えっらく評判がいいので、観ました。
ファイナルファンタジーXIV 光のお父さん - Wikipedia
行ったのは、楽天クリムゾン社員が仕事をサ…むにゃむにゃで映画が見に行ける街、フタコ多摩川です。日比谷とか新宿など都心では一日何回も上映してるわけですが、郊外はだいたい一日一回で、練馬が早朝、ほかは夕方の上映の館が多くて、ここだけ真っ昼間でした。ので、雨でスギナが出来ない日に、世田谷銭湯スタンプラリーと組み合わせて、二子玉川に来ました。
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社員が物価も家賃も高騰しない環境でいきいきと働けるまちの映画館ですので、プロジェクションマッピングがあります。
テレビ版が先行してあったそうで、しかもテレビ版はお父さんが大杉漣だったそうで、さっぱり知りませんでした。ウィキペディアで放送枠みると全地方深夜枠www
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映画では時代設定がよく分からず、とりあえず今はスマホの課金ゲームが全盛ですので、グラフィック関係で高性能なPCでオンラインゲームってのは、少し昔の話だろうなと思って見てましたが、原作者のFC2ブログを見ると、まとめ版でも2009年です。原作者はそのあとがきで、当時はかなり「ゲーム脳」や、犯罪との関連が取りざたされてたころでしたので、それを憂いています。今回の映画の公式でもインタビューで、同様のコメントを出してますが、ゲームとそれをめぐる構造が変わったので、トーンは静かな、落ち着いたものとなっています。
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この映画はレビューがなべて高評価で、ゲームやらないんですがすぐ入り込めましたし、面白かったです、というのが多く、まったく同感ですが、FFやりこんでるからこそ、ここは違うだろうみたいな重箱の隅をつつく意見をまだ読めておらず、ちょっと寂しいです。そういうスキのない映画かもしれない。この映画で、リアル空間の反意語はエオルゼアなのですが、そこでの主人公の前髪はウザいと思います。もう少し切れ。
登場する、会社と自宅のPCモニターがなべて上記の会社で、知らなかったので検索しました。中村獅童から乃木坂46に役者を変えて宣伝しまくる国産パソコン、マウスはここなのか。AQUOSとか亀山モデルとかいまだにむにゃむにゃ言ってる私は、時代からとりのこされたんですねえ。スマホは後半出ますが、通話のためだけで、LINEは出ません。じゃあ当時の設定にあわせてガラケーが出るかというとそれも出ない。プレゼンにタブレットは使われず、パワポを印刷です。
デスノートの主人公と同じく、この主人公も、「裕福な子ども」です。原作者は違うかもしれないのですが… 映画の妹はテレビ版等ではいないそうで、だから部屋にカギをかけず、ノックせず家族が入ってくる場面はフィクションなんだなと思いますが、あの自宅の自室の広さはどうなんだろう。広いですよ、インテリアも充実してるし。
小道具の仕事として、ビール瓶のラベルがオリジナルなのですが、読めませんでした。お父さんの文庫本は、岩波文庫が多そうです。岩波現代文庫もあった。講談社現代新書もあるかな。お父さんは攻略本のカバーを裏返して本にかけてますが、こうすると古本屋に売れないと言われた世代のはずなので、不思議です。ブッコフなら、気づかず買うのだろうか。だいたいカバーなんかいくらでもその辺の紙でかけられるのに、元からついてるカバーをオモテウラ裏返す人ってよく分からない。
このテレビCMの場面はなかった気がするのですが… 記憶が飛んでるのかな。寝た記憶はないのですが。「龍が如く」とかがこうやってパーティ組めるオンラインゲームで、二人が歌舞伎町制覇を最終目標に頑張っていたら、それはどんな映画になるだろうと思いました。あとエロゲ。
ラストの海外のまちはどこか分かりませんでした。ヒロインが自室で穿いてた、セーターみたいな模様のついたスエットパンツがいいと思いました。どこで売ってるんだろう。
なぜあの広告代理店の人間は、「シズル感」をググらなかったのでしょうか。その方が不思議でした。で、あの場面でまず、なぜスマホをタップしないのかと思ったのです。時代が違うんだろか、と。それはともかく、この映画は、ダブル監督で、監督がふたりいる映画初めて見ました。エオルゼアと、リアルで、二人いる。「サーチ」は、インド系北米人が、自分のエスニシティだとアレなので、在米韓国系の話ってことにして作った映画でしたが、こっちは、日本が、ハンゲームとか中華系ネトゲを尻目に、ファミコンから続く伝統を踏まえて作った映画で、よい映画だと思いました。ラスボスを倒すところをクライマックスに持って来るのが、少林サッカーのようで、そこもよかった。でも別にトーナメントを勝ち上がってゆく展開ではないので、FFってそういうものなんだなと。
なんとなく左のようなゲームだったら、もっと最終決戦で盛り上がっただろうかなどと考えましたが、それこそ「ゲームをやらない人」のトンチンカンな思考かもしれません。
後で、昨日スマホ課金ゲームやってる人から聞いた話も、組み合わせて再構成したいのですが、とりいそぎあげておきます。館内撮影禁止を、出る時に気づきました。案内表示やポスターもダメかな。う~ん。
以上
【後報】
この映画でも女子社員がゲームやりすぎで会社で船をこぐ場面がありますが、同様によく職場で船をこいでいるスマホ課金ゲーマーの人(ゲーム中だけシャッキリして寝ない)に、FFみたいなオンラインゲームと、あなたのやっているスマホ課金ゲームとはどう違うのか、あなたは何故オンラインゲームをやらないのか聞いたところ、この映画のヤマ場ですが、みなでさそいあわせて同じ時間にログインしてパーティ組んでモンスターを倒すなど、エオルゼアの人間関係が煩わしいんだそうです。決してオンラインゲームをディスっているわけではない、と慎重な言いかたに終始していましたが、映画の原作者が、我々はゲーム脳ではない、ゲームの世界でもこんなに社会性のある大人の人間関係が築けるんだ、と力説していたのを、だからやりませんとスマホ課金ゲーマーに言われてしまうと、なんちゅうか、いつの世でも、敵?は、正反対の世界の住人でなく、ごく近いけれども「ちがう」隣人なんだなあと思いました。
ファミレスでポテト山盛りとドリンクバーで集合してモンスター倒したりするんじゃないの?「やりません」
チャットって、字が出るだけですよね。声優やボーカロイドが打ち込みを自動変換して音声読み上げしてくれるわけじゃないですよね。「そうです」
外国人とはどうやって意思疎通してるんですか?「そもそも国ごとにサーバがちがうので…」それでもまぎれこんできたりしないの?「あーでもそれで通信速度の違いでひとりだけ固まってるキャラが出たりしてどうのこうの」よく分からないけど、ゲームをやってる人たちも、相互誤解と、おもねる奴をいい奴と誤解する世界から逃れられなそうだと思いました。
映画では、ラスボスの倒し方を動画で顔出しで解説してる白人女性が日本語ぺらぺらという場面があり、逆に主人公らは、リアル世界の情報を極力エオルゼアでは隠蔽し、匿名性を保持しようとします。FBやインスタのない時代を舞台にした映画だからそうなのだと思いますが、現在だと、この辺の認識も、変わっていていいと思いました。裏表、特にいらなくね?みたいな。以上
(2019/7/20)
【後報】
stantsiya-iriya.hatenablog.com
ゲームはボケ防止に役立つかも、というせりふがありますが、おそらく大山のぶ代以前の物語だから出たせりふと思います。あと、お父さん、座りっぱなしでなく運動しよし。
(2019/7/25)