このシリーズは巻数が分かりにくいので、図書館の人も悩んだ末に、背表紙に巻数をつけることにしたようです。でないとじゅんばんに並べられない。しかしそれでも問題はすべて解決とは言えず、ややこしいのが、このシリーズはスピノフの短編集が二冊あり、番外編集はどう巻数をつけたらいいのかという…
第一部は作者あとがきがあったのですが、第二部はそれはありません。正直、第一部のオチを私はけっこう気に入っているので(英語で人格が変わるところまで含めて)第二部の解はちょっと眉唾でした。オチでいきなり二年後になってるし。で、第三部はさらに二年後で、27歳の中田くんが子持ちでスタートらしいので、どうなんだそれとちょっと思っています。舞台も横浜らしいし、スリランカを知るために読む100冊の中に入れられるのかどうか。
この小説はアニメや漫画もあるので、アニメはともかく漫画も読めばさらにスリランカを知るための冊数がカサ増し出来るかと思ったですが、まだ第一部の途中のようでした。しかし表紙を小説と同じ雪広うたこサンが描くのに中身のマンガはあかつき三日という人が描くという、それはいいのか一迅社、でした。レビューを見てゆくと、アニメはけっこうエピソードを端折っていることが分かりました。まんがのほうが原作に忠実なんだそうです。で、第二部はどうも原作ファンの中では不評もけっこうあるらしく、それでもこのシリーズは第二部なくしては成り立たないので、第二部までちゃんと漫画化してけさいというレビューもありました。小説と違ってマンガはビジュアルなので、細部まで描き込まねばならず、ザギンや高田馬場、町田ならともかく、クルーズ船とかラトゥナプラとかキャンディとかコロンボとかヌワラエリヤとか描き切れるものなのかとちょっと思いました。雪広うたこという人はたぶんふつうの人なので、そこまでの熱量はないのではと。南仏と香港は描けると思いますが、岡山とか、どうかな。ただこのマンガを描くのは雪広サンではなくあかつき三日サンなので、根性でなんとかなる気もします。第二部までマンガ化しないかもしれませんが、第一部でもモニカのダウリ―殺人未遂とかあるわけなので、そこまでやるのならあかつきサンが腹くくって描くしかないでしょう。がんがれ。
帯は「思いを秘めて、今日も宝石は輝く。第2部完結! 妨害の目的、加担の謎…"誰かを思う気持ち"が複雑に交錯する――! いきなり文庫!」
宝石商リチャード氏の謎鑑定 久遠の琥珀【アクリルスタンドつき限定版】 | 辻村 七子 | 集英社 オレンジ文庫
アクリルスタンドを同梱した予約限定生産版。限定版のみの書下ろし短編も収録! ※予約は終了しています。
カバーイラスト=雪広うたこ カバーデザイン=竹内亮輔(crazy force) 参考文献記載なし。
彼は覚えているだろうか。
富豪の少女オクタヴィアに、スリランカ随一の山岳リゾート地ヌワラエリヤのホテルへと呼び出された正義とリチャード。そこで待っていたのは、オクタヴィアとヴィンセントだった。ジェフリー、ヘンリーとも合流し、一行は力を尽くす。リチャードを何度も妨害してきたオクタヴィアの目的とは何だったのか。そして正義とリチャードの関係の行方は? 第二部、完結!

読んだのは二刷。

カバー裏の煽り文句はオチに通ずる文句です。
正直、前巻でかなりいろいろ整理されたし、これ以上新しい情報はもうイイヨ~と思ってたので、あとはラスボスのゴスロリ少女と最終決戦てきとうにしてけさいと思いながら読みました。エプスタインという人はどうなのか知りませんが、17歳というのはロリペド界隈では年増だと思いますので、引きこもりのお金持ちで天才が敵というのはいいんですが、ゴスロリでなくてもいいだろうと思いました。今ならゴスロリでなくぴえん系に設定変更してるかもしれない。ネタバレですが、ロリペド界はどうあれ、17歳がジジイと養子縁組というとまた違う話で、第二部不評のうちわけのひとつは、それかなと思いました。世界はもう大島弓子のものではなくなっていた。大島弓子ワールドなら、17歳がジジイと養子縁組ぜんぜんアリだったんでしょうけれど。
頁45、プランテーション風景と、ドアがロックされないスリランカの列車。中田くんの視点は好きですが、ロックされない列車の扉を開けて撮影したグラドルの写真集があるとは、中田くんでも予想出来なかったと思います。
stantsiya-iriya.hatenablog.com
熊澤風花という人の写真集も読んでみましたが、エロいわりにジェフリー・バワの設計したところで撮ったというのがどれかさっぱりさっぱりでした。上白石萌歌サンもスリランカロケのフォトブックをほぼ同時期に出していたことが分かり、そっちもジェフリー・バワに触れてるので、読んでみます。今年はこの後溝端葵という人もスリランカロケのグラドル写真集を出すそうで、しかし列車のドアを開けて撮影したのは、谷村美月サンだけではないかなぁ。そんな気瓦斯。誰かペルーで写真集のロケしないかな。
前巻はいろいろ引っかかって感想が進みませんでしたが、この巻はサクサク進みます。クレアモント家の執事ローレントサンがオリエンタルに対しナチュラルに無礼なところとか、紋切り型と割り切って読みました。
頁141
「(略)しかし我々はイングランドの人間なのです。そこにいる日本人ならいざ知らず、ドバイやオマーンやサウジに、故国や家族から離れて出稼ぎにゆきたいなどとは、つゆほども思っていないのですよ。(後略)
ホント失礼なしとです。ヴィンスは日本語がすごいので、「例のブツ」みたいな言い回し迄します。頁151。
オクタヴィアはゴスロリなのに、スリランカ・コロッケことロールスを美味しいと言って食べていたらしいです。頁164。カトゥレットもコロッケだと思う。せっかくヌワラエリヤを舞台にしたのに、ロールスの場面と、シンハラ語のテレビは、天気予報のあとに『今日の仏教僧の言葉』コーナーが始まるくらいしか活用されてなくて、残念閔子騫です。頁187のFPSは知らなかったので検索しました。
ファーストパーソン・シューティングゲーム - Wikipedia
頁181
「その、お嬢っていうのは何なの」
「日本語で『マイ・レディ』って意味です。やや軽めのニュアンス」
「それは前にも教えてもらったけど、どうして私をそんなふうに呼ぶの。オクタヴィアでいいって、一応言っておいたはずよ」
オクタヴィアサンは日本語は分からないので、ヴィンスは英語の中に「Ojoh」を混ぜてさべってることになります。金満少女に近づく妻子ある中国人青年。
頁188、デボラサンのファミリーネームが「シャヒン」であることが分かります。曙橋に同名のイラン料理店があることなどが分かりました。
シャヒンは、タカを意味するペルシア語: شاهين(シャヒーン、Shāhīn)に由来するトルコ語: Şahinの発音転写の一つ。シャヒーンと転写される場合もある。
Şahin-Radlinger posed nude for the German edition of Playboy magazine in May 2011, and became the first Turkish woman to appear on the cover of the magazine.[4]
(グーグル翻訳)シャヒン=ラドリンガーは2011年5月にドイツ版プレイボーイ誌でヌードを披露し、同誌の表紙を飾った初のトルコ人女性となった。[ 4 ]
However, Florian Boitin, the editor in chief of German Playboy, claims Sıla Şahin-Radlinger is not a Muslim,[8] saying, "Sila isn't Muslim. Her father doesn't belong to any [religion] and her mother is Christian. And the Playboy cover with Sila Sahin is not a religious statement."
(グーグル翻訳)しかし、ドイツ版プレイボーイの編集長であるフロリアン・ボイティンは、シラ・シャヒン=ラドリンガーはイスラム教徒ではないと主張しており、[ 8 ]「シラはイスラム教徒ではありません。彼女の父親はどの宗教にも属しておらず、母親はキリスト教徒です。そして、シラ・シャヒンを起用したプレイボーイの表紙は宗教的な声明ではありません」と述べている。
頁210で中田くんはデボラサンに会います。なんでデボラサンは日本語がさべれるんだったかな。そこを忘れてます。
頁198、高さ10cm、幅3cmの印象指輪というのが具体的にイメージ出来ず、検索しましたが、はかばかしくない結果に終わりました。同様の検索をした人はけっこういるみたいです。
頁245
スリランカのキャンディが、年に一番賑やかになるのは、八月のペラヘラというお祭りの時だ。(略)
さて季節は十月、そろそろスリランカは雨季に差し掛かってもおかしくないシーズンではあるのだが、ありがたくも晴れ渡った麗しい快晴の日。
この次の行まで読むと意図していたことが分かるのですが、途中まで何が言いたいのかこの文章と思いながら読んでました。
ネタバレですが、ジェフリーのステディはヨアキムという名前の、北欧系とアフリカンアメリカンの血をひく青年で、私はその設定を見て、内田春菊が『私たちは繁殖している』ニューヨーク編でそういうの書いてたなあと思い出しました。北欧系のネーチャンが黒人にコマサレて妊娠するも、男は逐電というニューヨークあるあるなんだとか。で、北欧にも帰れず、子連れで物乞いしたりする女性もいるとか。ヨアキムの背景にはそうした事情があるんだろうなあという。
頁250にマリアンサンが出ますが、メイドやってたから中華料理が出来るってことだろうかと思いながら読みました。華人は夫婦別姓なのに彼女は夫であるヴィンスサンの姓を名乗っていて、フィリピン社会では華人もパートナーの姓を名乗るんだろうか、それとも、渡米以降の同調圧力だろうかと思いました。『飛ぶのがこわい』のエリカ・ジョングサンは、ユダヤ系の姓だったのですが、中国系と結婚して夫の姓《鐘》を名乗ってましたですバイ。

同じページにおリチャママ・カトリーヌサンも登場し、ラトゥナプラだかキャンディだかのシャウル邸隣人が遠巻きに彼女を観察する場面があります。ぜったい「ピッスー」「ピッスー」と言ってたに違いない。

