左はカバー裏(一部)飛ばし読みしたせいか、この記号の意味が分かりません。
月刊コミックビーム2023年7月号から2023年12月号掲載。
編集長 西山若奈
編集担当 清水速登
装幀 岡田エラ(A RIOT OF COLOR)
第12話でも著者新境地というか、参謀の面目躍如な「言葉責め」が出て、圧巻なのですが、やっぱりこの作者はこじらせないと落ち着かない「性分」(ワールドイズマインでこの言葉を使ってましたが)なのか、第15話で「女王様が言葉の奴隷」なんてゲシュタルト崩壊のせりふをさっそく入れてきています。作中の天真爛漫なフリをした利己的な女王様と文学少女こじらせ系もう派遣労働はイヤ女王様二人の戦いが、そのまま、作者と参謀の関係だと思ってもろたらおもろいやんけ、え―それって面白そう、って知り合った最初なら思ったかもしれませんが、新井さんのこともうよく分かって来たし、ノレる展開とは全然思えないんですけど」「オドレに俺の何が分かるっちゅんじゃ」
どの作品も読者を置いてけぼりにして背面投げにブン投げて終わってるからな~。参謀が著者を調教し切れるか、ここが踏ん張りどころなのか。団鬼六は晩年、中央線沿線の庶民的なキャバクラのバイトキャバ嬢をお店のお客として指名する関係の中だけで調教しようとし、最後相手に自殺されてますが、店内で会うだけなのに相手殺すってスゲエなあ、と今でも思ってます。それか、現代人がそれだけヤワなのか。
参謀のひとはSM界に人を呼び込みたいから、業界のアレな話は書かないでしょうし、逆に、今のソフトSMの本など、アマゾン見るだけでも、PL法(猫を電子レンジに入れて乾かしてはいけないと、注釈がないからやったら猫が死んだ、どうしてくれんねん、メーカが悪い、で敗訴した例を踏まえた法施行)の影響で、後遺症や生命の危険リスクをてんこ盛りに書いてるので、セーフSMをプロが指南しますみたいなこととか、いろいろプラス要素を盛り込みたいのではないかとも思います。でもアンドレみたいに裕福な顧客は取り合いがあるだろうし、足の引っ張り合いや陰湿な陰口も当然あるはずなので、何を書く書かないかでも、参謀と破滅型漫画家(でもない)とで齟齬が生まれるポテンシャルはあるかと。
フランス人やその嫁の展開が、思ったより面白くないので、作者界隈の関係のほうに目移りする三巻でした。警備局局長とか、個々はよかったので、フランス人は中華料理店の黒人が拉致ればいいと思います。新宿で昼間、それなりに肌の露出の多い服で映画を見に来る女性は、まあ現代に適応した人種なんだろうなと思ってますが、作者もそう思ってるのでそう描いてると思いました。私が見たのは数年前のケーズとか武蔵野館とかシネマートとかテアトルとかカリテでしたので、松竹とか東宝歌舞伎町とかバルト9だともっとたくさん来るんでしょう。以上