グーグル翻訳シンハラ語:「මම විදේශයන්හි ගෙස්ට් හවුස් විවෘත කළා」දෙක වෙළුමක්_"විලාප කථාංගය" ටෝජෝ සචිකෝ (නෙමුකි+කොමික්ස්)
グーグル翻訳タミル語:「நான் வெளிநாட்டில் விருந்தினர் மாளிகையைத் திறந்தேன்」தொகுதி இரண்டு_"புலம்பல் அத்தியாயம்" டோஜோ சச்சிகோ (நேமுகி+காமிக்ஸ்)
『スリランカでカフェはじめました』の前日譚。読んでみたかったので、amazonで中古品を①②各¥550税込プラス送料¥350で買いました。帯なし。初版。この巻は2018年8月30日刊。一巻も同日刊なので、一巻二巻同時発売でネムキ編集部はこのドロドロした連載にスッキリ決着をつけたかったのでしょう。初出「Nemuki+」2017年3月号~2018年7月号 装丁 新上ヒロシ(NARTI;S)スリランカ関係書籍29冊目。
カラーグラビア4ページつき。①巻の写真はスリランカの世界遺産や珍しい生き物でしたが、②巻は難行苦行(すべて人災)の数々の片鱗が伺える(かもしれない)ゲストハウスの着工から基礎型枠、外壁工事などの写真、そして涙、涙の開業後のピカピカの室内。
占いで決めた日に地鎮祭的な行事をして施工開始。「僧侶と一緒に東條さんもご祈願!」とキャプションがついてるんですが、袈裟着てないテラワーダ仏教の僧侶なんているかなあ、このガタイのいい男性、リアルニッサンカじゃないの、と勝手に思ってます。スリランカ人、ムダにこういうガタイのいい男性多い。外見だけみるとどの民族か分からない。シンハラ人かタミル人かバーガーかムスリムか。母方は意外といろいろで、父親がナントカ系なら子どもも便宜上ナントカ系を名乗るケースが多いというのもうなづけなくもない。その程度の民族(でも言語はまったく異なる)
このゲストハウスは、『天国のあるスリランカ』*1の里親制度なんかも紹介してる、スリランカの観光サイトでも取り上げられてるんですが、東條サンがすべて後ろ姿なのはいいとしても、部屋の写真がぜんぶ薄暗いんですよね。『ずっとお城で暮らしてる』*2とか『夕顔夫人』*3かと思った。あまりにこのマンガでスリランカをこきおろしたので、スリランカ観光関係者から意趣返しをされてるわけでもないんでしょうが…
切り取るだけで、全方位から誤解されるコマ。頁120。「ビジネスパートナー」のニッサンカサンとちちくりあ……いや、なんでもありません。
そんな東條サンのダンナはこんな人、と振ると、これも全方位から誤解されるキリトリ。頁102。「コロンボのそばの街」はたぶん首都じゃいかな。パキスタンのイスラマバードとラーワルピンディみたいなもんで。いや、パキスタンの首都はカラチでしたっけ? 実際にはかいがいしく旦那サンも働くのですが、後始末ばかりに追われ、疲労困憊して帰国、スリランカ生活を拒否ります。
ひとは自分の物差しでしか他人をはかれないので、①巻では東條サンに友好的だったニッサンカの奧さんは東條さんとニッサンカの関係を疑い、敵対するようになります。此のスクーターの描写は私には分かりにくかったのですが、日常のアシのスクーターを奧さんか誰かが隠して、炎天下街まで簡単に外出出来ないよう嫌がらせをされているということみたいです。『ずっとお城で暮らしてる』
まあわざわざ三ヶ月もかけて書類揃えてニッサンカを日本にまでこさせたりしてるわけなので、奧さんのみならず、現地社会からしたら、なんでそこまでするの? あの女コマされてるんちゃうのんけ? となるかなあ。半裸生活のスリランカ人日本に連れてきて雪とか見せたらおもしろそう、マンガのネタにしたらええやん、なんて理由、理解の外だろうし。むかし、中国で、フタつきのホーローカップでお茶をすする古色蒼然とした人民服の中国人のオッサンを、みんなで金出して日本に連れてきて新幹線に乗せてみてー!!と留学生はよく言ってたものですが、インバウンドの爆買い時代でそれが実現する前に、川崎重工ほかがアレでアレして、中国に新幹線によく似た「ガオティエ」が走るようになり、日本にまで来なくても乗れるようになりました。*4
頁129。となりの頁128では、せっかく口コミで集めた邦人バックパッカーなのに、可愛い女の子にだけニッサンカがさかんにコナかけて邦人離れが起こる場面が。ニッサンカの娘が働かないバカであることは『スリランカでカフェはじめました』*5に如実に描かれてますが(容姿も)その母親はもとドバイや香港でメイド経験もある人物で、そこを見込んでほかから引き抜いたのに、身内意識が先行してコキ使われるのを嫌い、働かない。
頁124と「おわりに」 この「奥さん」はニッサンカヨメのことで、東條サンのことではないです。カジはミサトが殺した説を信じるみなさんへ。で、この後インドで9年暮らしたという男性を発掘(日本料理店のマネジャーとして来島するも数ヶ月で店がつぶれ、キャンディの楽器屋で売り子をしてた)(頁144)してその男性が働くのですが、その男性も一年で飛ぶという。そのときどきで大陸浪人とかコメットサンとか猫田猫雄とか、そんな風来坊をスカウト。そんな番頭方式。
頁114。中国といっしょやん、と思いました。外国人がカネ出して合弁しても、けっきょく現地にいいように持ってかれる仕組みがありやん。中国と同じでも、スリランカの場合、かつて植民地だったから、外国人名義のさばらしとくとどんどん外国資本に乗っ取られるから、みたいな大義名分があるんでしょうか。あっても債務の罠でスリランカは中国に港盗られそうになってますがな、とは、「騙されて騙されてまた騙される日本人」©邱永漢な日本人の論理で、スリランカ的には、すべて踏み倒してばっくれてしら切るぜ、中国相手にだってチャラにしてやんぜ、我かく防御しえり、てな感じなのかもしれません。このページの東條サンはすべて第三者から詳しく説明を受けて理解した上でこういってます。お話の中では、当初、すべてニッサンカの口車で、こうしたこともぜんぶてきとうにウソまじりで説明され、ことばもそんな通じないので、半信半疑でお金を出し続けます。頂き女子に貢ぐジジイのようだ。
口絵に戻って、のどかな建築風景。水回り、電気配線、建具など全方位に続出した問題証拠写真を全部あげていたらそれだけで日が暮れるので略されていますが、ひどいなあ。
最初、ここに部分のことかと思ってました。
たぶんそうではなく、ここの部分。東條サンは日本で不動産業に邁進していたので、リフォーム関連も詳しいですが、それでもイカレてしまうわけで、私なんかここも見抜けないので、無理だなあと。
頁15と頁25。ちなみにシギリヤでは汲み取り業者が汲み取りに來るわけでなく、汚水槽がいっぱいになったら壊して(遺棄する?)新しい汚水槽を作るんだとか。で、このクセの悪い建築業者が金せびりに来た時は、まだうまいことビジネスパートナーは不在で(電話したが相手の言いなりにしろと言う)弁護士のところに行って念書書けとかいろいろ抵抗するんですが、おんなひとりを数人で囲んでやいやいやって、1800万(ルピー?)の新車のピックアップだかランドクルーザーだかで弁護士事務所へ。工期を守れない場合のペナルティ、罰金を設定することでいちおう気持ちを納得させて金を払います。もちろん債務の罠になるはずもなく、罰金はバックレ。で、旦那さんはこの時何をやってたのかとちょっと思いました。
頁36と頁39。スリランカ警察は民事介入しますがあてにならないそうです(①巻の納品ミス交換拒否ムスリム商店では役に立ちましたが)で、こういう悪質業者が多発するのですが、ふしぎなことに、まともな業者はビジネスパートナーがなんくせつけてクビにしたりするんです。こんなん読んだら、誰でもニッサンカ黒いと思いますよね。狭い地元社会で、みんな知り合いだし。シギリヤは観光地なので、私は読んでて、「桂林!桂林!」と心の中で連呼してました。中国でもっともはやく外国人観光客に開かれ、それゆえにもっとも早く、そしてもっとも盛大に、外国人にスレた街、桂林。
頁53。旦那帰国後の描写。枠と枠のあいだの文章がすべてだと思います。
大体ダンナの事はマハッティヤ(ご主人様)私の事はノーナ(女)と呼ぶのも気にくわねェ
これ、二巻冒頭のニッサンカの科白と対応してますよね。
サチコお前はだまってろ
今度コンビニのスリランカ店員さんに「ノーナ」と言ってみようとは思いませんでした。「ハイ!」とかキビキビ対応されたら、こっちがドギマギする。子どものころ、キャンプの芝生に寝っ転がってたら、黒人の女の子が横で遊んでたので、"Hey, Little black girl."と言ったら、"What?"と言ってこっちに来たので逃げたことを思いだした。あと、大学の新歓コンパで、九州男子が「おい、おんなー、聞け―!」とか言って、一斉に抗議されてたことがあった。
頁52。だんだんこの辺りで、手が出る一歩手前くらいに両者エキサイトしてきます。
で、頁57、すごく繊細に、肩を摑んだら振り払ったヒジが顔に入る場面が描かれ、ついに「叩いたな…」ということで、東條サンは帰国を決意。
頁61、現地で味方になってくれる人もいるんですが、なぜだろう、狭いムラ社会だからか、あいだに入って調停してはくれないんですね。これが中国だったら調停役出てくるんじゃいか、ただし相手が悪い(権力者とか)だったら泣き寝入りをすすめてくるとかね、と思いました。映画「悲情城市」で上海ヤクザと台湾ヤクザがモメた時に「アタシの事を思い出してくれてうれしいねえ」なんてオババが出てくる場面を思い出す。アメリカだったらどうだろう。暴対法前の日本だと、まさに地回りの出番て感じで、頼って逆に高い授業料を払わされたりしそう。で、スリランカのこれ、もうちょっと親身になって呉れたらなあと思いました。要するに観光地の外国人スタートアップビジネスだから、あまり表立って味方すると今度は自分がハブられるのかなと。
頁20と、運命の頁78。大逆転。こうなるのにはちゃんと理由があります。
頁67。東條さんは空港に直行せず(帰国せず)スリランカ一の大都会コロンボで在留邦人のコミュニティに駆け込み、助言を得ます。①弁護士に10万円払って作ってもらった会社書類のコピーしか東條さんはもらってない。名義人ニッサンカが持っている原本を、資金提供者の東條さんが持たないといけない。②そのコピーも全文でなく、項目前半部分がごそっと、ない。③外国人が観光ビザでスリランカで働いてることが当局にバレると2年間の入国禁止。ビジネスビザやレジデンスビザを取るにはこの書類が必要、特に項目3が必要なのだが、原本を渡されず、コピーから当該項目が抜かれているという念の入れよう。④会社が軌道に乗った頃に外国人パートナーに正規のビザがなく、観光ビザであることを現地人パートナーが入管にチクって国外退去2年間入国禁止orブラックリスト入り永久追放においやり、資産をスリランカ人独り占めという王道パターンが外国人と接点の多いスリランカ人には周知されている。
日本大使館付きの日本語が出来る弁護士は二名。二名もいると思うか、二名しかいないと思うか(私は前者。廖承志とか唐家璇とか王毅サンのような系譜のある国じゃないから)そのうちの一名と面会アポがとれて、で、書類の不備を次々指摘され、名義関係の甘さも総ざらえ、上の一喝になるわけです。
頁76。「うーん私はどうすれば」という東條さんにパティラナサンは助言します。
まず書類面をキチッと固める
向こうもアナタが力がないのを知ってるから相手にしないんです
法律面を固めて力を持てば もうアナタを無視することはできない
ここで私は①巻頁24、ニッサンカがゲストハウス経営を共同でやってみないかと東條サンにもちかけた場面をもう一度読み返しました。
①巻頁24
スリランカを旅しているとバスに乗っても隣の人に
「オレとビジネスやらないか? 日本人だろ」
「誰アンタ」
と言ってくるような国民性であるので
何回言われたか…
軽くあしらうのがセオリー…
で、パソウコンでスリランカの法律を調べ、①年初に法改正があって外国人は不動産所持が出来なくなった。②現地人資本半分以上で合弁会社を作らないとゲストハウス経営は出来ない。③土地と建物を会社名義で所有してその会社を現地人パートナーと二人で共同経営。というやり方を知ったうえで、「2万5千ルピーで3日あれば会社設立は可能」というニッサンカの口車に乗ってスリランカに行き、一週間かかって弁護士に10万ルピー払ってフライトチケット買い直しで五万円使って会社の書類を作ってました。もっと強引かと思ったのですが、そうでもないかった。でもなあ。
頁77。いいですね。いいですけど、(1)スリランカの自殺率の高さの中には、行方不明失踪にプラスして、自殺ということになっている、内戦関係のアレがあるかもと勝手に思ってるので、ここを読んで、やっぱりちょっと思ったです。(2)国外退去処分くらったら、旦那のDVを理由に難民申請… いや、なんでもないです。日本の弁護士頼もしくない。いや頼もしい人もいるけど。スリランカの入管施設と名古屋のとどっちがいいか。
とまれ、邦人同士の絆に、ここは胸アツでした。やっぱりこういうふうに一肌脱がなきゃウソでしょ。いろんな日本人がスリランカと関わってますが、みんなバラバラで。鎌倉や八王子にジャヤワルダナサンの顕彰碑を建てる人もいれば、タミル人との内戦下に平和を訴えてジャフナに行って殺された僧侶がいて、名古屋でDV難民申請を支援する人もいる。みんな方向性もベクトルもバラバラ。債務の罠の国の人が海外派出所で一元化されてるのに対し、日本はどうしてなんかなあと思っているので、本書のこの一丸のところは、ちょっとよかった。
これを機に一気にニッサンカの態度は好転、と思いきや、のど元過ぎれば熱さ忘れるで、しばらくするとまたもとに戻ってしまい、上のほうの開業当初の風景になってしまうのですが、このあたりのぶつかり合いでの東條さん勝利が、ニッサンカ嫁の冷たい態度につながってしまってたりとか。江戸の仇を大阪で討つ。
頁138、頁139。東條サンはニッサンカとの関係性を変えます。
頁142、ニッサンカ嫁との関係性も変えます。
頁126のニッサンカ嫁時代と、頁142工事現場作業員から引き抜いたニュースタッフの違い。ニッサンカは使えない知りあいを次から次へと雇うのですが、そうでない人は、ちゃんとしてるという… 観光地シギリヤなので、ガイジンに使われるのでなくだしぬく奴が尊敬されてるとかあるのかなあと思いました。桂林。桂林の場合は、白人たちが桂林にヘキエキして、隣町陽朔を自分たちごのみの街として開発してしまったわけですが(最近のニセコのようだ)キンペーチャン時代の今はどうなのかなあ。このニュースタッフは、ヒゲなのでムスリムかなと思いましたが、帽子でなく若ハゲに見え、しかしひょっとすると回教徒の帽子ならぬユダヤ教徒のキッパかもしれないと思いました。真相や如何に。
おまけ。頁123と頁146。おまけコラム「スリランカここがイチオシ!」は三つあって、三つ目の宝石はゲストハウスの売りのひとつのようです。佐渡島に行ったら砂金すくいやるよねみたいな。ふたつめは虫で、〈蟑螂〉があんまりスリランカにはいないそうです。ひとつめはカレーですが、スリランカ人はすぐ食べ物を捨てる点に触れています。アパラーデアパラーデいうわりに、生鮮食品は足が速くないものでもすぐ廃棄するという。カフェの漫画でも言ってたかな。それとも違う人の本でしたでしょうか。
おまけ2、頁124。ラァバイがケチ、ドゥパツが貧乏人。今度スリランカ人に言ってみます。
ゲストハウスは当初「ロック・ビュー・ゲストハウス」で計画進行中だったのですが、同名のゲストハウスが先に出来てしまったので、それを日本語にして岩見荘にしたとか。邦人が來ると「岩見さんですか」といわれるのは、そりゃそうだと私も思います。東條サンの本名とか、実家とか、出身地とかかなと。
私もこの名前の方がよかったと思います。東條サンはこれまで『主婦でも大家さん』で物件を何軒も持っていたわけなので、そこでの命名ノウハウは生かされなかったのでしょうか。この巻でも、1200万もゲストハウスにはきださせられたので手元資金がショートして、物件をひとつ売却、4700万ゲットしてひといきつく箇所があります。出てくる不動産投資家はみんな『主婦でも大家さん』を読んでいて、すごいマンガを描いてたんだなと思いました。東條サンは売却時、少子化でこれから部屋埋まるか疑問なのに不動産投資バブルだいじょうぶ?と。で、旦那さんがその資金を一部貯蓄したらというのに利息を聞いてケッ、で、ただ、1000万円はスリランカの外貨貯金に回してるんですよね。その後債務の罠で破産国家になった時、どうなったのか。別のマンガに描いてるはずですが、電子版しかないのでまだ読めてません。
いやー、しかし、予想以上によかったです。このマンガ。こんだけやりあって、まだスリランカ生活続けてるんだから、たいしたものだと(日本と半々)底の浅い嫌スリランカ流で終わらない。よかったよかった。以上