オジュクキ བོད༌གཞུག༌སྐྱིད། bod gzhug skyid『チベット女性詩集 現代チベットを代表する7人・27選』དབྱངས༌ཅན༌པི༌ཝང༌ལྟང༌ལྟང༌། "Tibetan Women's Poetry Collection. 7 Representatives of Modern Tibet, 27 Poems." (現代アジアの女性作家秀作シリーズ)(Contemporary Asian Female Writers Excellent Works Series)

チベット女性詩集│ゾンシュクキ/デキ・ドルマ他

編訳者:海老名志穂サン。段々社編集坂井正子サン。装丁者未記ながら、担当されたということなのか、草本舎の青木和恵サンにイラストレイアウトの謝辞。イラストは勿論蔵西サン。日本学術振興会特別研究員研究奨励費と東外大AA研共同利用・共同研究課題「チベット・ヒマラヤ牧畜文化論の構築 ー民俗語彙の体系的比較にもとづいてー」の成果一部。

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概括は上記。

三人目はオジュクキサン。 བོད༌གཞུག༌སྐྱིད། bod gzhug skyid

出身はアムドのティカというところで、漢字で書くと、あの娘は貴族の徳の貴徳"guidu"。青海省です。そこ出身の作家さん前にもいたなと思いつつプロフを読み進めると、父親はチベット語教師で、その教え子にラシャムジャサンがいるとか。で、プロフには書いてませんが、映画監督でもあり、バイリンガル作家でもあるペマ・ツェテンサンも貴徳出身のはず。

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世代としてはチベットバーリンホウとでもいうのか、同人ガールみたいな写真ですが、お勤めとしてはチベット医として活躍中とか。

いつものように、打ち込んだチベット文字が合ってるかは知りません。

女二十歳མོ༌ལོ༌ཉི༌ཤུ།

『ジョロン 現代チベット女性作家詩歌精選』བཞོ་ལུང་། / དཔལ་མོས་རྩོམ་སྒྲིག་བྱས།(民族出版社)2005年刊が初出。作品の後、三宝を積んだんだかなんなんだかの馬が、紙に馬の絵とかを描いたルンタをばら撒いているイラスト。

en.wikipedia.org

歌が恋しくなる時འཁོར༌བའི༌དོང༌ཞབས།

未発表。2017年執筆とのこと。木綿のハンカチーフチベットバージョンみたいな箇所があります。作品の後は、ばら撒かれたルンタのイラスト。

輪廻の穴の底གཞས༌ཤིག༌དྲན་ཚུལ།

未発表。2017年執筆とのこと。ケサル王伝説が出ます。ヨカッタデスネ。ルーティンワークをすると心が落ち着くので、調理をするわけですが、パンを焼いてるのがアムドだなあと。

この後蔵西サンのイラスト四点。野山から村落を望む。村の入り口で、歩く親子と、庭木のある家、飾りの木を立てている家を見る。土づくりの家々の村の中を歩く。どれかの家の中の部屋の扉。チベットではないですが、カシュガルのサンデーバザールの建築資材コーナーで、こういう木製の扉だけ売ってたなあと、なつかしく思い出す。

その後、【コラム3】「チベット仏教界と女性」三浦順子サン。女性のままでは悟りを拓くことが出来ず、転生して男性になって修行してのちでなければ輪廻から解脱出来ないという縛りが仏教最大の課題であると私は思っているのですが(中村元サンがどう言ってるかは知りませんが、そもそも原始仏教では輪廻転生を認めてないそうなので、解脱の男性縛りも後世の付け足しと誰か言い切ればいいと思うんですが、ダメかな)ここではそれ以前の別のテーマが取り上げられています。

世の中の仏教は、出家時に根本説一切有部律に従うか、四分律に従うかでふたつに分けられるそうで、チベット仏教とテラワーダ仏教は前者、日本や韓国、中国の仏教は後者だそうです。で、尼僧が出家者の最高階位である比丘尼になるには、先ゆく比丘尼立ち合いの下、授戒儀礼をおこなう必要があり、四分律ワールドには比丘尼がいるので儀式が出来、根本説一切有部律世界には現存する比丘尼がおらず、したがって新比丘尼承認の儀礼も行えず、これまでも、これからも、比丘尼がいないままなんだとか。

そりゃあんまりだということで、たびたびチベット仏教の尼僧たちはギャワ・リンポチェに比丘尼復活を直訴するわけですが、比丘尼の復活が出来るのは仏陀ただおひとりなので、自分には無理ぽ、と返される繰り返しだったとか。

そうこうするうちに、チベットの尼僧の中には、台湾の仏光寺比丘尼になるものも現れ、テラワーダのスリランカでは、何をどうしたのか、比丘尼サンガが復興したとか。四分律比丘尼になりたいんじゃない、根本説一切有部律で比丘尼になりたいのよ、と願い続けるチベット尼僧たちにとっては、苦難の時代が続くわけです。しかし折衷案というか、比丘尼は㍉だが、ゲシェマ(女性仏教博士)だったらなれるように道を作りましょう、ということになり、2011年にまずチベット仏教僧であるドイツ人女性がゲシェマになり、2016年には二十名のチベット人女性がゲシェマの学位を得たとか。

まだまだ小手先じゃん、と思うかもしれませんが、千里の道も一歩から。コラムすばらしい。以上