装画 富安健一郎 装幀:早川書房デザイン室
収録十三作品のうち、ななつ目。2002年12月9日脱稿でkehuanshijieの2003年3月号掲載。「かげんせかい」はこの頃はもう、驚愕の事件ナントカ号みたいな見出し、副題をやめたみたいです。同雑誌の2002年11号掲載『呑食者』の続編にあたるが、単品でも問題なく楽しめるのでご心配なく、とは訳者あとがきの弁。本書時点では『呑食者』収録予定の邦訳短編集はまだ出てませんでしたが、先ごろ無事、二冊同時刊行で出たみたいです。
英題は英語版Wikipediaから。
ここに至って、膨大な?倒版VCD鑑賞歴と、グレッグ・イーガンからテッド・チャンへと流れる新古典SFの系譜が融合したと見ました。恐竜に支配されて飼育される人類という光景については、ほかにも恐竜SFはいろいろあるんでしょうが、私としては、中国でウィンドウズPC-AT互換機と同時に流布したと言っても過言でない、インディペンデントデイをまっさきに上げたいです。中国のどっかの大学で、1996年の公開直後にもう職員がパソウコンで見てましたから。Windows98、否Windows95の動作環境で倒版VCDだったんだろうなあ。そのウィンドウズライセンスも当然むにゃむにゃ。で、ちゃんと字幕は入ってました。
当時はまだAIということばはありませんでしたが、コンピュータはすべての文系ワークを取って代わることが出来るという理系の信念は、間接的に21世紀初頭、京大人文研の電子化に際して、文系学術拠点に入った理系協力者たちとの論争の余波として聞いたことがあります。文系のすべてのクリティーク的、フォロソフィー的ロンブンはコンピュータ(当時まだAIということばはないかった)で代筆可能という説。本作ではそれは論文などではなく、詩歌で、訳者あとがきではボルヘスの『バベルの図書館』と、アーサー・C・クラークの『90億の神の御名』が海外の類似先駆作品として挙げられています。
頁200、電子データから復活した李白が食べる平遥牛肉は、検索しました。
現在はコロナカで閉鎖中の可能性大とか。
本作では尿酸カルシウムを入れるのがコツとありますが、ウェブでは何も見つからず、百度知道で質問してる人もいましたが、答えは否定的です。
https://zhidao.baidu.com/question/137837881447183965.html
https://zhidao.baidu.com/question/2265877702155337268.html
汾酒や竹叶青も出ますが、特に何も。以上
この人のピンインカタカナ名は、「ツ」と「シ」の書きわけが出来てない人には鬼門。ちなみにハングルでは「류츠신(リュー・チューシン)」でした。