ラズウェル細木サンの育児マンガを巡る旅に端を発して、同時連載だった著者の『ママはぽよぽよザウルスがお好き』を読んだ際に、ついでに買っていた、著者初期代表作マンガ第一巻。さすがにこれだけ出回った古いマンガだとブッコフで¥110税込です。
これは電子版になってるんですね。装丁者未記載。昭和58年(1983年)20号から23号までと33号掲載分収録。1984年4月初版。読んだのは同年11月の4刷。

このまんがが有名になったのは、アニメになったせいもあるとか。そこまではなんとなくそうだったと思ってるのですが、アニメは魔法少女もので、原作とはあまり接点がないというのは知りませんでした。六神合体ゴッドマーズのようなものかな。
Mahou no Yousei Persia — Википедия
ロシア語版ウィキペディアを見たら、アニメはこういう絵だというのがよく分かる絵があったです。イタリア語版にもアニメのイラストがある*1のですが、シティポップのようなイラストなので、炉利黙示録時代、ミヤキン到来を告げる魔女っ娘アニメっぽくはないです。
Persia, the Magic Fairy - Wikipedia
英語版には、原作より上手い、原作のふいんきを出した絵がありました。岸義之サンというアニメーターのしと*2のところ*3から来てる絵。ふたごのトム・クルーズに愛される少女の髪の色は、この後の巻で説明があるかもしれませんが、①巻時点では染めてもいない天然のブルーグレーということでした。①巻時点では原作の双子は、トム・クルーズというより北斗の拳とロンドンパンクが手術台の上で出会ったような絵でした。作者の自伝*4の帯には「ママぽよの作者は実はペルシャの作者」というような煽り文句*5があるのですが、私は作者がペルシャの作者であることは知っていて、逆にママぽよという育児エッセーまんがは知らなかったので、世の中いろいろだと思いました。画力がないのがコンプレックスだと自伝には描いてあるらしいですが、浦沢直樹によると今のデジタル作画は誰も画力向上しないらしいですし、気にすんなとしか。逆にその自伝表紙の絵が一色まことっぽくなってたほうが気になります。あの絵は真似しなくてもと思う。

頁167。アニメとちがって、まんがはこんなんです(語弊のある言い方)あまりにコンプラ違反な台詞の場面だったので撮りましたが、ここまでのはここだけです。絵やコマ割りにやっつけ感がすごいのは、「週刊」少女マーガレットだったから、というのもあると思います。少年誌は週刊誌多いですが、少女漫画の週刊連載って、やはりまちがった男女共同参画だったのかもしれません。


巻末の広告。川崎苑子サンという漫画家のまんがは好きでした。


これも広告。

これも。紙が丸まったので、撮った写真の左のキャラはパースが狂った。

カバー裏(部分)

カバーをとった表紙(部分)
頁157。こんなまんがです(というと語弊がある)絵がうまいかヘタかでいうとヘタですが、絵は粗削りでも破壊力、パワーがあればそく連載という集英社気質が出てると思います。本宮ひろ志がいなかったら出版社自体存在し得てなかった集英社らしい。『東大一直線』①巻、よしりんデビュー当時の破壊的なタッチに比べれば本書は全然ましですが、これが五冊目の単行本なのにまだ現在地ここなのかと考えると辛口になるかも。
でもそこで編集者がえらそうに少女漫画家をコントロールしようとすると小学館になるし、炉利編集者による読者グルーミンという隠された意図があるのかないのかみたいな講談社「なかよし」の魔女もの変身もの全盛期、セラムンマジックナントカクランプ揃い踏み期はさいあくだったしで、これでよかったのだと思います。集英社なら自我が芽生えたのち白泉社に移籍してもいいし。ちなみに、秋田書店はエロイカとかクリドラとかナイルの娘とか悪魔の花嫁とかもう理解不能。さすが凪のお暇を生んだ社風。逆に小学館が吉田秋生を生めたのは奇跡以外の何物でもないと思います。
あと、ケニアの国立公園で発見された、ライオンに育てられた少女の名前がペルシャなのは、猫からとったと作中で本人の口から説明されています。それでいいのか。なので、諏訪の湖畔に面したカラオケBOXとは無関係なはずです。知りませんが。
左
は
カ
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