COVER DESIGN SEIKO TUCHIHASHI(HIVE)装丁/土橋聖子(hive&co.ltd.)
ふたりスイッチ(1)|月刊少年マガジン・少年マガジンR 公式サイト
紀伊国屋書店で、ゆりあ先生の最終巻だけ買うのもなんなので、いっしょに買ったマンガ。マン洲アヘんスクワッドの新刊も出てましたが、なんとなく手に取らず。
平本アキラという漫画家は、私のこの日記の底のほうの古い日付に、やたら『アゴなしゲンさんと俺物語』のアマゾンが貼ってある日が確かあって、それくらい印象に残っているマンガ家の人です。ヤンマガっぽくないガロ系と言っても通用するマンガで、ヒモが、自分がえらそうにしたいからという理由だけで必要もないのに雇ってくれる個人配送業のアシスタントでのらりくらりと働く日々が描かれていました。その時期に、ズージャ漫画も描いたりしていて、音楽好きなのかなとも思ったことがあります。ゲンさんは人を殴るときに決め台詞で「デラ・ベッピン」と言うのですが、ときおりその発展形で「えごらっぴん」と言うときもあり、後者が日本の音楽ユニットであることを私が知ったのは、この日記を書き始めてからしばらく経った後でした。おそい。
その後、気が付くと、『監獄学園』というおそらくエロコメが、書店で平積みされるようになっており、二十巻くらい出てたのでしょうか、それはまだ読んでません。エルビスとは関係ないマンガだろうくらいには思ってました。
すっかりエロコメ路線で行く感じなんだなと思いましたが、この感想を書くために引き写していて、ヤンマガ連載ヤンマガコミックスでなく、月マガ連載月マガコミックスであることが分かりました。ハロルド作石がヤンマガから月マガに移って『BECK』を描いたようなもので、掲載誌を変えて心機一転なのかと推測しています。
初出/月刊少年マガジン2022年4月号~7月号
折り込みの、ほかの講談社エロコメまんが広告。これが天下の音羽グループ。出版不況がいけないんや、というわけでもないと思います。
もいっちょ。平本アキラという人は、たぶんこのジャンルでも、何か新しい表現やら機軸やらを打ち出したからこそ前作が平積みになったんだと、読んだことないのですが思っていて、そういうものが読めるのかなと思って開きました。スキマスイッチと克・亜樹『ふたりエッチ』を足して二で割ったようなタイトルで、後者は、未読なのですが性描写がちゃんとあるマンガと認識していて、だから平本新作もエロいんだろうと思ってました。しかし、月マガ連載ですので、そんなでもないのだろうと考え直してます。さらに、ウィキペディアを見ると、『ふたりエッチ』の性描写は実に控えめだと必要以上に力説されていて、現代は不確実性の時代だと改めて思いました。弓月光『みんなあげちゃう!』に対し、過去を現代の物差しで裁いてはいけないと考えることも大切なのだろうと。
カバー裏。ヒロインが藤近苺という名前で、本山真一という、サッカーの本山なんだかスンスケなんだかみたいな主人公と、佐藤悠斗、かたせ梨乃、否高瀬梨乃、宗倉(そうくら)テス、秋川紋二、烈海王(と思ったのですが、違ったらすみません)と、あともうひとりが今のところ登場人物です。ひとりだけソクラテスをもじった名前で、一貫性がないと思いましたが、作画中に映画「レオン」でも見てたのかもしれません。サッカー選手二名、女優一名、あとは由来知らない。友近と兼近といちご100%を足したわけでもなさそうです。
入れ替わりものというと、私は毎回いしいひさいちの『転向生』に触れねばならぬと思い込んでるので、検索したら出てきたのが下記。
オシッコが乱れ飛ぶ描写は新しいような気もしましたが、これまた、私は毎回松田道雄さんのエッセー『花洛 京都追憶』で、農家が洛中のつじつじに置いたコエタゴを、花街のくろうとすじの女性が、和装ですっとまたいで立ちションして、おそそは当然口にくわえた懐紙で拭くわけで、それで何事もなかったかのようキモノのすそをもどしてまたあるってッて、農家は回収した肥えタゴでおいしい九条ねぎや聖護院だいこんをこさえていたという記述しか思い出せません。というかオートマティックにそれだけ連想される。
監獄学園やアゴなしゲンさん並みに連載が続くことを前提とした企画、ではないと思います。一巻のこの絵は誰が描いたんでしょう。作者のお孫さんなのかなあ。望月峯太郎のような晩婚の例もあるので、お子さんかもしれませんが…
カバーをとった表紙 以上
以下おまけ ゴーヤギャラリー