デザイン AFTERGLOW 初出「月刊コミックゼノン」2021年4月～9月号と、ウェブ「ゼノン編集部」2021年2月～8月更新分
22話＋スピノフ2話収録。
この漫画は広島が舞台だと勝手に思っていて、編集部のある中央線沿線が舞台の『ワカオ』とは時空の歪みで接点があるだけと解釈していたのですが、頁95「蒸し牡蠣」の回で、「地元を離れて幾年月 帰省の折」などと書かれると、本編も東京が舞台なのかと多少ガックリきます。例えば、この巻の頁13「ふーチャンプルー」の沖縄料理の店も、広島の沖縄料理の店でなく、高円寺とか阿佐ヶ谷の沖縄料理の店なのかー（三鷹より西とは考えない）と。東京の沖縄料理店と、広島の沖縄料理店とでは、店主店員の気構えが違う気がする。
頁9「豆天」は豆の天ぷら（だだちゃ豆とかレンズ豆とかヒヨコ豆とかずんだとか丹波の黒豆でなく金時豆）なのですが、豆鯵の天ぷらもしくは素揚げかと思ってしまいました。豆アジって、どこからどこの地方の言い方でしょうか。
頁18「サーモン刺し」に、ゆずでもかぼすでもすだちでもシークワーサーでもなくレモンを使うのは広島県人のこだわり、と勝手に解釈しました。しかしそうすると、ガラナかけられそうな気もします。ハスカップ。フレップはアイヌ語でこけもも。
頁29「ニラユッケ」のニラは、生でなく、湯通しくらいしてると思っていて、検索するとレンチンレシピでした。レンチンは確かに世界を変えたです。
頁33「貝柱中華炒め」をホタテの中華炒めと思い込んで読了し、しじみもあるでよと思いながら見返したら、ただのホタテでなく、ホタテの貝柱でした。ホタテは、ブロッコリーとクリーム煮にすると、四川料理になるのかな。何がどうしてマーラーでもなくしかも内陸の四川料理なのか分かりませんが、クリーム煮で、かつ四川料理。
頁37「セロリの塩昆布和え」確かに、セロリの浅漬けは常備菜にもってこいですが、それはそれとして、「スッキリして一杯目によい」と大きめのワイングラスで冷やして提供される日本酒の銘柄が明示されないのは、なやましいと思いました。まったく酔う様子がないので、実はノンアル日本酒というオチかもしれない。
頁49「スコッチエッグ」スコッチエッグ以外に、ビリヤニにゆでたまごを入れて、エッグビリヤニを作った人もたいがいエラいと思います。このお話は、炭酸水のついた布で赤ワインの染みおとしという技を、手慣れた手順で誘導する店員がすごいです。染み落としソムリエ*1かもしれない。
頁77、休業中もしくは酒類提供NG期間中に期限が切れるボトルもそろそろありそうな、と読んでから思いました。コロナカで断続的に酒類提供が休止され出してから、もう、一年半、二年なので。コロナカ明けに来店してキープボトル飲んだらすっぱくなっていて、お稲荷さんにあげてきたが、バチがあたったとか、そんなエピソードがありそうです。私は飲まないので、今ごろボトルキープのエクスパンションもんだいに気づいきました。この常連さんのニット帽は若作りでいかにも中央線沿線ふうですが、蒸すので、渡部陽一ふうとか黒沢年男ふうみたいな帽子はどうだろうかと、二月から円形脱毛症のままの私は考えています。
頁86スピノフ「白石くんの憂鬱」家飲みの一人飲みは勧めません。どんどん行くから。ビールとさほど変わらん値段、とかいって廉価ワインのボトルがごろごろとか、どんどん。
頁109、焦がし納豆詰めお揚げ。アジア納豆で試してみるとどうかなと思いました。高田馬場のリトルヤンゴンのシャン料理の店は、昆虫料理でなくトナオ料理を増やしてもいい気瓦斯。
頁111、「もち米しゅうまい」これほど冷めるとマズい料理もほかになく、あったかいうちに食べないと、絶対ダメ。ひんやりしたもち米が油を吸って、重くて重くて。おなかにもたれる上に、冷たい油分で気分が悪くなってきます。封印された記憶なのか、ひどい目に遭った時が思い出せないのですが、ここまでスラスラマイナスポイントが出てくる以上、絶対私の過去に何かあった（はず）正月料理だったかなあ、でもそのときはもち米でなくうるち米を使ったはずです。
頁115「タリアータ」は知らないので検索しました。
検索トップにサッポロビールが来たので、羊肉でやったらどうなるだろうと思ってしまいました。けっきょくクミンで食べる感じにしかならないかな。ホースラディッシュは牛肉のもの。そういえば、私の円形脱毛症の原因となったともいわれる、ルッコラアレルギー（ウマイウマイと毎日どんぶりいっぱいナマで食べていたら、食べるたびに口のなかがマヒしてマヒして大変だった）はどうなったろう。
頁119「うなぎの天ぷら」うなぎは高いので、タウナギでやってみたらどうだろうなどと思ってみました。
上の帯の壇蜜パートナーのイラストが、デートドラッグを飲まされたとしか思えない清野ワカコ。じっさい、ワカコのように若い女性がぶらりひとり酒を繰り返していると、お店でほかの客にナンパされたりは日常茶飯事か、否か、な感じがします。ナンパするような男性はだいたい同じタイプなので、毎回毎回似たような男性から声をかけられるくりかえし。で、店の人がさらりとさばいてくれないと、もうその店には行かないんだろうなと思えます。中央線沿線あるある。
さいごのスピノフのテイクアウトの話。おとつい夜勤に行く時、事前に電話して取りに行くだけのテイクアウトならよいが、無精なので、店に行ってから注文し、出来上がるまで待っているかたちしかしないので、それだと遅刻するので、スーパーで食べもの買って行ったのですが、スーパー出て、こういう時レストランが出来あい店頭で売ってくれるといいけど、もう緊急事態も補償も体制が出来上がってるから、いまどき店頭で惣菜するレストランなんかないだろうな、さして売れず、労力だけかかるから、と思いながらいつもと違う道を行ったら、イタリアンレストランが惣菜を店頭売りして呼び込みまでしていて、買って上げればよかったと、多少後ろ髪ひかれました。でも買わなかったので、こうしてせっかく夕餉時にテイクアウトを頑張ろうとしても売れない店が疲労してゆく。
以上、2021年8月23日に書いた読書感想です。
*1:「ソムリエ」は死語か小一時間
