『ブエノスアイレス午前零時』"Buenos Aires Hora Cero (Twelve O'clock Ante Meridiem)" by Fujisawa Shu 藤沢周 読了

www.kawade.co.jp

装幀★菊地信義 装画★中山隆右

なぜこの本を読もうと思ったか、さっぱり分かりませんが、ToReadリストみたいなものに入れていた本。この日記を検索しましたが、特にこのタイトルやブエノスアイレスでヒットせず、作者名も、藤沢周平サンしか出ませんでした。ハマのメリーさんをモチーフにした小説一覧かしらとウィキペディアを見たが、この作品はちょっと座標軸がちがうせいか、出て来ず。ほかの方のブログで見て、それで読んでみようと思って、そのうち、どこで見たか忘れてしまった、と思うことにします。

メリーさん - Wikipedia

www.youtube.com

コメント

剛君うつってませんけど😭

www.youtube.com

二編収録されていて、表題作『ブエノスアイレス午前零時』は河出の「文藝」1998年夏季号、もう一作の『屋上』は、同誌1997年冬季號掲載です。

藤沢周 - Wikipedia

借りたのは単行本。こんな表紙。

『ブエノスアイレス午前零時

雪深い越後山中の街に帰って来たアラサー男が、実家の豆腐屋から離れた、三部屋しか住人が住んでない限界リゾートマンション家賃月二万に住みながら、温泉ホテルで働き、毎朝雪を掘って温泉にザルに入れたタマゴを入れて温泉たまごを作って客の朝食に供する、という話。いきなり熱湯につけるとヒビ割れるそうで、そこはコツがあって、書いてあるのですが、忘れました。

そのホテルはオーナーだか社長だか夫妻がダンス基地外で、その縁で老老男女のダンス愛好家団体客が宿泊することで、なんとか命脈を保っています。なので従業員はみなそれなりに踊れるようになっており、ボールルームでひとたびダンスパーリーが始まると、お相手を努められるよう万事ぬかりないという設定です。

ベンガル語作家タラションコルの『ジョルシャゴル』や、宇能鴻一郎がよなよな燕尾服で、ハマの自宅豪邸(官能小説御殿)で夜会を開いているという話(平松洋子サンのトップ屋的取材記事と、関川夏央のその紹介記事)を思い出しました。

stantsiya-iriya.hatenablog.com

stantsiya-iriya.hatenablog.com

ダンス愛好家の客のなかにパイプのみがいて、雪景色を眺めながらくゆらすパイプのけむりが、「時々、浴場の風呂の中で揺れている精液のようだ」(頁71)とあり、すごい表現だ、やっぱりそういうことって、あるんだなと思いました。男女別の温泉であっても、時代が性自認になる遥か前から、いろいろと。新宿副都心の、渋谷区と新宿区のはざまの銭湯に戦闘スタンプラリーで行った時、そこは露天風呂が妙にカクカクして死角があるので、ガマン出来なくなった性欲の強いしとがペッティングし出すので、防犯カメラが据え付けてありました。私も、「ここ初めてでして」なんて、洗い場で隣の客から話しかけられましたが、銭湯なんてどこもいっしょでしょ、と言って、そのままそしらぬ対応で通したです。

上』

デパートの屋上勤務で無聊をかこつ窓際若手社員(リストラ候補?)の話。屋上に、テナントペットショップの大型動物のケージがあって、なぜかホンモノのポニーがいて、という話。頁97に、ポニーなんだが、ペルシュロン種という馬の血が入っているというあやふやなまた聞きみたいな説明があり、ペルシュロンって、どこかで読んだな、巨大な馬じゃないかったっけ、、北京大学出の陝西SF作家かかサンの小説だったかなと思ったのですが、彼女ではなく、津原泰水サンの小説でした。そうか。読みながら、この、藤沢周という人は、なんというか、南木佳士サンのようななにごともなく終わる日常の小説作家でなく、ちょっと逸脱したハプニングを自発的に行う主人公を描くけれど(巻き込まれ型でなく、自動)町蔵型ではなく、誰だろうと思ったのですが、津原泰水サンだと、ベクトル的にいいかもしれない。

ペルシュロン - Wikipedia

stantsiya-iriya.hatenablog.com

stantsiya-iriya.hatenablog.com

The Relief Process collagraph and metal collage The Intaglio Process
Positive reen Process drypoint:
Comtemporary Japanese rints Symbols of a Society embossed plaster
woodcut The Relief Process The Screen Process
Traditional Printmaking Variations japanese versus Western woodcuts

以上、すべて表紙部分。ひとむかし前までよくあった、キャンディーの包み紙などをそのままはっつけたアートかと思いましたが、よく分かりません。包装紙かも。

以上