編集 株式会社シュークリーム 装丁 小林満+水谷香里(GENIALÒIDE.INC) 初出はフィールヤングの2020年8月号、10~12月号、2021年1、2月号。ここの字がもう裸眼で読めないレベルの老眼になりました。
表紙で手に持ってるのはタバコだと思い込んでいて、いや電子タバコだろうかと思ってよく見ると白墨でした。たぶん。
相変わらず爆笑しました。
これだけ頭身のスラリとした美男美女だけがガンガン出て来ると、耽美とかBLとか百合とかいう以前に、こういうものが好きでよく模写していたらこういうマンガになったという以外理由はない気がします。私のような非リア充だった人が、年齢の垣根を越えて、リア充の会話をしてる気分になれていい気分。現代人との差分は自称「うち」くらいでしょうか。その差分も関西人なら、消える。
あと、紙とブラウン管の時代に比べると、多くのキャラが目の下にドス黒いクマを作っている。これはこの作家さんの画の特徴でもありますが。
たぶん頁75のあたりで最初の波が来て、頁124「おそれいります」で次の波が来て、頁155「いっしょにがんばろ!」の顔とそれまでとのギャップで第三波、という感じでしたでしょうか。
頁14で既に、なんでスカートから出すかなあと思うなど、小ネタがたくさんちりばめられていたからこそそうなったのだと思います。
いっさいタチキリをしないので、何頁かすぐ分かってらくです。アシスタントをしないでずっと自分で描いてたからでしょうか。ノンブル打つ編集者がぶつぶつ言うから、マンガのページ四隅の余白がなくなったなどと、こしゃくな業界打ち明け話を聞いた気もしますが、ほんとかどうか知りません。編集も外注請負で、大企業正社員からにらまれるとかないでしょうし、仕事多いほうが成果ナントカの積み上げで効果的だから、どんどんページ数のノンブル打つ方向に倒していいような気もしますが、どうでしょう。四隅に絵を描かなくてよいのですから、漫画家にとっては四隅の余白はあったほうがいい気がします。よほどのことがあって、はみでる。
女子バレー部のキャプテンの造型は、攻めたなと思いました。誰かほかの人のリクエストだったのかも。
後報で帯とか貼ります。
帯折り返し
以上
【後報】
カバー折
帯裏
帯おもて
裏表紙
基本的に人物はぜんぶ頭身がすばらしいのですが、頁129の群像は、資料を見ないと描けなかったのか、現実のJKの頭身になってます。これは、江口寿史のような御大も、ときおり胴長短足の頭身で女性を描くことがあり、そうすると即座に「写真見ながら描いたなニヤリ」と言われてしまう状況へのオマージュなのかもしれません。頁15の華奢な手と装身具など、びっくりするほどきれいだと思いました。
(2021/5/25)