅ」と思ってはいないと思いますが、短時間だと脚本も粗いし、大変だなと。日本人が自撮り棒使うの初めて見ました。

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 男女三人がこのようにシェアハウスという設定で、室内は横浜で撮ったそうですが、屋外と、設定は高座渋谷とのことで、何故高座渋谷でシェアハウスなのか、監督がご当地映画として大和市住民の鑑賞動員を期待してる?etc.の憶測以外、最後まで思いつきませんでした。高座渋谷というと、インドシナ難民定住の歴史という視点では欠かせない場所ですが、あんま関係ない。アパートには無害で善人の霊がいるみたいです。

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海上自衛隊が哨戒飛行で使ってる、or使ってたレシプロ機のP3Cが飛ぶ絵に轟音の音つけてますが、あれはあんな音しないので。上の写真のような、双発とか四発のジェット機の画像使うべきです。もしくは戦闘機。ほんとにキュイーンバリバリとか音するのは戦闘機で、二機とかで飛ぶので、撮れればいい絵になるのですが、撮れなかったか。

海外旅行に出発して現地に着いて初観光ぶらぶらするまでは、隠し撮り含めて素晴らしいです。よく撮ってる。「ヘイ、シリ!」で観光スポット訊く場面とか、リアルです。で、今は機内にワイファイが飛んでる時代ですし、機内で自撮りしてても何も言われないんだろうな。

b.hatena.ne.jp

食べログ問題は私も衝撃で、RettyやぐるナビやGoogleマップよりたくさん評価あるので、より純粋かと思ってましたが、なんとなあ。インド料理店が軒並み4.1とか4.0とかついてるのも、食べログ営業が勧誘して、インド人が応じてるってことなのかな。とまれ、何が言いたいかというと、映画評もいろいろバイアスや組織票があると思うのですが、お金払ってまで評価高めようというふうには、まあ、なってたら嫌だし、なってほしくもないと思います。この映画、もうちょっと上でもいいと思うです。2点台は寂しい。冒頭意味不明とか自己満足とかの部分はそりゃあるかしれませんが、もし映画批評サイトから☆マシマシの勧誘があったら、どこも苦しい中小プロダクションとか、受けそうでこわいです。

stantsiya-iriya.hatenablog.com

監督の前作は、たぶん上記の本とそれにインスパイアされた日系人バンドをヒントに、大和をワインズバーグ・オハイオにしたのかなと勝手に思っていて、しかしそれは強引グマイウェイと思うので見ませんでした。大和のヒップホップとバスケ。この映画は、タイトルは大きく出たなと思うですが、中国人が好き的な商業テナントがごちゃごちゃ入ってるコンプレックスでツレとはぐれ、ありがちにスマホ置き忘れて置き引きされ、ひとりで街をさまよう展開よかったです。が、モスクのあたりで寝てしまい、この映画のいちばんのキモだろう、夕食をゴチになるマレー人家庭にどうやって呼ばれたのかがまったく分からず、公式で監督が書いてる、マレーシアからの通勤者が、朝夕バス停に長蛇の列で海の国境越える場面も、まるっと見過ごしてます。ジャジャンクーの映画は長いしジャジャンクーなので、寝ると思ったので短いこっち見たのですが、寝た。こないだ「ホテル・ムンバイ」観た時も、テロリストがホテル制圧するあたりで寝ましたし、最近また寝だしてる。よくないです。

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日本人の女の子同士だとつんとしてる子が、異文化の集体の中で、こどもっぽくなってしまい、日本人はこどもっぽい、とのステレオタイプ先入観を具現化してしまうのも興味深かったです。ナニ人の女の子でもこの状況下ではこんなふうになると思うんですが、どうだろう。

冒頭とエンディングのナレーションの声が、男の子どもの声なのは、よく分かりませんでした。音声入れないでテロップだけでいい気もします。

ジャック&ベティの支配人だか副支配人だかたちが、韓国の小劇場から飛び込みオファーがあって、相互交流上映イベントで韓国インチョンに飛ぶレポートが館内にありました。インチョンというと、上陸作戦を指揮したマッカーサー銅像だか石像がまず思いつきます。ハングルで彼の名前はこう聞こえる「メガダ」と彫られている。あと、猟奇的な彼女で、終電乗り越して、自販機のお釣りあさってカップのホット飲料飲む場面、インチョンだった気がするのですが、どうだろう。それはレポートにありませんが、また行くでしょうから、いずれそういう旅行感想も読みたいです。あと、インチョンにもむかしからある中華学校がある。

以上

【後報】

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米軍根岸住宅

別に大和まで来なくても、上瀬谷はロクにもう何もなかったけど、まだまだ横浜にも米軍関係ありますよと。ここの近くの道路が、「疎開道路」という名前だと地図にはあるのですが、そういう表示板を銭湯スタンプラリーがてら捜した時には見つけられなかったです。

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COMMANDER U.S. FLEET ACTIVITIES YOKOSUKA YOKOHAMA DETACHMENT NEGISHI NAVY HOUSING COMPLEX

山手

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車両進入禁止  この区域は日米共同使用区域になっており、関係者以外の車両の進入及びチュ者は認められておりません。  後援を利用される方は、根岸倫新公園駐車場をご利用願います。

山手

(2019/10/12)