装丁・口絵デザイン/シマダヒデアキ(L.S.D) 初出は月刊モーニングtwo2021年12月号、2022年1月号~3月号、5月号~8月号。坐骨神経痛かなんかで高橋葉介原画展での対談をキャンセルしたのに続き、翌月から休載で、休載前までを急ぎ翌月に単行本化した感じです。講談社仕事早い。
1983年5月からの連載ですから、来年にはもう連載40年になるんですよね(中断含む)ストーリーまんがでは『ガラスの仮面』に次ぐ長寿作品になってるのではないかと。単に終わってないだけですが、描いても描いても終わらない、別の意味で<沼>のような作品だと思います。作者のほかの作品の例でいうなら、『花坂爺論序説』に始まる、稗田礼二郎の一連の天孫降臨もの、どんな話だったかあらすじを簡潔に説明出来る人がいるでしょうか。生命の花だかときじくの花だかが咲いて、富士山のふもとの地下洞窟で、丸太舟がドーン、で、なんしか大団円。としか言えないと思う。西遊妖猿伝もそんな感じで、一升金が出たり、ナントカのクマバチをおなめでないよ、とか、人参果も出ますよ、紅孩児はチャンと火炎車に乗るし、くらいに、キャラを羅列するくらいが関の山で、どのキャラが何がどうなって今どこにいるのかとか、もうまったくさっぱりさっぱりです。今ウィキペディア見て、黄袍が死んでいることに気づきましたが、実感ナシ。
それでも、描いてるだけで素晴らしいです。ほんと。千葉県で遊んでシャクシャインの乱ウヤムヤにするより、なんぼかましです。
帯 確か、西域篇に入る前の、河西回廊篇の中断の時のユリイカ特集の時の中野美代子(女怪)との対談で、中央アジアにもおもしろい怪異譚がたくさんあると紹介され、それを読む時間がないと答えておられたはずですが、それから幾星霜、ゾロアスター教も現代インドのヒンディー教同様、牛を聖なるものとしているという知識が、牛魔王と見事に結びついたストーリーテリングとして結実しつつあるのが目前にあると、ちょっと言葉ないです。
帯裏 monky-king没有休息,可作者只好休息,読者祈念快癒。
裏表紙 カバー折に、「これからの展開は…… どうぞ気長にお待ちください」とのこと。けっきょく牛魔王は頼まれなくても、以心伝心なのか、自分でも思うところあったのか、使命を果たしました。ナントカナス一派がそれに対し、想定内だったのか想定外だったのかを語る説明のひとコマは描かれませんでした。サソリ女の正体も不明ですし、公女公主の正体も不明ですが、たぶん正体や動機の説明はひとコマかふたコマで、記憶に残らないに1,000ペリカ。続くだけで読者は丸儲け、滂沱の涙。通臂公天竺に先回りしてそのまま待ちぼうけに10,000ペリカ。以上