この巻も帯なし。初刷が2022年4月13日で、読んだのは4月20日の二刷。例の「たちまち増刷！」戦法。Cover Design：益子典子（mameco）連載担当者／須藤綾子 単行本編集責任者／岡田真弓 単行本編集者／須藤綾子、古田紀恵 資料写真提供・取材協力／Hiroaki Hiramaz 「姉系プチコミック」2021年⑪号・2022年❸號掲載。
最初にこの巻を読んだ時はかなりもやった、否、もやもやしたのですが、今、この感想を書くために読み返すと、さほどでもないです。それだけこの後の展開のがインパクトがあった。
前半は職場にベリーダンサーとしてのもう一つの顔がバレてしまった田中さんが、出社拒否的症状を起こすところから。当初「枠外」の存在だった田中さんが、「極度のコミュ症」のワクにはめられて、必殺するめ固めを決められてしまう展開に、なんだかなあと思うのと、乱発されるDVDパッケージがまあまあ分からないので（アーミル・カーンは分かりました）いらいらしました。ハング・オーバーはアル中一歩手前のジャンルですが、アル中映画ではないです。二日酔い映画。
しかしまあ、頁47で、朝のおはようの挨拶を田中さんからしたら、周囲から「初めて向こうから挨拶されたんだけど…」とひそひそ驚かれる場面で、そりゃだめだろうと思いました。オアシス運動じゃないですけど、挨拶しないってのは、とある世界に行くと、大問題にもなります。俺も昔は挨拶なんかしゃらくせえと思って自分からしたことなかったんだけど、してみると、いいもんだな、自分のカドが取れたのが分かるっつうか、みたいなトーク、いいですよ。
その後の進吾と小西のホモソーシャル飲み会がまた意味不明で、そもそも私は進吾が意味不明で、相手がうれしいと思ってるのに、どうしてくっつかないの？ そんなに自分に自信がなくてインカ帝国と思っているので、ブラック企業を退職してどうのとか、読んでも読んでも青い山で、やはりもやもやしました。ネタバレですが、この後の⑥巻⑦巻には進吾出ません。失業後出ないのはこわいです。その次に一話だけ発表されてる回に出てればいいんですが。無事な姿で。電子版読めるようになろうかな。
上は頁158の曲。
ノーパソにDVDプレーヤーをつなげてDVDを観てるので、そうだよもう内蔵タイプなんてないんだよと思ったら、田中さんのノーパソでなくクラハシのノーパソでした。
この巻は最後のヒキがなんといってもイヤでした。なんというか、ハマのメリーさんというか。ゾンビが生前の行きつけの場所でたむろってしまうようにメンヘラになった後も風俗店の近くでブツブツ言ってる元嬢、ではなく、なんというか。
「うわーっ」という笙野の叫び声のタチキリで終わるのですが、笙野が走って逃げてる絵が描いてあるのかと最初は空目しました。よく見たら、声だけだった。ネタバレですが、次巻読むと、その場に踏み止まっています。えらいのか当たり前なのか。
私は次巻以降の展開におおいに動揺したので、テレビ局や脚本家が焦って権力にモノを言わせてストーリーを強引に変えようとしたとしたら、気持ちは分かります。第九話までのダイジェストを見ると、原作と変わってないし、ダイジェストのない最終回も、変わってないんだろうとは思うのですが、ひとつ。気になってる箇所が描かれたのかどうか、気にならないと言えばウソです。以上
【後報】
小西と進吾の男子会も当初は削られそうだったんですね。私以上にテレビ業界の人間にとってはイミフな場面だったのだろう。
[B!] 社会に衝撃を与えた『セクシー田中さん』問題で本当に問われたものは何だったのか（篠田博之） - エキスパート - Yahoo!ニュース
24. Jan. 2024 原作者投稿
ところが、毎回、漫画を大きく改編したプロットや脚本が提出されていました。
（略）
・「性被害未遂・アフターピル・男性の生きづらさ・小西と進吾の長い対話」等、私が漫画「セクシー田中さん」という作品の核として大切に描いたシーンは、大幅にカットや削除され、まともに描かれておらず、その理由を伺っても、納得のいくお返事はいただけない。
ちゃんと使われるよう原作者が骨を折って局側と折衝して要求貫徹、やっとこさ地上波放送された場面と思うと、むげに流し見出来ない（棒
頁91
「もういらないなら
オレが朱里ちゃんもらうから
とか言いたいところだけど
アレでしょ？
「どうぞ」とか言っちゃうタイプでしょ？
ここはよかったです。でも頁155で「よろしくお願いします」と言わせてしまうという。「私はモノじゃない！」とか「譲渡するな！」とかその場にクラハシを瞬間転送して言わせたい。
（2024/2/29）
