『酒のほそ道 五十四 』"SAKE NO HOSOMICHI 54"(The Narrow Road to/of Sake)[酒と肴の歳時記]"Seasonal Calendar of Sake and Snacks" by ROSWELL HOSOKI ラズウェル細木(ニチブンコミックス)(NC NICHIBUN COMICS)読了 読書

冷蔵庫に数日入ったままのミスドのオールドファッションを食べたら、朝食用にとってあったものだとのことでしたので、イオンモール座間のミスドに改めて買いに行ったついでに覗いた紀伊国屋書店で買いました。

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呑兵衛の心を掴む!!! ラズウェル細木ワールド!!! 週刊漫画ゴラクで 大人気連載中!! [酒と肴の歳時記] 酒のぼこ道 1~53巷 大絶賛発売中!!! 「ラズウェル細木の酔いどれ自伝」 絶賛発売中!! 「酒ほそ」愛読者必読!!!! ラズウェル細木、 初の漫談自叙伝!! 発売:平凡社 「おきばりやす」 第2巻 絶賛発売中!! 関東出身者が京都の魅力を発見!! サラリーマン京都漫遊譚!! 発売:少年画報社

帯裏 育児まんがの再版はならぬままですが、自叙伝を出すところまでこぎつけたという。読んでみます。表紙の写真が、チベット料理店のオヤジのように見えたり見えなかったり。

それはいいんですが、今回、若返ったというか、ぜんぶ取り込んで組み合わせてAIが描いてるのか、あるいはさいとう・たかをゴルゴプロジェクトのように、徐々に後継者に作画が移行しつつあるのかといった感じを抱きました。

①どうも前巻迄の、歳をとったなりのぎこちないペンさばきが影をひそめて、やけにあっさりしたタッチで各キャラがたんたんと描かれてゆく。

②頼むアテが、歳をとったなりに油っぽいものは避けようという気配が消え、宗達は揚げ物とポテサラを頼むキャラに確変。

③私はビールを飲む擬音は、誰のか忘れましたが、「ゴッゴッ」という音が好きですが、宗達はキュピピと飲みます。これが、なんというか、キャラ設定一覧のレジュメに載っているかのように毎回出てきて、あまりにテンプレ化、マニュアル化され過ぎている気がしました。宗達がビール飲むときはこの擬音を伴わねばならぬ、みたいな縛りに現場が支配されてるかのような。

④コマ割りがちょっとふしぎで、最初は電子版主体のコマ割りを紙版にあわせていじってるのかとさえ思いました。頁29など、左のコマはすべて、あとからのつけたしで、連載時は、往年のまんが雑誌のように広告が入ってるのかとすら思った。今の雑誌は広告取れないでしょうから、それはないはず。

⑤揚げ物主体に宗達の好みが若返る反面、冬瓜の回など、宗達は顔のむくみをママから指摘され、それってリーマンが指摘されることなのか、カヨのような女性に、同性がサクッとえぐることばではないのかと思いました。スタッフに女性がいるとして、作者の娘さんが加わってたりして、などと、勝手に妄想。

⑥確か卒業して就職したはずですが、元JDはこの巻出ません。同性読者から嫌われたパパ活女ギャラ飲み女と、ムリクリこじつけても可。

⑦「ギョニソ」「グレフル」など、歳を考えると、無理してるといえないこともない単語がスラスラ出ます。いくら飲み屋で若者と交流してるとしても、う~ん。若い血が現場に入ってるとしか。

⑧取材旅行の写真はけっこう「スズキナオ」という人が撮っていて(ラズウェル撮影もあり)このスズキナオという人は、壇蜜の亭主と十数年来の飲み友達「ダリッコ」とともに自伝にも参加してるようで、しかし紀行エッセーの中ではロクに紹介されてないので、余計気になりました。

⑨正直この巻は、作者が備忘録として飲み屋でもしこしこメモしたり動録したりしたネタを、ほかの誰かがリライトサポートしてる気もしました。宗達ならもっとイヤなウンチク野郎になったり自分勝手なふるまいをするはずなのに、やけに中立的ではないかとか、いろいろ。

⑩カバーのカラーだとうまく撮れなかったので、本体表紙から。この、AI作画感がハンパない髪のカタチをどう見るか。もともと宗達は昆虫みたいな髪型ですが、なんかテンプレ化してるとここでも思う。

こんなにも酒が飲みたくなる漫画が、 他にあるだろうか。 酒のほそ道を手に取ったら 酒を飲むな、なんて無茶な話だ。 薄幸(納言)お笑い芸人 酒のほそ道ラズウェル 細木

帯 そのまんがを五十四冊も読んで、いまだに飲酒欲求からアレ出来てる私もたいしたものだと、自画自賛。この芸人さんは存じ上げませんで、ニチブンコミックスはなぜかゲストが巻末書くエッセーを「あとがき」と名付けているのですが(ふつうは「解説」ですよね)その文章が今回異様にうまくて、誰だろう、こんな良エッセーの書き手は、と思いながら読んで(五十四冊読んで、実はいまだに記憶に残ってるのはダイノジのエアギターの人の母の思い出くらい)後輩のやすこから「みゆきさん」と呼ばれているので、鳥居みゆきが変名で書いてるのかと思ったりもしました。ちがった。

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頁113、大井川でなく天竜川ならよかった。

頁23、エビフライはおいしいですが、高くておいしいが当たり前な料理になった。高いので、美味しくない店に行くとガッカリで、がっかりしたくないので頼みにくい。

頁28、大根餅を見たのはひさしぶりです。台湾なので中華といえば中華。大陸人はそんな好きでもない料理と思ってましたが、今はどうなんだろう。

頁74の、居酒屋の人手不足の話も、作者の体験をもとに、誰かが膨らませたような気も。ほんとに今回は、トマトも、両方頼むも、テレビを見る話も、宅飲みも、誰かとセッションしながら話を構築してるような気が(幽霊の正体見たり枯れ尾花で、思い込みかもしれません)

床の話だけラズウェルテイスト炸裂な感が。私も一度だけ床に行った気がします。京都に来てくれた友人をもてなすため予約して。南禅寺の湯豆腐も同じく。それで思い出しましたが、昨日読んだのー先生のマンガ*1の京都旅行で、金閣寺銀閣清水寺の三ヶ所を巡るオトクなツアーに参加した後、どうしてもで平等院に行くのですが、どうしてもで追加が平等院って、そんなものでしょうか。るるぶな新婚旅行ならすずむし寺とかに行くのではと、勝手に思ってみたり。また、修学旅行的旅行の追加なら三十三間堂とか。

話を戻すと、床の話、日没後の背景がグラデーショントーン(もしくはそのデジタル)一択で、その安易さ、決断力が、ラズウェルさんひとりではこうならないのではと思わせました。

すべて私の勝手な思い込みですが、どうでしょう。私は、マンサンコミックスも、漫画サンデーがなくなって、静かなるドンもグランドジャンプで連載するくらいのご時世だから、酒ほそも今はどこで連載してるんだろうと気になりながら読んで、あっ、ニチブンコミックスはゴラクだ! ゴラクは休刊してない! と気づいたくらいの人ですので、あてになりません。以上

【後報】

レシピの「クタクタ春菊」はさっそくやってみます。春菊旬で、霜で今後どうなるか分からないので、おいしいうちにガンガン食べたいので。でも白ワインは別のもので代用すると思う。

(同日)