『荒くれ漁師をたばねる力  ド素人だった24歳の専業主婦が業界に革命を起こした話』読了

荒くれ漁師をたばねる力 ド素人だった24歳の専業主婦が業界に革命

荒くれ漁師をたばねる力 ド素人だった24歳の専業主婦が業界に革命

あさっしんぶんbeで昨年秋、このしとの記事を読み、本を知り、
朝日新聞出版の本をbeで喧伝するなど、まごうことなきパブ記事じゃん、
と思い読んでみました。ボーツー先生坪内祐三とは関係ない、同姓人みたいです。

2017年11月25日03時30分 朝日新聞be(フロントランナー)
萩大島船団丸代表・坪内知佳さん 荒くれ束ね、新しい漁業へ
https://www.asahi.com/articles/DA3S13241412.html

あさっしんぶんの本なので図書館蔵書あるかと思いましたが、
県内のほかの、漁港のある自治体の分室所蔵本が来ましたです。

中退した外語大の名前を、プロフなどでは書いてないのですが、
頁17によると、「名古屋の外語大」だそうです。
離婚直後はそのツテで翻訳仕事などを回してもらって凌いでるので、
ちゃんと名前出せば大学も知名度上っていいと思うのですが…
なんでプロフなんかで大学名書かないんだろう。
恩師のほうから書くなと言ってきたのかな。なら分かります。

頁51の不治の難病認定(のちに誤診と判明)が生き方を変えたという、
その個所は分かる気がします。
あと、アレルギー体質も、天然ものの漁業に執着する理由として、
分かると思いました。私は、養殖必要悪派ですが…
天然資源は東アジア全国家漁業参入の結果枯渇必至ですので。

で、この本、長いタイトルもそうですが、見出しで釣って、
クリックさせるウェブニュースみたいな見出しがあって、
も少し誠実でもよかろーと思いました。売るための全力疾走。

例えば、頁59「マグロを頼んだのに、ブリが届いた!」
ここ、本文読むと、

頁61
 料理長とのやりとりでは「メジ」という魚を送る約束になっていた。おかしい。ちゃんと「メジ」は送ったはずだ。
「メジ」とは、萩大島ではブリの稚魚を指している。おころが、東京では「メジマグロ」のことを指していたのだ!

別にそんなオオゲサな誤発注誤入荷の話でもないと思います。
頁74、接待の飲みで肝臓壊す人の話は聞きますが、飲食店で、
その店の料理を注文して食べて、食べ吐きしながら営業のハシゴ、
という話は初めて聞きました。これ、本に書いたの読んで、
「俺の料理吐いたんかい!」と怒る板長さんもいると思うのですが…
こういうところも筆者の強引グマイウェイ路線。

船団が、Iターンのワケアリ若者を受け入れてゆく頁135、
採用条件は、「優秀だと見込んだ子ばかり」だそうで、
そして、ワケアリより、大卒の、一般企業のレールは堅苦しいと感じた、
若者のケースが多いように、記述見て感じました。難しい。

頁149「俺、マジ女の社長、認めないんで」
ここ、どんなに生意気なガキがいちびってこれを言って、それを、
作者がどう御すのかと思ってたら、生意気な冗談みたいな形で、
すぐスルーして、そいつがもともとワケアリだったこととか、
ずっと働ける奴でないと雇う上で困る、と最初にいっといたのに、
いきなりシチリア行ってイタメシ料理の勉強したいと言い出したとか、
で、それをオーケーしたとか、そういうとりとめのない話になってて、
ここもタイトル倒れかいっ!!!!と、ムッとしました。

頁139に出てくる『漁師とは』という本を読んでみたいのですが、
あまりにありふれた平凡なタイトルなので、どの本か、探しきれません。

頁141
「坪内さんは相手に自分の主張をぶつけるばっかりで、相手の言うことを聞いてあげていないでしょう? 押して押して押しまくっても伝わらないんだから、引いてみたらいいんじゃないの?」
 なるほど、と反省した私は、翌日小西を呼んで、自分が考えていることを正直に打ち明けようと思った。

結局ひとの話を引いて聞いてない。自分の思いだけ言ってる。

頁198、24時間子どもを預かってくれる保育園があり、そこのママ友が、
片腕やパートとして事務方で働いてくれて、それがチカラになっている、
という箇所は、同時に、若いチャンネーの作者と、船団の男のボスが、
デキテるんじゃないの? という風評被害は、なかったんかいの、
という読者の当然の疑問に対する回答になってると思います。
同性がたくさん味方にいる状況では、そうそう不倫とかなんとかの、
噂が出たり、おおごとになったりしない。あと萩の保育園素晴らしい。

頁201に、いつも息子と離れて育児が出来ていないこともあり、
要所要所で息子に学校休ませて出張に同行させる場面、
この辺も、うまくやらないと批判かまびすしいだろうけど、
うまくやってるんだろうなと思いました。

天然ものの漁獲量の激減データには私もうなりましたが、
私は、なので、養殖に力を入れない選択肢はないと思ってます。以上