『アンサングシンデレラ 病院薬剤師 葵みどり (3) 』(ゼノンコミックス)読了

 その辺にあったマンガ。 読んだのは初版。医療原案 富野浩充 デザイン AFTERGLOW 初出は紙版の月刊コミックゼノン102号(2019年5月号)~106号(2019年9月号)前から元号でなく西暦だったかは、一巻の初出を見落としたので分かりません。

 インフルエンザの話と肉親が末期がんで告知されてなくて、それで摂食障害になった少女の話。

インフルエンザの話は、ほぼタミフルと、予防接種受けてたのになんで、の話。私は二月初旬にインフルエンザの患者さんと接触というか一定時間の対応しましたが、予防接種のおかげかどうか、何ごともなかったです。当時から"武汉挺住!"とかダイプリとかでテンションが上がっていて、今でいうソーシャルディスタンスを越える長時間対応があった場合、ちょっと抜けさせてもらって、うがい手洗いアルコール消毒をしていた。

 なにごともなければ、このまんがも、「アウンサンスーキーQシンデレラ」はほんまに善人か、by高崎経済大、みたいな洒落で読んでたのですが、そうもいかないです。考えながら読んでしまう。なんしか、主人公の澄んだ瞳がわりと突き刺さる感じです。髪の毛にベタ塗ってないせいか、瞳もある程度黒入れてるのですが、虹彩が明るい人ではないかと脳内変換して読んでいる。鳶色とか亜麻色とか、そんな。私も東海道線沿線に散住している、目の色が真っ黒でないタイプですが、言うほど薄くないので、自慢にはなりません。王蒙の『淡い灰色の瞳』"谈灰色的眼珠"というわけには、とてもとても。

薬剤師にもいろいろ資格があることは一巻読むときに検索して知りましたが、この巻はがんの薬物療法の認定薬剤師が登場し、巻末の医療原案者のあとがきによると、これを更新し続けるためには、勉強もさることながら、お金もかかるということです。受験料が高いのだろうか。読みながら、IT業界だと、Oracleの資格なんかみたいなものだろうかと思いました。そういう認定薬剤師とは別に、検索で「漢方薬剤師」なんてのもひっかかって、インフルエンザの話のオチは、熱が出た主人公にパイセンが、麻黄湯飲んで寝ろ!と一喝なのですが、葛根湯でなく麻黄湯なのはなんでと思いました。漢方薬剤師、気になります。あやしいのかあやしくないのか。

やもめがひとりで食堂回せるわけないし、とは思いました。頁95、「3月 」という表記はIMEで出ないのですが、なぜひらがなの「か」を小文字にした表記にしたのだろうか、編集は何故それをそのまま受けて、フォントの大きさを一文字だけ小さくして「3月 」という写植を作って貼ったのだろうかとか、不思議でした。

資格の話もそうですが、QOL、クオリティーオブライフ、生活の質、なんて単語が頁107に出てきて、品質管理とか生産管理用語でなく、ここでは文字通り人間のライフについての用語なんだなあと思いました。

今は非常事態宣言なので、摂食障害の子のベッドとかも、医療崩壊というほどではないのかもしれませんが、確保出来るんだろうかなんて思いながら読みました。科がちがうからだいじょうぶなんだろうか。雨宿り入院なんてことばは、この状況下でどうなっているのか。今度医者に聞いてみます。以上