『舞妓さんちのまかないさん 22 』"Maiko-san Chi no Makanai-san" vol.22(ANIME "Kiyo in Kyoto:From the Maiko House")(LIVE ACTION "The Makanai: Cooking for the Maiko House." )(少年サンデーコミックススペシャル) SHŌNEN SUNDAY COMICS SPECIAL 読了

読んでないかったので、6月29日夕方、手すきの時間に読みました。午前雨で午後曇り。午後は風が吹いて爽やかでした。夜は座間キャンプ独立記念日の花火。

  週刊少年サンデー2022年第12號、第14~17号、第19号~第22・23合併号、第25号~第26号掲載。

●ILLUSTRATION/小山愛子(作者)
●DESIGN/徳重 甫+ベイブリッジ・スタジオ
連載担当/庄子昂平/水口岳丸
単行本編集/水口岳丸/久保田滋夫/布瀬川昌範(アイプロダクション)
企画協力/三枝桃子

作中の時期とは無関係に、この連載時期は京都もまだコロナカ後のオーバーツーリズムに再突入*1しておらず、その分祇園の風景描写や舞妓芸妓はんらの表情にも落着きが見える、ように思います。しかし祇園は時ならぬ#metoo旋風が吹き荒れてた時期でもありました*2ので、「怪物、だ~れだ」是枝監督の演出も原作と大きく離れたものにならざるを得ず、この巻のあとは、単行本二冊まるまる屋形の「おかあさん」と桃子はんの過去回想編に移行します。この巻はだからってわけでもないですが、祇園の見えざる男衆(し)「お兄さん」が二度も登場します。夏から冬の家具移動と、12月、鴨川で悩む「お母さん」のところに缶ヒーコ持ってあらわる。こうした男衆(し)は政財界大物のご落胤が多いので、認知や養育費、機密保持の駆け引きやスポンサード資金獲得のためにその存在が使われつつ、本人も男親譲りの豪胆な性格や優秀なDNAを存分に祇園のため発揮するとは、むかし読んだ祇園のあられもない「お母さん」回顧録に書いてあったこと。

毎日の「いってきます」を噛みしめて。 Netflixにて是枝裕和総合演出による実写ドラマ2023年1月12日より配信開始!

関係ないけど、天パ時代の百子さんを見ていて、ふと昨日小田急線に乗っていた中国人姉弟を思い出しました。小学生なのか中学生なのか、平日午後の小田急線を小田原まで、ザックかついで乗っていた。ほとんどスマホをいじっていたのですが、秦野あたりで天パの姉が"哇~!好大雨啊~!“と言っていたので中国人と気づいた。天パの中国人て珍しいな、童話のキャラみたいと思っていると、小田原が近づいて席を立ったものの駅に到着する前に少し車両停止したので、姉が自分も席に座って弟に"坐!"と言い、ドアが開くと"走吧!"と言って行ってしまいました。その後トイレに行って改札に行くと、姉が精算窓口にいて弟が所在なさげに立っていたので、”一路平安!“と言うと"啊,啊啊,嗯"と頼りなさげだったので、”加油“と付け足してその場を後にしました。

よろしゅうおたの申します。 デビューした理子は、「駒えみ」として奮闘中! すーちゃんには 嬉しい進歩が・・・? 大きな決断をする舞妓さんも。 「今」を大切に紡ぐ、舞妓さんたちの日々。

帯裏 このまんがは少年漫画には珍しく、作者が女性だからか、話と話のあいだに描き下ろしがたくさんあります。巻をすすむごとに、ブログ並みに文章が長文化、増殖してる気瓦斯。

頁27「洋食屋さん」以前ナンシー・チー・マーの華都飯店で腕を振るっていた陳健民のお弟子さんが言っていたのですが、和食の板前や洋食のコックに比べ、中華の鍋振りは昔は憧れられるような職業では全然なく、あらっぽいのがいくらでもいたとか。そりゃまあ、ラーメンとチャーハンとギョーザの世界で、和食の白木のカウンターや、ドレスコードがある西洋料理店のような常連客とのやりとりを、回転テーブルで出すクラゲの冷菜や鯉の丸揚げ甘酢あんかけ、飴色に焼いた仔豚の皮つき、ゴマ団子の世界でやれるかというと、それはまたちがうわけで。

頁39「ちょっといいパン」この本が出た時は、例の高級食パンシリーズは、ただたんに砂糖を生地に練り込んでいただけという真実がまだ知られていなかったんだなあと。だから焼かないで食べろとしきりに店側は言ってたわけで、魔法が解けるとなんのことはない、コロンブスのミセスグリーンアップル。

お姉さんとして着実に成長していくすみれの背中を目標に、お店出しを果たした理子も 「駒えみ」として奮闘中。一方で、花街を去る決断をする舞妓さんも――― 彼女たちが帰ってくる屋形を支えるのはおかあさん、そしてキヨ。 それぞれの想いで色づく季節に、大切な今を味わう22巻です。 肉だんごとさつまいものクリーム煮 おしるこ しゃけと栗の炊き込みごはん

カバー裏(部分)

頁51「鶏ガラスープ」逆に私は、京都時代しか鶏ガラを買ったことがないです。それくらいよく京都のスーパーでは鶏ガラを売っていた。五十円くらいでしたか。今は鶏皮や砂肝を買うことはあっても、鶏ガラは買わない生活。

頁75「栗ごはん」栗の皮を剥くのは手間だし、渋皮がイヤだし、そしてこのまんがで描かれない事実として、それだけ手間かけて剥いて虫食いになってると學刈で、虫食いだらけだと「ふざけるな~」と憤りたくなります。野良栗は消毒してないので、虫食いの可能性高し。中からケムンパスが出てきてコニャニャチハ。

頁86、舞妓から芸妓にならずやめる人のその後を、マンガならではで描いてくれたら、それはそれで面白かったと思います。①アイドルグループ京都一条戻り橋46の一員になる。ライバルは滋賀坂本比叡平46の一員になる。推しの子でやればいいのかもしれませんが、私は『推しの子』未読。②上京してザギンの嬢王になって自分を追放した祇園に復讐。司敬の世界。③恋愛禁止?の祇園の御法度を破って意中の男性と祇園祭の夜に「黄色いクジラ」で結ばれ、妊娠、その子を出産。④尼衆学校の門を叩く。⑤西陣シネマのもぎり嬢になる。⑥大市ですっぽん料理の基礎をイチから学ぶ。⑦黄檗萬福寺裏手の華僑墓地で自裁、遺体となって発見される。

この巻はやっぱり、「怪物、だ~れだ」も手を焼いた、祇園の#metooが尾を引いたと思います。頁95の百子はんの顔も、パーマ屋はんの光景も。銭湯の女湯の光景に出来なかったのが残念閔子騫祇園のひとがお湯呼ばれに行くかどうか知りませんが。

頁123

京都のおうどん屋さんに行った時、メニューを見てもわからないという体験をしました。ハイカラ、しっぽく、衣笠丼に木の葉丼…。私はすっかりけいらんのファンになり(以下略)

私はこの謎を攻略しないまま京都を卒業してしまったので、いまだに分からないままです。大谷本廟のそばのうどん屋さんは、閉店してしまったようで。東山郵便局の向かいのラーメン屋や、聖護院のむぎめしのラーメン屋はまだやっておられて、検索してなつかしいです。

頁128「おことうさんどす」これは意味が分かりませんでした。一般人には無縁のことばどす。

おことうさん | 祇園商店街振興組合オフィシャルサイト

巻末に実写版についての一文があり、ポエミーなおまけまんががあり、次巻から#metooを避けての過去回想が始まるわけで、それは同時にコロナカの祇園と乖離した現実感のない祇園を描くことの小休止でもあったのだなと。しかし、コロナカが終わり、またかつてのようなオーバーツーリズムが京を覆う今、それはそれで難儀やなあと思ったはると思います。以上