『本音の置き場所』"Honne no okibasho." by Barbie 読了

 Honne no okibasho. (Book, 2020) [WorldCat.org]

本音の置き場所

本音の置き場所

  • 作者:バービー
  • 発売日: 2020/11/06
  • メディア: 新書
 

本音の置き場所 | FRaU

バービー (お笑い芸人) - Wikipedia

ビッグコミックオリジナル連載『前科者』に三回も登場する📖本。

上の「FRaU web」(現代ビジネス)2019年12月~2020年9月(毎月27日更新)のコラムに書き下ろしと悩み相談(どこにあるか忘れました)と料理頁を加えたものだとか。

コラムイラスト バービー カバー写真 谷口夏生 扉・料理ページ撮影 井上孝明 スタイリスト TAKUTY 谷口夏生(有限会社ラッキースター) ヘアメイク 原田なおみ(株式会社C.A.L.) ブックデザイン 佐藤亜沙美(サトウサンカイ)編集協力 佐藤愛葉 宣伝 黒田剛 協力 株式会社ワタナベエンターテインメント 土居大樹、植田茂樹 

上のブックデザインの人が装丁ってことなのかな。あとがきによると、マネージャーの人が原稿チェックを毎回してたそうで、その人が「編集協力」の人なのかどうかは不明。あとがきでは、こないだ相鉄瓦版で知った、武田砂鉄という人にも謝辞を述べてます。

リクエスト待ちで入手して、この後もリクエストが入ってます。¥1,300なら買えよファンだろ俺は違うけどな、という人ばかりなのかどうか。ウェブでも読めるわけですし、紙を手に取るなら、けっこう線を引きたくなる本だと思うので、彼女をファッションアイコンと認めるのにやぶさかでないなら買ってもいいんだろうと思いました。リトル・モアとかの本だったとしてもこれくらいの価格なのかな。新書サイズですが、カラー写真も多く、さらに、付箋が三本入ってて、そこは誰のアイデアだろうと思いました。

『前科者』で知った本で、著者も知らず、その後、ひるおびのコメンテートも見たのですが、マツコ・デラックスとかミッツ・マングローブとかそういう系譜の人と思ってました。すいません。それでバービーなのかと。先入観はおそろしい。このお尻の(´∀`(⊃*⊂)骨盤でナチュラルセックス男性はないんだろうな。

レシピほかのページは、この人も小田急なのかと思う反面(坂口安吾の荒廃、否後輩だから、意識的に酒に吞まれる二十代を送ったのだろうと)SM小説で、責められる女性の声をもがり笛に例えるのがあったなと思いました。道民はいかめしを家で作るんですね。関西人のたこやきみたいだ。あと、ロケ弁の値段を知らないので勉強になりました。作者は中国語も勉強してサモハンのデブ映画ですか、コロナカで出たみたいですが、<木须肉>ムースーローとかいわれる料理をいちずに「キクラゲタマゴ」と書いてるのがよかった。どさんこなら「ザンギ」の語源が、おそらく山東訛りの<炸鸡>であることは知ってると思うのですが、そこはそれ、ここはこれ。

第一章は別に。イキナリ"kutoo"が分からなかったので検索しました。

KuToo - Wikipedia

第二章は、この人の芸を見たことはないのですが、たぶんいじめる人は相手がはじらったりとまどったり失敗したりすることにサディスティックな喜悦感を抱くと思うので、ブルゾンちえみはそういうのに乗せられるのがいやでやめたんだろうと思います。第五章でもお笑いクズ論を書いてますが、堕落論の末裔と言われたらいやだろうな。

この本の前に読んだボーツ―先生の本で、あとがきの日付を酒のサカナに笑い飛ばす対談があり、なんでそんな思い入れたっぷりに書くかねえ、とか書いていて、その次に、「二〇二〇年九月 地方の番組から最終便で帰京する機内にて バービー」であとがきを〆てる本書を読んで、奇縁だと思いました。たぶん、『窓際のトットちゃん』のあとがきが、体罰だか校則だかがニュースになった日にて、と日付を書いてるようなことをアテにうまい酒を飲んだのがボーツー先生で、まあ悪気はないと思います。例えば六月四日だったら、「学生が当たり前の自由を手に入れるために行動して、戦車と銃に虫けらのように殺された日に」と書いたら、そりゃそうだけどさ、と、けむたい気分になる人もいて、それはそれで自由。そんな反中プロパガンダに載せられてはイケマセーン、何事もなかったんです、ウソですよそんなこと、証明されてます、とえんえん言ったら、それは通うのをやめた中国語会話の教師。今の中国は、黙して語らずでなく、積極的に虚言をアピールしないとその人もべーやー目に遭うかもな国ってことで。

三章の胸は、分からなくてすみません。早熟とか言い出したので、性的トラウマなどを話しだしたらどうしようかと思いました。それはなかった。

四章の脱毛は、今まさに円形脱毛症からスキンヘッドにしたところなので、興味深く読みました。読解力がないので、いちぶパイパンに読めてしまいましたが、そうでないとも思います。分からない。吉原の遊女が線香で陰毛を一本一本焼くではないですが、風俗で働く場合毎回の衛生ケアなどの手間を簡略化するため(しいては性病予防などを強化するため)そこまで踏み込む人がいると聞いたことがありますが、そういうことだけでなく、世の中いろんな要望需要があると思いました。

頁71

(前略)そもそも私は「紹介」では動かないタチで、いつもチラシを見ての飛び込みや、安さのインパクトで衝動的に決めてきた。

(略)

 自分の足で稼いだものしか信用しないという謎のフロンティア精神があり、ヒリヒリしたスリルがあることで生きていると実感する。そして、有り余る好奇心でどこへでも飛び込んでいく。このスタイルは結局、安物買いの銭失いになっているのは間違いない。 

 こういうエッセーを、すべて右人差し指一本で、スマホ連打で書き上げたんだそうで、なかなか感想が書けてないチベット文学『雪を待つ』の邦訳者の人も、通勤途中にアイフォンを利用してその本を訳したんだそうで、アイフォンだと不明点があればすぐチベットなど海外の、著者ほかに問い合わせながら作業が出来るし、電車の中でも出来るし、非常に便利便利なんだそうです。私は自分がスマホ漬けになるのがイヤなのもあってスマホ持たないのですが、こういう使いかたもあるよってことで。

stantsiya-iriya.hatenablog.com

第五章の結婚のところとは別の個所で、ページ忘れましたが、飲み屋かなんかで、店の前と中で目があったおっさんに「このあとホテル行こう」と誘われたと書いてます。二回りくらい上のオッサンからもてるだろうなと思いました。フワちゃんとどっちがもてるだろう。介護してくれそうだから、という理由でもててるとすれば、本人やんだおらとげんなりするでしょうし、本書刊行後六歳年下の一般人男性と結婚したとウィキペディアで読みました。恭喜恭喜。ので、本書で述べていた、結婚したら自分が自分でなくなるのではないかという不安について、私が何か書く必要もないのですが、自分の文章でないし、中国語を勉強しているということでしたので、新井一二三の本の文章を引き写しておきます。

頁188 『鬼話連篇』日本心「全共鬥的激進女學生」

 十一年前,豐田典子是既想知道、又怕知道做了母親以後,自己會失掉甚麽。結果,她甚麽也没有改變,甚麽也没有失掉。相反,她表示,以前只能在觀念上理解的事情,越來越自然地接受下來了。最近一两年,她覺得「自己還是自己,無論在甚麽地方,我仍然是我。」

この手の漠然とした不安について、男性の場合、養育費バックレがついて回ると思うのですが(母ちゃんが逃げたケースも知ってますが、養育費が払われるよう骨を折って要求したというふうでもなかった)そのへんやっぱ性差はあるのかどうなのか。

六章は、よほどそのアメリカ人が印象に残ったんだなと思いました。パパ活やらない女性ならけっこう読んでしまう章だと思います。

頁94

昔、モテる男性に秘訣を聞いたとき、「女の子の面子を立ててあげるのが大事なんだよ」という答えが返ってきたことがある。「本当は嫌だけど仕方ないわね(してあげてもいいよ)」と言わせてあげることがミソらしい。私の意志じゃないけど、かわいそうな人をほっとけない私に気持ちよく酔ってもらうという戦法だ。自分の性欲を認めることは、女のプライドが許さないのだという。

 へえ。

七章は、ヤフコメとか見てると実感出来ます。クンダリーニの写真の意味は分かりませんでした。

頁122、恥かきっ子について、本人も分かってると思いますが、きっかけはなんだってよくて、お母さんは、生みたかったんだと思いますよ。占い師という職業は、相手が望んだ方向に背中を押してあげるのがウマい。頁139の一面のひまわり畑は座間ではないと思うのですが、座間だとしたら座間あみやがれ。

第九章のクラファンは、キングコング西野の名前が出てて、西野と著者、ふたりとも分かってると思いますが、もうひとつの面があると思います。相模原はなんかあの手この手のクラファン仕掛け人がいるみたいで、裏方に徹して、オモテには当事者を立たせて、やり方が分からなければ手続きや書類コンテンツ作成を助け、儲けからなにがしか得るのでしょう、で、メンが割れて所在も分かって矢面に立って逃げも隠れも出来ない広報塔兼当事者をしり目に、黒子の自分は取り分ゲットして次のネタへ、という人が、いるんだかいないないんだか、という感じで(ある案件で、集めたお金を目的にちゃんと使ったのか不透明なことがあり、さらにまた別案件で「勝手にクラウドファンディング」という貼紙を見てそう思いました)給付金詐欺もまた、申請書類の書き方等助言してアガリの何割かかっぱいでって、後で事態が紛糾して口座の持ち主が返金する時、助言者のそいつからは金とれない、ということだと思いますので、そっちのリスクも考えてるんだろうなと思いました。笹倉明サンは、逆に名義貸しにヤラレた例か。

以前の商店街有線放送、ミニFM局と同じヤカラが、今度はクラファンというパワポタブレットを手に徘徊してる気がしますので、アーケード有線などの「コンサル」連中のあくどさに警鐘を鳴らしていた東直己と同じ北海道の作者が、そういうこと熟知して警戒していても不思議ではないかな。

今、悩み相談の個所を見つけました。悩みを話したり、聞いてもらえることは大事ですね。ヤクザも聞き上手ですが、それはまた別の話で。以上