『龍三と七人の子分たち』劇場鑑賞


公式 http://www.ryuzo7.jp/
映画の日が休みでしたので、何か見ようかと思って。
ほかに触手が動くものがなかった。すいません。

北野映画は、むかし、ソナチネとかその男、凶暴につきとか、
レンタルビデオがまだ通勤圏にあった頃、借りた記憶があるのですが、
寝てしまって、ちゃんと見てません。自分の中では、寝てしまう監督カテ。

しかし、座頭市はちゃんと見ていて、それは、綾瀬はるかでないほうの座頭市で、
座頭市は、幇間の一人芸といった、
フィルムに収めて人目につくところに置いておきたい芸をたくさん収録していたし、
浅野忠信のような、ともすれば役不足でほかに喰われてしまう役者(殺し屋イチとか)
の演技もきちんと引き出していたので、
それでいくとこの映画もヤクザの伝統とか古典的な何かがあるかもと思って、観ました。

正確な北野映画か分かりませんが、教祖誕生とか、おーい、やってるかーとか、
悲しい気分でジョークとか、キッズリターンとか、
見てませんがコミカルな北野映画もたくさんあるはずだと思ったのも観た理由。

まあでも、覚醒剤と危険ナントカの比較みたいな、
なんでもアリの新旧クライムシンジケート比較があるわけでなし、
西郷さんの待ち合わせでひとりふたり紹介カットが飛ばされてたり、
尺が結構肩の凝らない短さだったので、言いたいことの三割くらいしか表現してない、
ディレクターズカットが別に存在するんじゃないかみたいな出来だと思いました。

半グレのひとが萬田久子みたいな熟女を囲ってるシーンは、
ザコンプレイになるのかと思ったらならないし、
極道の家族はみんなひどい目にあわされて育つというセリフは台詞だけで、
具体的な体験描写がないとか、そういう所からもそれは推測しました。
エンドロールに、韓国語指導の人がいたのに、
ハングルのセリフがあった記憶がないのも、理由としてあります。
2ちゃんねるにも同様の疑問がレスされていて、完全スルーでしたが、
単なるシンクロニシティで、私の書き込みではないです。

外車一台壊したり、空母にセスナ着艦したり、バスがテキ屋の屋台壊しまくったり、
いろいろハメをはずしてるように見えても、多分それはやりたいことの3割程度。

で、中尾彬の、カンカンノウに至る経緯なんですが、
どうもこれ、現代の悪い人だったら行方不明にして、送り返したりしないだろうと思いました。
カンカンノウがやりたかったから送り返さざるをえない展開になり、
結果として半グレの人が任侠の人と同じ土俵同じ物差しで動いてしまった。
身元バレした後のヤクザの身内の人の扱いもそうですが、
この辺もう少し詰めて、差異を強調して、
半グレの人は「お前らの血は何色だ〜」にしてもよかった気もします。

でも、この映画の伝統ヤクザのお年寄り、すぐカタギというか、シロウト脅すんですよね。
決して善人ではない。私も昔、幹部の見送りするためだけに街頭疾走するヤクザに、
「オラどけ」みたいに突き飛ばされたことがあり、
チンピラでない本職の人にどつかれたのはそれ一度きりですが、
歌舞伎町で、柔道部選手に完璧に寝技決められたのに、
時間制限がないので、「殺してやる〜殺してやる〜」と十分以上ギブせず、
最後にはかけた技を無尽蔵のスタミナで返してしまったヤクザの人を見たことがあり、
やっぱしおっかないな、と、思いました。
おっかないといえば、外人マンションで真夏の深夜台湾人と口論したとき、
仲裁に入ったノミ屋の事務所の人に、事務所でよく冷えたムギ茶ごっそうになり、
とてもおしっこちびりそうでした。
あと、小滝橋通りかどっかの救急病院で、なんかあった気がするけど、忘れた。以上