『酒とバラの日々』(原題:Days of Wine and Roses)DVD鑑賞

酒とバラの日々 [DVD]

酒とバラの日々 [DVD]

From the days of wine and roses finally comes a night like this.

積ん読シリーズ 夕方銭湯に行こうと思いましたが、行かずこれを観ました。
もう散々知ってるつもりの映画でしたが、あらためてWikipediaとアマゾンレビュー読むと、
「更正会の補導員」とか「全米禁酒協会」という単語が出てきて、えっ?
自助グループだよね、と思いました。ワーナーって昔から社会性に敏感だったんすね。

自助グループであり、アル中が飲まないことの大切さ、断酒の重さが理解されないと、
「まだ飲んでいる妻から同じ場所に降りてくることを要求され」て再飲酒する場面、
http://static1.squarespace.com/static/514a2911e4b0896b36342655/t/51a3a9f7e4b0f0ad73593073/1369680377226/8+-+relapse+3.jpg
http://reelsf.com/reelsf/days-of-wine-and-roses-relapse
ここにそれほど注目出来ないのではないか、と思いました。
むかし、ニュースで、教え子の中学生がしゃぶやめられないので、
「ヨシ、先生もいっしょに打とう、これが最後のちゅうしゃだ、約束してくれ」
で逮捕された中学校教諭を思い出しましたが、その先生は薬物中毒じゃなかったしな…
自助グループ会場が喫煙OKでタバコモクモクなのが如何にも '60でした。
下記拘束衣のジャック・レモンに注射する看護師がくっきょうな黒人(イケメン)だったので、
やっぱ依存症患者担当はなり手が少ないんかな、と思いました。
有色人種俳優は、あとベリーダンスの姐ちゃんだけ。時代ですね。でもゼロだと思ってた。
http://image.guardian.co.uk/sys-images/Film/Pix/gallery/2001/06/28/daysofroseandwine.jpg
https://www.theguardian.com/film/gallery/picture/0,8455,-10804212170,00.html
Wikipediaは否認の妻の名前を「カーステン」としてますが、DVD字幕の、
「キアステン」のほうが原音に近いと思います。両親ともにノルウェー系で、
母親とは死別、父親は園芸農場開いているとの設定でした。
依存症の原因を親や家庭環境に求める描写はありません。
でも娘のデビーが心配と思いました。

音声はエイゴスペイン語えらべることが出来て、カントクの解説つきも選択出来て、
字幕も英語スペイン語ポルトガル語中文ハングルタイ語バハサ・インドネシアと、
この価格帯にしては信じられない程充実していて、やはり啓蒙映画なんだな、と。
(アマゾンレビューで、スポンサーとかのしがらみで、今後永劫、
 地上波では放映されないだろうとのレビューを以前見た気がしますが、
 どこ行ったか、今回はそのレビュー見なかった)
お酒は、農場の場面のバランタインファイネストが印象的でした。
温室の醜態、昔は類した話を聞いたような気もしますが、最近聞かないな、
ここまで行ってたらもうブラックアウトして憶えてないからかな、と思いました。
リカーショップの親父から受ける辱めは記憶に残ると思います。
そういえば昔、酒万引きしたホームレスの衣服を全部剥ぎとって、
全裸で店の外に叩き出すコンビニ見ました。デッキブラシでつついてた。
今じゃもうありえないですけど。そんな対応。
http://filmfanatic.org/reviews/wp-content/uploads/2011/12/Days-of-Wine-and-Roses-Klugman.png
http://tuenight.com/2014/02/6-movies-that-dont-shy-away-from-addiction/
大酒飲みはいっぱいいて、ならない奴もいるのに、どうして俺はアル中になったんだ、
と嘆く主人公に、「運だ 君は貧乏クジを引いた」とジムは言いますが、
私がジョーならその説明には納得しない。原文 "It's a lottery, Joe." 余計納得しない。
中文字幕の "喬,這等於是樂透" これ、訳してないだろ、
"楽透" って、ロトの音訳だろ、と思いました。ジョーが "喬" 繁体字でした。
素面生活の主人公が義父に借金返済する場面、
こんなにうまく埋め合わせが出来てインカ帝国
と思うのですが、だからこそラストが光るのかと思いました。
主人公はPRマンという設定で、だからこそなのか、
「アル中は飲まなければふつうの人と同じ」
というイメージを具現化したキャラとして描かれていると思いました。
感情の問題とか、この人には、飲まなければ、ない。ファンタジーかなあ。
否認の妻は、巻き込まれて、そういう飲み方を受け入れさせられて、
アル中になるわけですが、もともと依存症気質ではという推測台詞があり、
飲酒中はテレビでマンガが必ず流れてて、本の文章の、
大人と子どもを分ける云々を思い出しました。彼女への埋め合わせとして、
彼女が要求するのは、「まだ楽しく飲めたあの頃に戻る」「戻せ」
沢庵はダイコンに戻ることはないとか、奈良漬は元の野菜(白うり)には戻らないとか、
日本ならそういう説明になるのでしょうが、ジャック・レモンは説明出来ない。
新しい世界の悦びとか語ればうまくいくと思ってた出鼻を挫かれたので、
失くした1/2とかのたとえが、出てこなかったのか。 …科学はいつかそれを。 以上