入手可能とのことでしたので、神保町の中文書籍専門書店で取り寄せてもらいました。中国でも辺境の、青海人民出版社の本がビニルパッケージで配送される時代なんですね。素晴らしい。
节哀顺变。ペマ・ツェテン監督逝去を漸く知り、彼の著書も何か持っておきたいと考え、『しかばねの物語』を彼自身が訳した漢語版だったら、私でも読めるかと思って買いました。祈涛安息。
【Rest In Peace 】 は 中国語 (繁体字、台湾) で何と言いますか? | HiNative
表紙、中表紙にはウメ書体でチベット語タイトルが併記されています。読めません。というか、それ以前に、ひともじひともじの判別が出来ない。
購入後、都営新宿線で曙橋まで出たのが縁で、なんとチベット語で書いてあるか分かりました。助かった。
裏表紙。《書香青海》に泣いたので貼っておきます。電子版もDL出来るのかな。よく分かりませんが。
多识仁波切という人の「序」があり、目次があり、主人公が物言うしかばねを持って帰らねばならなくなるまでのくだり、「引子」があり、そこまでは金色をイメージしたカラーインクで印刷されています。その後の本文は黒。
下はགླེང་གཞི།《引子》の扉絵。
责任编辑 王绍玉 梁建强
特邀编辑 吴健斌
插图绘画 吾要
装帧设计 吾要
图文制作 东方乾坤
上の中文を写す時点で、「貂蝉じゃなくてジエシャオのシャオだよな」「ジーでなくヤオチンのヤオだよな」「ピンでなくビンなのか、ワンウェンピンは清音濁音は有気音無気音に非ずルールだったか」「サオトゥでなくチャアトゥ」「ジュアンジェン」「チエンクン」と何度ものたうち回りました。
最初から全話読み進めたら、今世紀が終わっても読み終えれない可能性もありましたので、邦訳『しかばねの物語』でいちばんナゾだった「ハオ兵団」が出る十一話を最初に読みました。中文版のウェイボーを見ていたら、蔵文版を最初に買って挫折した人が本書を手に取って、母からチベット語できいたむかしばなしを思い出したと書いたレビューが泣けました。
stantsiya-iriya.hatenablog.com
各話タイトルページ(扉)にもそれぞれチベット語タイトルがウメ書体で併記されており、鼻血ブーで死にそうになりました。読めないわウェブのチベット語世界のどこに一覧があるのか皆目分からないわ。死ぐ。チオンハンホロンニュィをどういじれば原題に辿り着けるのか、さっぱりさっぱり。
Les Contes facétieux du cadavre | L'Asiathèque
天佑神助。フランソワーズ・ロバンサンの仏語訳が全タイトル仏語蔵語併記で、とても助かりました。グアジェンチェ。何も読めないままサクッとコピーアンドペーストしました。数字が「十一」を意味する「༡༡」なので、これでいいはず。最初は別の行をコピってました。
出版が青海人民出版社ですし、蔵語より漢語に慣れてしまった人たち向けなのは明白で、ツァンパも、カターorハタクも、ヤクも、漢語で書かれつつ、注釈等何もナシなので、チベットとモンゴルの区別もつかなさそうな内地人有可能讲(中国本土人はこう言いそう) “糌粑是啥子东西?”(ツァンパって何なら?)“哈达是有人写错《哈德》就是了吧~♪”(ハタはタバコのハダメンの誤記だんべ♪)“白牦牛”(バイマオニュウ)等等,随便说是说吧的世界(好き勝手に言わば言えの世界)
ゾとかいろいろな分解能は漢語になるとないです。たぶん。
主人公の名前は《德觉桑布》"dejuesangbu"で、ドルジェ・サンブーかなと勝手に思ってましたが、邦訳でデチュー・サンボ、仏訳でも"Dechö-sangpo"ですので、勝手に思い込んではいけないです。全然ドルジェじゃないかった。「しかばね」は《如意宝尸》”ruyibaoshi“です。和訳「しかばね」仏訳"cadabre"より英訳"Golden Corpse"に近い。
以下、私がどれだけ辞書というか検索しながら僅か六ページを読んだのか、列記します。
〈坟〉はwenでなくfen。墳だから。
〈缚〉はfu。緊縛。
キンバクと読めば上記で、"jingfu"と読めば下記。
《金妇》
〈饥〉はji。《飢餓海峡》”jiehaixia“
《叼亦男》还是唠《叨亦男》
〈毡〉"zhan"は「氈」の簡体字。
页79
我们一定会感激你的。
🆚【感激】 と 【感谢】 はどう違いますか? | HiNative
関係ありませんが、私のカタコトベトナム語のカームオンの自己流声調がまちがいなのを、今朝のNHK-FMベトナム語会話で知りました。カームオーンは漢字で書くと「感恩」だとか。
〈怀里〉の〈怀〉は「懐」なのだから、「ふところに入れる」で何もおかしくないという。
〈竭〉"jie"は〈歇〉"xie"でも〈喝〉"he"でも〈渴〉"ke"でもないです。
花〈叭儿狗〉"baergou"はみめ麗しいちん。〈拔火棍〉"bahuogun"は火搔き棒。
〈啊啧〉"aze"は出ません。「うぜー」の音訳かと思った。〈啊呀呀〉"ayaya"は出ます。
のたうってかぶりものを脱ぎ捨てる様がビジュアル的にドッグ、否グッド。
〈骤雨〉"zhouyu"はしゅうゆ。
〈抽口〉"choukou"はそでぐち。抽烟。〈插〉"cha"とごっちゃになりかけました。
「いけしゃあしゃあと言う」のと「意に介さず言う」とではだいぶ違います。
〈沉〉”chen“、沈む。
〈眨眼〉”zhayan“、まばたき。
国王が肉味噌になるのが、歯に衣着せないチベットらしい。
「ハオ兵団」は〈哈嗬〉"hahe"〈哈嗬〉"hahe"といいながら出現する鉄人たちで、あんまり兵団デハナイカッタデス。「アヘアヘ兵団」とでも訳すべきなのか。
ごちそう、住居、家畜。びんぼう人がゲットする財産が具体的で、漢文で読んでも、よかったです。
穷=窮
汉=漢
龙=竜
说=説
玛=瑪
译=訳
间=間
经=経
以上