『JJM 女子柔道部物語 (14) 』"JOSHI JUDOBU MONOGATARI" vol.14(イブニングKC)"EVENING KC" 読了

装丁 竹内亮輔[crazy force] 「イブニング」2022年12号~16号、18号~20号掲載

巻末の次巻予告によると、来年春発売予定の⓯巻で高校生編は完結、2023年社会人編が始動するそうです*1

それはそれとして、表紙もそうなんですが、この巻は、下からのアオリの構図が多くて、特に、頁61の、強い相手に投げられて下から見上げた勝者の顔、これが強烈で、それから同じような無表情が何度も入場時や試合後に観客席から見上げた構図で登場するので、それがすべて投げられた後見上げた顔のように見えて仕方なかったです(頁126など)

高校生活集大成にリアル九戸先生も高揚!!「さぁ!えもちゃん!白黒はっきりつけようせ!」初代皇后杯女王森山ゆかり(旧姓八戸)累計150万部超!!高校生編、クライマックス!!

どこの丸山桂里奈かと思いましたが、違う方で。この方が指導する高校は、あまりに実力差があるので、「投げてないのに投げられた」(頁94)り、「やさしく転がして抑え込んで一本勝ち」(頁98)されたりします。まあケガがなくてよかったなと。事実に即してたのかもしれませんが、それでもドラマの中にこういう試合を入れられるのは、センス以外の何物でもないと思う。編集が「変わった試合、おもしろい試合、真剣勝負の中に一息つける試合」の注文出して、マンガ家が必死に、どういうものか資料をあさって研究して、「ね、これおもしろいでしょ?」と言ってくるような演出ではないというか、亀の甲より年の功というか、でもこの人は若い時からこれが出来た気もしますので、やっぱりセンスかなあと思います。

頁135の、持ち上げられる感覚の表現も、驚いたというか、デジタル作画によって平衡感覚の歪みがうまく表現されてしまっていて、誰が考えたんでしょうかねえと思いました。その後四ページも使って、ただ会場で両チームがすれ違うだけという描写を続けますが、手抜きでありながら(取り込んだ絵を並べただけ)しっかり効果を出すという、これもこの人のセンス、お得意だと思いました。

転勤の決まってる教師が教え子最後の試合で泣く場面で3ページ(頁104)気合い入れて入場するだけで4ページ(頁46)私はこの人のまんがは単行本でしか読まないので、もし雑誌を買っていて、連載でこれだったらどう思うかは考えないことにしてるのですが、それでよいと思ってます。

最後の大会だよ!!えものライバル全員集合!!第1シード極大高校 網走東高校 札幌陽光高校 九戸先生率いる三度笠高校 ジャパン率いる旭竜高校

頁41で、北の床屋の英語がNORTH OF BARBERなのは卑怯だと思いますが、頁22の熊出没注意のステッカーやレトルト豚丼が、前世紀から存在するものなのかどうかも気になりました。今度道産子だった人に聞いてみます。作者的には、もうあまりどうでもいいのかもしれない、その辺の細かい時代考証は。

頁168の「よし!計算通りだべ!」と言いながらのすごい汗は、ワールドカップで日本が勝ってるのを見てる時みたいだと思いました。負けてる時は出ない汗。以上

*1: