左は有隣堂本店のポスター。
ジャック&ベティ(パチンコ屋ではなく映画館のほうの)の隣の店の前のチラシ入れにチラシが挟まってて、それを見て、伊勢佐木モールをてってこ関内駅まであるって、えきのむこっかわもてってこあるって、海が見えるあたりの(見えませんが)江上波夫発祥の、横浜ユーラシア文化館に来ました。けっこうここには来ていて、しかし赤レンガ倉庫には一度も行ったことがないという。人間はほんと、行動半径が決まってしまう。
片倉もとこという人の、ジェッダというメッカ近郊の街のフィールドワークの記録と、大阪万博記念公園の民博みたいですが、蒐集品をもとにした、今はもう廃れつつある文化と、現在の習俗とを対比させた、ナイスな企画です。
片倉もとこ記念沙漠文化財団 | Motoko Katakura Foundation For Desert Culture
といっても私は『イスラームの日常世界』は、インドネシアやパキスタンやペルシャやトルコや甘粛省は行ったことあるがアラブは行ったことないので、これだけをもって「イスラーム」と言い切るなんて、という頭でっかちの反発がまずあったです。仲本工事似の貧困なるホンカツ『アラビア遊牧民』だけで十分と思っていたわけではないですが…
この写真は絵葉書になっています。
この目の穴から世界を見ると、どう見えるか体験出来ます。ミル・マスカラスのお面でも獣神サンダーライガーでもタイガーマスクでも体験出来るだろうと言われれば、それまでですが…


中は撮影禁止なので、かろうじて記念撮影出来るスポット。中は、片倉もとこサンが1979年くらいから撮った写真を今回展示するにあたって、肖像権利者とおぼしき人を探し回って、見つかって許可が取れた人のみ顔出しで展示していて、不明なひとなどはすべてモザイクかけてるくらい気を使って展示しています。
これは外の廻廊の展示写真。現在のジェッダには日本のアニメなんかを扱ってるショップもあるよという写真。
stantsiya-iriya.hatenablog.com
私はこの本の著者と片倉もとこサンを一瞬ごっちゃにしてました。時代が違うっつーの(棒 私も、穏健なアラブ世界、たとえばヨルダンとかチュニジアとかモロッコなどに行っておくべきだったなと後悔しています。昔は、エジプトやシリアやイエメンも穏健なアラブだったのでしょうが、時は移り変わる。さらにその前は世俗政党のバース党のイラクなんか完全に穏健で治安もよい、酒も飲めるしキャバレーもあるような国だったのに(それが堕落といえば堕落なわけですが、ファトワが出てたりして)あとレバノン。


企画展が三百円のところが無料になるというのも、なんだなと。常設展も非常に立派なので、こんなお値段で見れて恐縮してるのは間違いないです。二百円で観れる、鎌倉の鏑木清方記念館もそうですが。
下の写真は、常設の外の、撮影可能な部分。むかし来た時、中に撮影禁止の表示がなかったような気がして、そのとき写真撮ってたら、今それを公開してるのはヘンなので考えなおそうと思って検索しましたが、そんな写真はこの日記から出てきませんでした。撮ってなかったということで、よかった。中は馬具とか小物とか貨幣とか、専門的で、ビジュアル的にも非常に工夫を凝らした展示になってます。
モンゴルのベッド
この、ユーラシアかんとか館のマスコットキャラ。
仏具? 棚。
あと、フィールドワークとしては、『インドで暮らす』が古典的名著なので、それを越えられるかなんて上から目線だったのもよくなかったなと。自省。
アッサラームアレイクムTシャツ買いました。ほかに、婚礼Tシャツとお茶の時間のトートバッグがありました。係員のひとになんて書いてあるか聞きました。こんなこともあろうかと聞いておいたんですよと係員の人が言ってました。
アッサラームアレイクムTシャツ、回教圏の普遍的な挨拶ことばなのに、アラビア人男性のかぶりものとそれを留めるひもの絵で、しかもこれは、アラビア半島でも、サウジ風とUAE風とカタール風だかバーレーン風だかで、留め方やめくりかたが違っていると、『サトコとナダ』で読んでますので、もっと汎用性の高いイラストにすればよかったのに(でもラクダとかだとツマラナイ、津軽海峡冬景色の替え歌のホルムズ海峡冬景色のラクダと同じくらいツマラナイ)と思わないでもなかったです。
『サトコとナダ』のその話が、電子版だから出せないか検索しましたが、うまく出なかったです。修業が足りない。以上 また何かあれば追記します。
【後報】
「見られる私」より「見る私」というのは、オリエンタルとしてコーカソイド社会に滞在するいち個人のありようとして捉えてもよいと思いました。
(2019/10/19)