編訳者:海老名志穂サン。段々社編集坂井正子サン。装丁者未記ながら、担当されたということなのか、草本舎の青木和恵サンにイラストレイアウトの謝辞。イラストは勿論蔵西サン。日本学術振興会特別研究員研究奨励費と東外大AA研共同利用・共同研究課題「チベット・ヒマラヤ牧畜文化論の構築 ー民俗語彙の体系的比較にもとづいてー」の成果一部。
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概括は上記。
四人目はホワモサン。青海湖に面した剛察県出身。蘭州の西北民族学院に学び、のち同大教授。
いつものように、打ち込んだチベット文字が合ってるかは知りません。
『私に近寄るな』ང༌རང༌ཡང༌བུད༌ཡིན།
初出不明。テキストは「灯明ネット」2011年掲載。
2011年の東外大シンポで朗読。
飾りのイラストが次に来ます。
『私は女だ』ང༌ལ༌གཅར༌མ༌ཡོང༌།
初出不明。テキストは『ジョロン 現代チベット女性作家詩歌精選』བཞོ་ལུང་། / དཔལ་མོས་རྩོམ་སྒྲིག་བྱས།(民族出版社)2005年刊
終わると、罌粟の花ではないと思われる、表紙にも使われる花のイラスト。
『根こそぎ』འབུར༌འཇོམས།
初出不明。テキストは『ジョロン 現代チベット女性作家詩歌精選』བཞོ་ལུང་། / དཔལ་མོས་རྩོམ་སྒྲིག་བྱས།(民族出版社)2005年刊
『火』མེ།
初出不明。テキストは『ジョロン 現代チベット女性作家詩歌精選』བཞོ་ལུང་། / དཔལ་མོས་རྩོམ་སྒྲིག་བྱས།(民族出版社)2005年刊
終わると、仏画のイラストから始まって、木造建築の扉、樹木、仏塔、仏石。
その後、海老原志穂サンの【コラム4】「フェミニズム運動は詩からはじまった」
全体まとめのところにも書いたのですが、チベット女性文学が、今世紀初頭から太平洋の両岸で相次いで出版されたこと、そのトリガーがこの人だったこと、フランスのチベット学者サンの論文に登場するホワモサン、などが書かれます。また、その前段階として、そもそも近現代チベットでは、詩が変革のうねりを促していたことが、トンドゥプジャ『青春の滝』を引き合いに語られます。
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上の読書感想は、ロシア語版ウィキペディアにのみ載ってる写真だったり、チベット人が漢訳した『青春の滝』のURLを載せましたが、今でも見れるのかな。ただこの人自体の女性関係は、やっぱり時代というか無頼派というか。
フランスのチベット学者ロバンサンなのか同姓同名なのか、の人はいくつもセッションをつべにあげています。
で、この稿は、強制不妊手術その後にも踏み込んでいて、多産防止の措置の後、身体とこころのケアが今まであまりにだったとして、広く活動する様子と、男性だけでなくチベットのインテリ女性からもそれが批判されているが、屈しないと紹介されています。
さらには、女性僧侶が、例えば長年固くて冷たい地面の上で座り続けての坐骨神経痛ほかなどにあまりに無頓着な現状やそれが心身に与える影響、その緩和についても動いているとか。最前線と思いました。いろんな意味で。以上