『十時間』"TEN HOURS" original novel by NAGASHIMA. YU mangarized by HAGIO MOTO 原作 長嶋 有 漫画 萩尾 望都(webアクションコミックス)読了

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別件ではてブを開いたら、トップに来てたので読みました。しかし、私は長嶋有という小説家さんの小説をたぶんひとつも読んだことがなく、このマンガ版も、十一年前に光文社から紙版で出たものを今回双葉社が電子化ということなので、新作ではないという。

コナリミサトなどが描くというシリーズ第二弾が今年十一月に出るそうなので、それで満を持して御大の作品を無料で出したということなのかと思いました。まだポーの一族を再開する前だと思います。自身の短編集に入れるとしても、ほかにどれだけ貯まってるか分かりませんので、もし溜まってなかったら短編集いつ出せるか分からないので、こういうかたちで出せてよかったと思います。私も読めてよかったです。

原作はこれに入ってるらしいので読んでみます。私はブルボン小林という別名義も全く知りません。今現在のまんが評論家を知らないというのが、逆に私の現在地。

長嶋有 - Wikipedia

萩尾望都は原作付きでも萩尾望都、というコメントがありましたが、『マリーン』がまず頭に思い浮かぶ私などからすると、いやいや相乗効果でしょうとまず思いました。少女漫画を読む男性の『マリーン』好き指数はすごいです。やはりあれはマザコンまんがの変型、メーテルものだからか。甲斐バンドの曲に想を得た反原発の短編なども、単体ではちょっと描き得ない気もします。あれは賛否両論作。というところで、光瀬龍原作の『百億の昼と千億の夜』があったじゃいか、と思い出し、あれはよかったなあ、で終わろうと思ったのですが、いちおうウィキペディアを見ると、『ケーキ・ケーキ・ケーキ』が原作つきだったりと、知らない新事実がたくさんあって、驚きました。

萩尾望都 - Wikipedia

『ハワードさんの新聞広告』『温室』も原作者がいるそうで、ブラッドベリコクトーもまんが化してるわけですし(光瀬龍に続き、そういえばそうだったという感じ)十年くらい前の、小松左京原案や田中アコというひとが原作のまんがは、読んでないな~追っかけてないな~と改めて思いました。寄生獣の二次創作までしてるとは。

諸星大二郎トリビュート本に関しては、この人ともう一人誰だったか忘れましたが、二人が双璧でレベチという奴でした。よく諸星大二郎の世界にまで入って来れるなとおそろしかった。私はここ十年は、なんとか諸星大二郎だけは追っかけれてるので、そこだけは書けてよかったです。

長嶋有サンは第一回大江健三郎賞受賞だそうなので、そうするとますます私は『王妃マルゴ』をちゃんと読まねばいけないなと思いました。『王妃マルゴ』は建屋内のどこに転がってるか分からない状態です。そういう状況では自分で購入するわけにもいかず、誰か貸してくれるといいなと願うばかりです。以上