苦し紛れ。本書は近年、岡田英弘著作集を刊行した藤原書店から「清朝史叢書」の開頭として刊行され、品切れになった後、『大清帝国隆盛期の実像』と改題されて再刊されたそうで、レビューを見ると、藤原書店のは、関連の学術論文や注釈がモリモリついてるそうです。しかしそれだから私の持ってる中公新書の古書がこの値段まで下落したわけではなく、大昔に¥150で買っただけのこと。新書なんてそんなに高値はつかないものです。
下記の東方書店レビューで差分を知ることが出来ました。本文はそのままなようなのでうれしい。
https://www.toho-shoten.co.jp/export/sites/default/review/388/toho388-01.pdf
この人の著書の、『妻も敵なり』をコロナ緊急事態宣言中に読みたかったのですが、結局そこまで行きませんでした。時代が時代だからか、この人急上昇なんですね。
福島香織の元記事が消えてるのはなんですし、ワックやらなんやらの岡田宮脇応援団が中国共産党に氏が評価されたことを喜ぶのはおかしいのではないかと訝しんだら、はたして、中国で氏の著書(台湾での中文訳)が評価されたのは、〈一路一帯〉の理論武装に使えるからだという理由からだったようで、これじゃうかばれないと思います。三国時代に漢民族は絶滅したという主張の人の説ですら貪欲に取り込んでしまう21世紀版白猫でも黒猫でも鼠を捕えるのがよい猫だ理論(別名:鄧小平理論)
藤原書店、これはないやろ……
— 猫の泉 (@nekonoizumi) 2018年9月23日
⇒倉山満,宮脇淳子,藤岡信勝
『昭和十二年とは何か』 https://t.co/Xak8OW1a48
話を戻すと、私としては、この『康熙帝の手紙』と、宮崎市定の名著『雍正帝 中国の独裁君主』(岩波新書 or 中公文庫)と、中野美代子の『乾隆帝 その政治の図像学 』(文春新書)で葵三代、もとい清朝最盛期三代総纏めという感じで、どれも同じくらい好きなのですが、最後の中野美代子のだけ、なぜかサッパリ分かりませんが、攻撃してる人がいて、不思議です。相手が岩波文庫の西遊記日本語訳を完結させた傑物だからって容赦しねえぜ、みたいな攻撃。岡田英弘もたいがい異端なので、それを評価するなら、中国文化における春画とか童貞僧侶のスペルマティッククライシスとか、そんなのばっかにこだわる中野美代子も評価すればいいのに。へんなの。
これが手紙。満文老当とか、名前自体をひさびさに聞きました。なつかしい。
もう一発、ドーン。読めません。
藤原書店の清朝史叢書も二冊出たきり鳴かず飛ばずで、一路一帯の賑やかしに使われたらかなん、てところでしょうか。世の中って、ほんと、何がどう転ぶか分かりませんね。以上