『満州アヘンスクワッド (12) 』"MANSHU AHENSQUAD" vol.12 STORY : TSUKASA MONMA COMIC : SHIKAKO (ヤンマガKC)

COVER DESIGN YUSUKE KURACHI (ASTRORB) 初出「ヤングマガジン」'22年35号~45号掲載。

満洲でなく満州、ギョーザの満州、きっこ、etc. 読むつもりもそれほどないかったのですが、何もあげないのもしゃくなのと、あと、帯に奥裕哉がいたので。

奥浩哉、 『GANTZ』『GIGANT』 激賞!! 「こないだ妻に薦められてから激ハマリしてます。 キャラクターがみんな魅力的でスリリング! 今、一番読むのを楽しみにしてる漫画です!」 160万部突破!! 阿片密売クライムサスペンス! 原作門馬司 漫画鹿子

帯。そんなにおもしろいのか。麻薬中毒という点では、処方箋薬のおそろしさを描いた『NHKへようこそ!』のほうが怖かった気がします。猿之助一家の件で、死ぬまでのOD服用ってあるんだなあと改めて認識を新たにしました。

「潜もぐるわよ 上海シャンハイの闇 に…!」 命からがら吉林きつりんを脱出した勇いさむたち。「阿片あへん王」 里山さとやま柾まさきの"勧誘"を断った一行は、 満州を飛び出し、世界征服を狙う! 皮切りに上海への侵攻を目論もくろむが、 真阿片しんあへん密輸の"手引き人”は 簡単には見つからない。 新京しんきょうの幽鬼が勇の命を狙う中、 謎の貿易商が言葉巧みに接近して・・・・。 果たして勇たちは、 凶暴な女帝が君臨する魔都、 上海にたどり着けるのか?

カバー裏の煽り文句。アマゾンや版元公式の煽り文句とだいたい同じなはずですが、一部異同があるので、較べてみてもいいかもしれません。私は今回やってません。

超厳戒の港町から 真阿片を密輸せよ! ゴミを捜し出すのは構わねえが… 大連は 俺の街だ …!! 貿易商の エスコートで たどり着いた 上海では 大世界ダスカ 東洋最大の娯楽施設ナイトハウスです 職業柄でしてね… 念には念を入れるのが 非日常の歓楽街と、 剥き出しの 暴力が 待っていた。 喰われる者の 気持ちを…… 教えてやろうか?

帯裏。前巻予告通りダスカが出るようです。中は読んでません。固有名詞と、阿片等NGワードGoogleレンズが素直に読み取ってくれないことがだんだん分かって来た今日この頃。以上(以下後報とも)

【後報】

伊豆の地へとやって来たサークル一行。 新 幹事長・林に執拗に迫られる3年女子・秋月。 不穏な動きを見せる1年女子・牧村。 囚わ れの身となった沢屋······ そして、秘密を 知る男、サークル OB・梶原が、ついに動く!! マガポケ掲載時には隠れていた敏感な部分も 単行本では無修正! 海苔が剥がれます!! ※胸の部分だけです。下半身は剥がれません。

中に挟まってた広告のひとつ。満アヘの原作者は、こんな漫画の原作もしていたっ!!!(棒 特に載せるつもりもないかったのですが、昨夜ビッグコミックの感想を書いていて、細野不二彦の青田買い時代大学生まんがのサークル描写を見ていて、ふと、マッチングアプリとレイプドラッグ時代の進化形ということで、置いておこうかなと。今の若い人は、むかしの若い人がダサイの人間失格とか読んでネ暗トピアな頃とはくらべものにならないくらい、生きにくいのかもしれない。学内のマルチ講勧誘は新興宗教自己啓発同様、むかしからありましたが、それにしても。ITは便利なのですが、SNSに関しては、人間をそれ以前より幸福にしたのかなあ。考える。

上の「海苔」は、むかしの韓国雑誌のグラビアみたいとしか思わなかったのですが、少し時間をおいて思ったのが、海苔貼ってない下半身が剥がれないのは当たり前なのに、なんでわざわざ注釈するのかなあ、ということ。インモーも海苔やろがみたいなインネンつけてくるモンスター読者がいるんでしょうか。とまれ、これが今の「生きている」漫画読者最大公約数の現在地と思いました。乳首が見えたら、うれしいんですね。ネットでナンボでも性器まるだし見れる時代なのに。

原作者が令和のキバヤシと呼ばれているわけではないと思います。キバヤシ本人でもないはず。

ほかに入ってた広告は『十字架のろくにん』『ザ・ファブル The second contact』『ザ・ヒルテリックトリガー』『くさっても猫なので』『疾風伝説 特攻の拓復刻版』『白地図のライゼンデ』『LILI-MEN』『税金で買った本』『私のアリカ』『マイホームヒーロー』『MFゴースト』『アンダーニンジャ』『魔女と野獣』朝基正志という、昔ほかのマンガ読んでた人の絵を、『テセウスの船』の人とカンチガイしそうになりました。

morning.kodansha.co.jp

上記のインカレサークルまんがの広告もそうなのですが、どういう読者がサイレントマジョリティなのかの想定から導き出したのかなあ、的な百七話「魔都、頂上会議」でした。「そろそろはっきりさせようじゃないか、誰が魔都を仕切るのか」(頁76)なんて安い三文芝居のせりふを堂々吐かせるとは、それなりに度胸が必要だと思います。何者なのか知りませんが、邦人要人の目ん玉くりぬいちゃって、あと大丈夫なんでしょうか。《青帮》に対する《红帮》が上海を支配している(外国人勢力とは微妙にクロスしないかたちで)という架空の設定はいいのですが、なんでイキナリ目ん玉やねんという。ジェスフィールド76号や藍衣社もそのうち出るんだろうなと。いや出てほしい。戴笠見たい。

ジェスフィールド76号 - Wikipedia

藍衣社 - Wikipedia

このまんがに中国人の読者がどれだけいるか知りませんが、東洋のマタ・ハリ男装の麗人川島芳子でなく、紅幇の女性ボスが上海を仕切るかたちにしたので、ちょっとガッカリした人はいるかもしれません。これを書きながら、映画の端役だった若いころの江青ちらっと出ないかなという気も。

百八話「上海上陸」もひどい三文芝居で、棺桶なんかで密輸が成功するわけないだろという。二重底にもなってない。ただ、黄浦江を遡航して上海の表玄関に入る頁88あたりの絵はいいですね。それだからワザと末広がりの二乗ページにしたのかと思うくらい。貧乏旅行者御用達、シンガンジンや蘇州号で行く場合の上陸地、上海港国际客运中心码头はワイタンが見えるほど中には入ってこないところなんですが、それでもふいんきは十分味わえる。やっぱり上海というか中国上陸は船ですよ。それも冬など、時化で大荒れの時期に、大浴場のお湯が右や左にざっぱーん、ざっぱーん揺れる時に行かないと。

goo.gl

ブロードウェイマンションの脇で川に浮かんだブタを見たとか、トロリーバスに轢かれて首がとれた老婆を見たとか、ブルース・リーの映画では日本人が「犬と中国人入るべからず」と立札立てたことになってるが実は英国人が立てたんですよの黄浦公園に開園時間外に勝手に入って罰金とられたこととか、すべてがなつかしい。

頁181、ペルー産や日本産の阿片が出ますが、栽培してたんでしょうか。

百均のマクロレンズをそのうち買ってみようと思ってますが、とりあえずこれは老眼用の虫眼鏡をアンドロイド型ガラケーに重ねて撮りました。頁72。「ティアオ」でなく「ディアオ」と濁ってますので、やはりこのまんがは清音濁音は有気音無気音に非ずルールの朝日新聞ルールでなく、ピンイン的な読売新聞ルールで北京語のカナ表記ですという。

「静」をチンでなくジンと読ませるのも同様。頁187。ホンバンのボスをボスと呼んでますが、私はまだこの人が美帝の手先というセンも捨ててません。二重三重スパイがいてこその上海。

以上

(2023/5/23)