『NHKにようこそ!07』"Welcome to the N.H.K." vol.07 STORY:TATSUHIKO TAKIMOTO×KENDI OIWA:COMIC 原作 滝本竜彦×大岩ケンヂ 漫画 (Kadokawa Comics A)角川コミックス・エース 読了

月刊少年エース '06年10月号~'07年2月号掲載。この巻も装丁者、デザイナーの名前が書いてません。カバー折の作者コンビの近況報告も文章だけで写真がないので、撮影者名も記載なし。いろいろやる気をなくしたのかもしれません。

表紙の主人公二人が、やや年を食った感じに見えますので、未来かもしれません。特に女性は背が伸びている(もしくはヒールで高い)

これまではカラーページさいごの目次のページは、遊んでる感じの構成でしたが、今回はほっこりするようなイラストになっていて、そういう罠かもしれませんが、どうでもいいです。

主人公はヒモになれるかという前巻からの宿題は、「なれる」でFA。先輩とは最後まで一線を越えませんが、またすぐヒロインが来ますし、マルチの勧誘やってた同級生(委員長だそうで、忘れてました)との再会も、いい感じです。

相変わらずこのまんがはよけいな展開が好きで、先輩とやれそうになった時、主人公はわざわざSMグッズを買って来たりします。俺ってさいていアピール。また、失踪した後輩を探しに歌舞伎町に行った時も、ずっとパチンコを打ちながら、気持ちだけ探してるという高等芸を見せます。そういうおふざけはいらんのよ、とみんな思うはず。主人公は打たない一日をやってる人ではないです。

頁101に、百合をカムアウトした声優が出て、何かあったら連絡してとケー番のメモを渡しますが、その後その番号に連絡する場面はありません。最終巻で連絡する場面が出るにマイナス1,000ペリカ空売り

この巻は、このまんがには珍しく、まんが的な夢のあるストーリー展開がふたつもあります。編集部のテコ入れなのか、それで作者コンビのやる気が失せたのか。

  1. 後輩が歌舞伎町のホストで大成功して、多額の収入を得る。
  2. マルチ同級生のひきこもりだった兄は、ひきこもりを脱したあと、塾の人気ナンバーワン講師となる。ひきこもりのあいだ、ずっと難しい本を読み続けて知識の研鑽を怠らなかったから。

後輩はその後、インターネットで爆弾の製造法を検索し、巨悪を爆発させようとします。目的は革命。2007年のまんがなので、ここ数年の事件の原因にするには、時が経ち過ぎてるかな。元引きこもりの人は、恩人のヒロインに告白するのですが、歳の差考えろとか、それが塾の生徒の間に知られたらとか、いろいろあるんじゃと思いました。

ヒロインにつけられた病名が頁180に出ます。「演技性人格障害」だそうです。地雷女の何割かはこう呼ばれるのでしょうか。みんな「適応障害」という大きな枠でくくっておいて、それ以上深く診察しないのが吉と思いますが、そうもいかないのでしょう。

しかし、この病名をスクールカウンセラーが、元ひきこもりで彼女に助けられた男性にサクッと伝えてしまうのは、どうよと思いました。守秘義務とか。そもこの病名は、医師の診断でついたものなのか、カウンセラーの見立てなのか、病院と学校の連携なんてなさそうに思うのですが、実はあるのかないのか、カウンセラーは彼女に通院を勧めてるのか(これまで彼女は通院場面ナシ)いろいろモヤッとします。作者はその辺当たり前に分かりすぎてるので、空気のようなものだから描かないのか、あるいは処方箋薬以外何も知らないのか、どっちだよと。

裏表紙(一部)これまでカバーを外すと、アメコミ風の装幀になってたのですが、今回は本体表紙も、この公園の、写真を取り込んだ絵のみ。カバー裏面は、まっしろで、何も印刷されてません。(バカには見えないインクで印刷されてる可能性もあります)

以上