初出BE LOVE 2022年4・5・7~10月号 COVER DESIGN̻❖小沼早苗(Gibbon)
五十代、こんなにシワ出るかなあという表紙。芸能人はシワとりしてるだろうから参考になりませんが、最近読んだ柴田亜美(55)のインタビュー記事*1の写真を見ても、そこまでな気はしませんと思いました。伴ちゃんはヤング弘兼*2ですね。
伴ちゃんからプロポーズを受けた矢先、乳ガンが発覚。
ゆりあ先生は、お互いの未来のために別れることを決意する。
幸せの絶頂から絶望のどん底へ……。
失意の彼女に、「家族」が差し伸べたものは――。
ゆりあ先生の運命の赤い糸を巡る物語、ついに完結!!
乳がん、ほかへの転移がないので「乳房温存手術」を医師が説明するが、聞かずに「全摘」主張でアンジェリーナ・ジョリー路線を突っ走ろうとするヒロインに「家族」が手を差し伸べる、というか、「もちけつ」で止める場面は、しっかり現実味がありました。頭でっかちな人間を止められるのは、血のつながった、無償の愛を注げる人間以外にありません。
ここで過激路線が食い止まった後、ぽっかりスキマの空白があいた感じがします。
帯。その後の、ドラァグクイーン編は、正直、私はもう本作のヒロインの宿六・吾良さんはほぼほぼニアイコールの120%増しで新井英樹だと思ってますので、「とーちゃん」がストーリーテリングに関して、余計なこと考えた、でFA。それはそれとして、りっくんというキャラは、バレエ講師のシーカレとは、どうして別れたんですかね。よく読んでないというか、読み飛ばしたかもしれない。
で、新井英樹は自分のマンガに専念しなはれ、となり、「とーちゃん」は、SMマンガの下調べで湯水のように一家の貯蓄を切り崩した、と、キワモノブログで読みました。ヒマだと家族が執筆するまんがに口出しするから、「とーちゃん」は「とーちゃん」のマンガ描きよし、で、追放。「とーちゃん」には元気で自分のマンガ描いてさえくれれば、という家族の想い。伝われ!☆キラッ。
もう、だから「とーちゃん」に何を言われようと、吾良さんはりっくんのところに飛ばしてそれでいいことにして、さらに、伴ちゃんは前妻と元の鞘に戻るのが、子どものことを考えるといちばんいいんだよ、なんて解は、現実の前にはこうなるんだよん、でグイグイ攻めて〆。素晴らしいですね。私は最初、カバー折の著者のことばは、読者へのメッセージ、くらいに軽く思っていたのですが、実は新井英樹に投げたラブレターかもしれない。
カバー折
私が描きたかった少女マンガが
あなたの読みたかった少女マンガと
重なってたらいいなあー。
と思いながら最後まで描いてました。
ロマンチストやろ。
巻末に取材協力各所やアシスタント、担当編集の人などへの謝辞。
私はこの人は、『杯気分!肴姫』が面白いと思っていましたが、『のんちゃんのり弁』が未完となり、かなり残念でした。『昭和の男』はさくっと終わったのですが、なんかもやもやしたものを感じ、その後ずいぶん時間がたって、『おかめ日和』というロングセラーを飛ばしていたことも知り、ちょっと読んだこともありますが、ハズバンド像に割り切れないものを感じた記憶があります。あとから勝手に、『昭和の男』『おかめ日和』ともに、父親とパートナーの差分消化というか、フリクションが反映されてたのかもなと分析してみたり。もっと後に、『おかめ日和』は子どものママ友がモデルだったのでネタも描写も安定していたと、作者ご本人が何かで話していたのを知り、そうだったのか、だからこの人にしては異色作がいちばん長く続いたんだなと思いました。
『たそがれたかこ』は、ところどころ読んで、途中から後は追い切れなかった作品です。インタビューで、誰にしゃべるか考えたほうがいいことを不特定多数に発信するのはいかがなものかと思った記憶はあります。世の中は言いっぱなし聞きっぱなしではないし、医師やカウンセラーのような感情労働ばかりでも無論ない。
本作は、最後にコロナカを持ち込んだことで、りっくんというキャラが旅館のボンボンだという設定が、十二分に生きました。吾良さんが彼のもとを訪ねる時期は、2020年の夏だと最初は思いましたが、冬服なので、2021年の冬でしょうか。2020年夏に首相が交代し、GoToが始まって第3波でツブレた後かな。私が諸星原画展に最初に行ったのが2021年3月の岡谷で、それがコロナカ最初の遠出だったような。そろそろもう、初期の強毒、芸能人がバタバタおなくなりになった状況ではないと自己判断しての行動でしたが、同じようなものなのかどうか。最初は、読んでて、2020年のG.W.後に、おうちナントカ(もう言い方を忘れてます)にガマン出来なくなった新井英樹がいたのだろうか、くらいに思ってましたが、あとから吟味して、たぶんGoToをすっとばして第3波くらいの話にしたんだろうなと考え直してます。
第1~7波がそれぞれ、いつからいつまでか、よく分からないので(人の記憶はあいまい)検索して、上のほうにあった大阪府のデータを参照しました。
大阪府では
2020年1月29日から6月13日を「第1波」、
6月14日から10月9日を「第2波」、
10月10日から2021年2月28日を「第3波」、
3月1日から6月20日を「第4波」、6月21日から12月16日を「第5波」、
12月17日から2022年6月24日を「第6波」、
6月25日以降を「第7波」と総称して分析
イソジン知事とか言って、ばかにしてはいけないと思います。この区分には波以外の時期がないですが、どれくらい感染者数が増加したら「波」扱いしていいのかの定義はあるのでしょうか。あってほしい。以上