『タイのごはん』"Thai meal"(絵本世界の食事⑨)Picture book World meal⑨ 読了

編集/竹田央(株式会社ぷう)装幀/佐藤正久(株式会社スペース・ユー)絵は、いずみ なほという人と、星桂介という人の共作 企画・文 銀城康子 表紙写真 JTBフォト 取材協力はカンジャナ・クァンキットという人

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●参考資料

『世界の食文化 5 タイ』山田均 著(農文協

『タイの家庭料理入門』うめ子 ヌアラナント 安武律 著(農文協

『やすらぎのタイ食卓』ラッカナー パンウィチャイ 藤田渡 河野元子 著(めこん)

『タイの屋台図鑑』岡本真理 著(情報センター出版局)

タイ王国大使館ホームページ

というわけで、参考文献に前川健一サンの『タイの日常茶飯』および『東南アジアの日常茶飯』はありません。なんでかな。

イラストは、堀田あきおというか、村上たかしのような絵で、人物がいつでも半月状にクチを開けています。

タイはたぶん地方によって食生活の差が大きいはずなので、その分苦心した感じでした。取り上げる架空の一家は、いちおうチェンマイ郊外の三世代同居家族で、両親は共稼ぎ、下の子は昼は家に帰って食事、上の子は学校で弁当というふうに、色々な料理を出せるようくふうをこらしてます。共稼ぎだから総菜をよく買う、というふうにへんなアレンジはしていません。祖母がいるわけだから、オクサンが出勤中は、オバーサンが料理をしてもいいわけなので。ようするに、ただたんに総菜をよく買う。暑さで作り置きがもたないという地域事情は、もちろん書いてます。食材を保存しとくとチャバネのGがすぐ来るという事情は書いてません。向こうの人は油虫気にしないやろ、というふうに言い切る人が出て、侃々諤々の議論になるのもめんどいからか。

そういうわけで便宜上、日によってモチ米食べたりタイ米食べたりの食生活になっています。タイカレ―の日はタイ米。で、手食は基本糯米だけというふうに書いてます。センレックセンヤイセンミーの米麺を「タイラーメン」と総称してるのは、どうかな~。小麦麺をタイラーメンにした方がいいと思うのですが。暑いので煮込む時間は短時間という納得の論理を書いてる同じページに、もち米の蒸し器が書いてあって、私もタイ料理店で働いていた時、糯米蒸しをこの、竹の縄文土器みたいな下がとんがってる容器でやってましたが、こればっかりは十分二十分の短時間では蒸し上がらないです。

タイのナスは丸ナスばかりと思っていたのですが、長茄子料理が書いてあって、おどろきでした。ナスのタイ語「マクア」は、日本語のまくわうりと何か関連ないかしらといつも思っていますが、本書もまたそこまで言及してません。

マナオというライムのような柑橘類の調味料が出ますが、これ、私はマナガツオとすぐ混同していて、すっぱい味のするカツオブシみたいなものかとずっと思っていて、たぶんその思い込みはなおりません。

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タイの食文化として説明せずにはおれないと思ったのか、テラワーダ仏教の托鉢に見開き一つ使ってます。プラ・アキラ・アマロー師も本望でしょう。

どうも私は、知っててあえて「ら」抜きタイ語を覚えてるフシがあり、ロイクラトーンはロイカトーン、ソンクラーンはソンカーンで覚えています。英語ならコックニーを覚えたい。エノ、オウトゥ、イールス。それはそれとして、ソンクラーンの時に食べるという、カオ・トムマットは食べてみたいです。糯米にココナッツミルクで味付けし、小豆を入れてバナナの葉でくるんだ食べ物だとか。

イサーンの昆虫食は、地方差のページでサクッとアリバイ的に書かれています。

巻末の、字ばっかりのページで、トムヤムクンに触れていて、世界三大スープのひとつとし、ほかのふたつは、フランスのコンソメスープと、ロシアのボルシチもしくは中華のフカヒレスープであるとして、それらもぜんぶ詳しく説明してます。この辺ドツボにはまった感がおもしろかったです。ボルシチウクライナ~みたいな話は、まだ時代的に出ません。

また、ココナッツミルクと牛乳はまったくちがうとただ言い切るのでなく、成分比較表まで組み込んで書いていて、よっぽど混同した人から苦い思いをさせられたのだろうかと思いました。

屋台で惣菜買う文化は、フィリピンもそうだと思っていて、フィリピン映画「ローサは密告された」ではよく買ってきた惣菜で食事をするシーンがあります。でも行ったことがないので、詳しくは分かりません。

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どうなんでしょうか。以上