これもその辺にあったマンガ。作者はA型。ドラマはBSテレ東。昨年シーズン7をやって、もう配信は終了したそうですが、この年末年始には一挙放送したとか。
デザイン AFTERGLOW 初出「月刊コミックゼノン」2023年10月~2024年3月号と、ウェブ「ゼノン編集部」2023年8月~2024年2月更新分 ゼノンも、編集者名等を奥付に入れません。
おまけの一枚ペラの紙エッセーが挟んであります。後発のゼノンなので、売るために手を抜けないポイントかと。そこに書いてあるのは、季節感を大切にしているので、取材した旬のネタを翌年回しにすることも少なくないという話。それによってストックが出来てラクかというと、時の流れの速さはバカに出来ないんだとか。
で、今回はそれが岩ガキの話で、カバー折の著者近況で、地元ヒロシマネタをやると反響がものっそいという話につながります。
カバー(部分)"Wakako Zake"でなく"Wakako zake"なんですね。日本酒、清酒を"sake"と呼ぶことは米国では戦前からよく知られており、禁酒法と日系人排斥がセットになっていたのではないかと当時の酒害広告などを見て思う時があります(日本人がアメリカの国力を弱めるために、悪酔いしやすいサケを米国で広めている)そのせいで、"sake"と書いて「セイク」と読まず、正しく「サケ」と読む白人は多いです。黒人は知らない。しかし彼らも、日本語の濁音化現象には詳しくないだろうので、"Wakako zake"の"zake"が、"sake"の単語連続に伴う語頭濁音化とは、お釈迦様でも気づくめえという。
そして、ワカコはぷしゅーっ、ふなっしーは梨汁ぷっしゃーっ*1。
また、表紙のここに載ってる料理は徳島名物「イリカス」だそうで、頁13に出ます。「かす」といえばもうすっかりオオサカのソウルフードとしてイメージロンダリングが済んでいるという認識ですので、下記の本で最初に知った時のことを、時折懐かしく思い出します。著者も広島県人なので、知っているに2ペリカ。
イリカスの臭みについて徳島の精肉店にて、豚のイリカス、を購入しました。 - ... - Yahoo!知恵袋
帯 そういうわけで、前半戦はとにかく飲食店の場面ばかりで、仕事や職場の光景は一切ありません。ネタをはやくマンガに落とし込まねばという強迫観念でもあるのかと思った。
ゼノンコミックスは広告が挟まっていて、『前田慶次かぶき旅』(作画は原哲夫ではなく)『CITY HUNTER 今日からシティーハンター』(作画は北条司ではなく)ゼノン版の北斗の拳復刻、スピノフというかパロディ『北斗の拳世紀末ドラマ撮影伝』新久千映『ミカコ72歳』などの広告が載っています。ほかに広告が載ってるマンガは『オタクに優しいギャルはいない!?』『喫茶店にギャルがいる』『フィルター越しのカノジョ』(コスプレイヤーとの撮影会もののようです)『猫と紳士のティールーム』『少年サイコ』『3分用心棒ヨコちゃん』『君は武道館に立てない』(枕営業もの)『ノブナガバース』(信長が巨乳)『魔法と僕とでっかい師匠』(異世界巨乳もの?)
昨年秋にしょん横に行った時も驚きましたが、コロナカの補助で従業員のカラーがだいぶ変わったというか、邦人青年がユニホーム着て、小憎らしいイキのいいセンスある接客をする店が増えた気がします。本作の舞台は中央線沿線青春群像なので、さらになのでしょうか。頁19の焼き蛤の、貝のチョウツウガイをぺきっと折る場面などそうですね。頁77の「特別裏メニュー①シェラスコ」も、そう。
特別裏メニュー②は後輩青年のバーデビュー、スナックデビューの話なので、裏メニュー納得ですが、シェラスコはなんで裏メニューなのか分かりませんでした。だいたいその辺にそんなシェラスコあるのかと検索したら、私の棲息圏でも、海老名のビナウォークにあった。ブラジル色は薄いようでしたが、イチボや肩肉、リングイッサが食えることに変わりはなさそう。食べ放題のみの店なので、一人で入店出来るかは、ウェブを見た範囲では分かりませんでした。
頁69のラフテーをマレーシアのラクサと見間違えました。頁29にイサーンのサイクロークでなくチェンマイのサイウアを載せてたからか。この辺のネタになると、ラオスの醗酵ソーセージ、ソーンムーともち米を混ぜたネームクックという料理を思い出します。今はなきラオス料理店でよく食べました。現地で食べると、完全発酵してない半発酵の店があるのでヤバいと聞いてから、日本でちゃんと発酵させた店で食べまくっていた。
2022年4月。
2021年7月。テイクアウト。
2021年6月。これもテイクアウト。
2021年1月。
後半は職場の場面も出て、新人伊藤さんが、ソバーキュリアスというほどオオゲサではないと謙遜しつつも、「飲めない」のでなく「飲まない」人であるという設定が明かされ、ワカコの興味を引きつつ、次巻へ続きます。ガーリックシュリンプは殻迄食べたのか、そこも気になりました。
頁97、食用のひょうたんの漬物はカワイイと思いました。こんなにちいさいとは。
そして、下が帯裏。個人店の閉店。頁37「もーふたりとも疲れちゃって」「畳んでゆっくりしようかと」如何にも中央線沿線青春群像。
この店、黒板のお品書きに「へしこ」があるんですよ。今、東京は、へしこがそんなポピュラーなんでしょうか。福井のへしこは京都のスーパーではよく見かけるのですが、京都人はロクに食べ方を知らず(大阪人も同様)関西の下積み力に思いを馳せたものです。個人的には、北九州タンカ市場の「いわしの糠漬け」と食べ比べしてみたかった。もうすでにテレビやユーチューバーがやってるとは思いますが。以上