『ママはぽよぽよザウルスがお好き みたび』"Mama Loves the Poyopoyo-Saurus the Third" by Aonuma Takako 青沼貴子 読了

デザイン スタジオ・ギブ

月刊育児雑誌「プチタンファン」1994年11月号から1995年11月号までの連載をまとめ、プロローグとエピローグ、「はみだし育児日記」「ジャック(飼い猫)のひとりごと」など描き下ろし多数。さらに1991年1月号に載った「ママぽよ」第一作・結婚編『そして私は人妻になった』をおまけまんがとして掲載。

部分。私はこの漫画家さんを読んでませんでしたので、本書の画風と『ペルシャが好きっ』の画風の落差をどう理解したものか迷い迷っており、ここで作者の変遷にロンドン・パンクス(ハシカのように皆感染した)があって、やっぱそうかと思いました。これを極めるとブレイディみかこ

本書で気になったのは頁108で、それまで、妹がきかんこで気が強くて、お兄ちゃんはおっとりしてバカ、いつもにこにこ笑ってるというイメージだったのですが、上の子も産まれた時から機嫌が悪くて、幼稚園に上がるころから親にガンつけてくる子になったという箇所。それまでのにこにこ笑ってるおおらかな描写から得ているイメージが崩れました。この子の行動はかなりアナーキーなので、それでも笑ってる顔でいやされていたのですが、実はいつも人を睨むような子だったというと、だいぶ印象は変わります。真相は、成人するまでの続刊を読めば分かるはず。

巻末広告にラズウェル細木サンの『パパのココロ』も載っていて、今でいう育メン、父親の家事育児参加は当時から母親たちの最大関心事だったようなので、需要はあったと思うのですが、帯の文句「パパのココロは娘とKISS!のハズだったのに……」は昨今インターネットで誰でも情報発信出来る時代になってようよう知れ渡って来た、人倫にもとる鬼畜多数を連想させるので21世紀的にはアウトでしょう。こんな文句つけて売れると思った時代だったんですね、この頃は。

全然関係ありませんが、閑話休題

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私が一回も観ていなくて、おそらく最後まで一回も観ないであろう『不適切にもほどがある!』のバブル考証は非常に秀逸だそうで、コメントを見ていると、その比較対象として阿部ちゃんとヒロスエが日立の金でホイチョイな『バブルへGO!』が非常に多くあげられていて、その最大公約数は「ジュリアナはバブルじゃねえって何回言ったら分かるんじゃ、バブルはハマラジャなんじゃ!」ほか多数ですが、「ぜったい遊んでる」ビーチクが黒(ry)三原じゅん子はいいとして、川島なお美の名前が出てきたそうで、ほろりとしました。おふたりのワイン飲み比べ旅行記『私のからだはワインでできてるの』も読んだので。上記の本に入ってるはずですが、自分の読書感想にはそれは一㍉も書いてませんでした。ガンで亡くなられたことも鑑みて書かなかったのかな。にんともかんとも、吉田ケンイチうじには困ったものでござるよ。ニンニン。ホイチョイビッグコミック今号のバブルまんがでも「やおい」を「ボーイズラブ」という21世紀用語に翻訳しちまってるし、よくないです。

読んだのが何刷か分かりません。書いてない。平成10年=1998年。

左のカット(頁32)もすごく好きです。こういう、ナインハーフ的な服(ちがうか)は普遍的価値があると思うのですが、今はお手頃価格だと肌触りがダメな質のものしか手に入らないから、それで廃れてるのかな。

このまんがを読んでいて何がいやされるかというと、横ストライプの長袖Tシャツとか、シャッシャッと丸ペンで線を入れたGパンの絵などがたくさんある点です。目がよろこぶ。

先日宮崎映画で見た吸いのみが出たこま。頁35。このまんがは時々昭和で、そこもいいです。で、このまんが、家族の誰かがインフルにかかっても、隔離したりしないんですよね。でも家族全滅にならない。一室に隔離出来るような居住空間かどうかは分かりません。一週間の献立の話(頁47)を読むと、まだコンビニ弁当が一般的でなかったのか、コンビニ弁当が出ません。

①実家の親が来て作る ②店屋物。出前 ③ほか弁。総菜 ④ファストフード ⑤レトルト ⑥❼週末は自炊で一汁三菜くらい作る。

共稼ぎだからこのエンゲル係数に耐えられる。ふたりなら。

この巻から「板橋マダムズ」と読まれる青沼サンとママ友たちの交流が書かれ始めます。頁3、旅行地の貸別荘、バンガローを借りて夜更かしして、ルールは知らないがてきとうにマージャンやったりする。点数も何もてきとう。また、頁72、子どもを寝かしつけて部屋もかたしたあと、さそいあわせてカラオケに行って、歌う。冒頭はユーミンZard、徳永(英明)の名前が出ますが、後半は演歌大会。その辺も昭和。

頁58。本好きな親は必ずこういうことをする。ザッツ刷り込み。

頁54

自分の子どもがヨソの子に比べて足が速いかどうかなんて初めての運動会まで知る機会はない

幼稚園の運動会はその子のこれからの運動会人生をそっと暗示しそうな気がする

ここは、読んで腕組みしてしまいました。青沼サンも「ダーリン」も、運動会の前の晩はうれしくて眠れなかったタイプだったそうで、親になって初めて運動が苦手な子の気持ちを理解したという…

頁50。子どものアトピーの原因が飼い猫であると医師に診断されてしまい、なくなく猫を実家送りにするが、猫と離れた子どもが泣いて泣いてせがむのでもとにもどしたという話。その後はアトピー発症しなかったとか。ふしぎな話です。アレルギ―という言い方はまだ、してません。

妹の幼稚園の先生がよく出るようになり、頁85ですが、ふつうです。22歳ですが既婚者で、そのせいでふつうに見えるのか(偏見) 兄の幼稚園の先生、父母より年下なのに先生なのよこのコ、みたいなあの先生は141に出ます。ひさびさに見れてよかった。

この巻のメインは七五三の話で、上の子が五歳、下の子が三歳の時まとめてやっつけてます。寺社仏閣と写真館別々に予約を入れて貸衣装も手配とか複雑なアテンドを忙しい両親が遂行するには難があり、結婚式場の七五三お任せプランに丸投げします。会食つきで、そこで鯛のカブト煮が出て、子どもたちはアラの中に小さなタイの形の骨があることを親戚のオジサンに教えてもらい、以後夕食メニューに兜煮を要求するようになったという(魚のアラしか買わせない家計の鑑の子)

ほかの家族オススメビデオはみんな知ってましたが、これだけ分からなかった。頁66。

四季折々、四ページ、写真とイラストの合成があります。上は夏。頁40。部分。すばらしい。

冬。頁80。一面の銀世界。いいまんがだなあ。以上