『セクシー田中さん』"Step of Sali" 【第15幕 底なしの優しさ】前編〈ACT 15: BOTTOMLESS KINDNESS〉front part. by ASHIHARA HINAKO 芦原妃名子(姉プチデジタル 2024年1月号)ANE PETIT DIGITAL 読了

⑦巻の感想をまだ書いていませんが、続きが読みたかったので、電子版を買ってみました。したっけ、これ一冊でおしまい(著者絶命)でなく、2月号にも載ってるようなので、517円をあともう一回投じなければならないようです。

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「姉プチデジタル」は、紙版の「姉系Petit Comic」をデジタル専用に再編集し、紙版の1号分の作品を2号に分けて、毎月8日ごろ配信中です!

私は、田中さんが三好さんとつき合う展開より、三好さんの配偶者の設定が大いにアレで、「なんだよ、『セクシー田中さん』が『東京都北区赤羽*1になっちゃったよ、中延とか荏原とか品川女子とか目黒女子とか世田谷女子とかやってるからだよ」と毒づいていました。不倫じたいはレディコミ(死語でしょうか)の華なので何も言えませんが、ぼかしてはいるけど婚姻ビザ目的のようにも読める点はどう読んでも、だめだおとしかいえない。編集なぜ許したとまで思ったです。

フットボールネーションでよく分からない整体だかストレッチだかヨガだかの動画サイトが取り上げられていた時とどっこいどっこいのニオイがしたです。

あるいは、海外の日本人を取材したビッグコミックの連載で、単行本に唯一収録されなかったベトナムホーチミンドラえもんカカという店。おそらく無断でドラえもんを使ってる店の件。連載時は編集も深く考えず掲載したが、単行本化に際して、ヨゴレなので掲載見合わせの件も思い出しました。小学館に限らずですが、ときどきこうした、現場の編集者は良かれと思ってやって、読んで( ´_ゝ`)フーンなことがあります。ホーチミンの件は、単行本時に収録されてないかったので、なんともいえなかった。私は何故かこの店のオープン時サイゴンにいて、当初の店名「ワッカンカウ(飲み過ぎて勃たないの意味)が公安にロックオンされて営業許可が下りず、「クアンカカ」という名前でオープンしたのを覚えています。あんなおやじ(北関東のマンションオーナー)よく取材して載せようと思ったなと。

…話を戻すと、やはり続きを知らずに一方的に断定するのがはばかられていたので、それで⑦巻の感想を書いていなかったです。続きの連載を読んでみると、はたしてその件の深掘りが、これでもかとまでは描いてませんでしたが、まあまあ描いてありました。

①進吾はこの回も出ません。

ノンブル12のOLが、ダーティ松本エロマンガキャラのようにムチムチで驚きました。

三好と付き合うことに決めた田中さん。彼は私の「踊る理由」の全てだから。だけど… これってやっぱり不倫!? 

上は、カラー見開きの編集煽り文句。連載時のレイアウトを見ると、編集さんを見る目が変わります。愛があると思った。

Step of Sali

毎回表紙に英題入れてたんですね。ちょっとここは泣けた。

③突然会社同僚(初登場)の不倫経験がどばーと語られるわ、田中さんも事務仕事でケアレスミスするわで、素晴らしいと思いました。「クズは皆そう言うんだよ」(17)は我が意を得た思い。

24 クラハシのデート指南

あの…
もしかしたら余計なお世話かもしれないんですけど
こういうのって
流されても流されなくても
どっちでもいいと思うんですけど
「もうお互いいい大人なんだから」とか
「なんとなくそういう空気になったから」とか
「断ったら嫌われちゃうんじゃないか」とか
そういうの 考えなくていいですよ
どんなに好きな相手でも
自分が「何か今は違うな」って思ったら
「ノー」と言っていい

⑤頁33から34で、私も危惧してることを三好さんの友人の弓岡さん(このキャラもOL同僚同様初登場)が田中さんに忠告します。ペルシャ料理のシェフ「オムさん」(この人も初登場)に一度三好さんは裏切られていて、別居中の妻も「やたら結婚したがってた」

関係ありませんが、ベリーダンスの先生(名前が出ないままでしたが、いずれ出て、実は愛子先生の娘でしたとか出たらそれはそれでと思ってます)と三好さんって、ツーショットの画面が一切ないと私は思っていて(記憶違いかもしれませんが)過去に悪い意味で何かあったのか、いい意味で何かあったのかと思っています。でも同じ業界で同じ空気を呼吸しているので、スルーで生きていくしかない。誹謗中傷合戦で互いに疲弊して窮しても意味ないので。とある女子会とケサル馬鹿一代の人の抗争を見て思ったこと。

⑥三好さんは味オンチなんだとか。喫煙者でもないのにな。

⑦街の画像からギロッポンのどのへんか推定出来る人は出来るのでは。

⑧三好さんは裕福なのではないかと、日銭商売の飲食業なのに毎日飲み歩けたりする点や、マンションにパラサイト夫婦の居候がいるあたりから類推推理。だからオーナー店長やれるのでは。仕込み等は、オムさんというペルシャ文化圏の人に、裏切られて店の金持ち逃げされても一任。一見美談ですが、弓岡さんの指摘の通りなので、三好さんがいない時間店の空気がすごく悪くなってたりするかもしれません。よくある話なので。南林間のパキスタン料理店(すでに閉店)もそうだった。インド人の料理人だけの時間と店主滞在時の落差が大きく、かつまた、女性店主とインド人男性の料理人二人っきりの時間が長いのもそれはそれでどうかという。

実は私は、三好さんがお金を持っていて、しかもその金は元は配偶者から出たもので(三好さんもちょっとは増やした)配偶者が、別れるのなら返せとか言ってる説をとったらどうかと思ってました。つまり、裕福な配偶者とかつては若かったツバメ説。こういう想いがつのると原作を改変したりするのかなあ(ちがう)

⑨①進吾はこの回も出ません。

いよいよクライマックス突入! 芦原先生書きおろしのドラマオリジナルストーリーも見逃さないで! ドラマ大ヒット放送中!

これも表紙の、編集者の煽り文句。単行本⑦巻での作者のドラマ告知の一文、〈まだまだ連載半ばの作品なので、賛否両論あると思いますが キャラやあらすじ等、原作から大きく逸れたと私が感じた箇所はしっかり修正させて頂いている〉〈物語終盤の原作にはまだないオリジナルの展開や、そこに向かう為の必要なアレンジについては、あらすじからセリフに至るまで全て私が書かせて頂いてます。恐らく8話以降に収録されるはず。〉を踏まえた煽り文句であることは論を待ちません。

10月15日初刷の単行本⑦巻(12月8日発売の一月号はそれを踏まえた番宣アピール)で上記のようにハッキリ経緯が書かれているのに、12月24日に脚本家が自らのアレンジに起因する事態であることをおくびにもださずに「過去に経験したことのない事態で困惑」「残念ながら急きょ」「苦い経験」「どうか同じことが二度と繰り返されませんように」とインスタかなんかでおくめんもなく発信したのはとほうもないと思います。

周知の事実として、1月26日に原作者はSNSであらためて経緯を説明してるわけですが、ここで致命的なミスというか、10月15日初刷の単行本⑦巻で、8/31付で、自分がさいごのほうの脚本を書くこと、そしてそれは何故かを、もうすでに説明してることを一行も書いていない失策をおかしています。ここで書いておけば。

脚本家がクリスマスに文章をあげてから、一ヶ月経ってようやく反論したのも、単行本迄読んでくれればおのずと分かると思っていたのが、誰も単行本に言及しないので、再度公言する必要に駆られた迫られたわけで、単行本のエッセー欄ですでに言ってますという一文を抜かしたのがなにより残念です。そして自裁

逝去後少し経った2月8日に越川美埜子サンでもある脚本家が「初めて聞くことばかり」「言葉を失った」とSNSで発信した同時タイミングで編集部が下記をあげて、八月時点、十月時点で情報は既に出ていたと言ってくれていて、助かりました。私もそれを読んでいろいろ知ったです。マンガも読んでみようかと思った。

作家の皆様 読者の皆様 関係者の皆様へ | プチコミック 公式サイト|小学館

下記は全く同感です。

b.hatena.ne.jp

「『初めて聞くことばかり』というのは、あんまりじゃないか」

(略)

単行本も読んでなかったのかもと思うと、力が抜ける」

以上

【翌日追記】

(1)

編集部の2/8発信は、なぜか叩かれたりもしていたのですが、私としては、10月15日初刷の単行本⑦巻で、8/31付で、作者がすでにこのように述べていたんですよと江湖に周知させた意味が大きい、功績大と思います。私は自裁のあたりで本件がようやっと視野に入って来たのですが、これで、読んでみようと思った。編集部としては、作者と二人三脚で作品を作って来た人が、ここでその想いをようやく吐露出来たと思う。なぜ誰も単行本⑦巻読まないんだと。読んで作者の公言に触れないんだよと。よくここでそれを指摘くれた、ありがとうと赤心の謝辞を呈します。

(2)

私は脚本家の人は、山本おさむ赤狩り』に出てくる実在の米国脚本家のように、別名義で仕事する、あるいはほかの脚本家の作品として自作を発表するしかこの窮地をしのげないと思っていたのですが、もうすでにそうしていたそうで、其れもネットにあがっていて、アーソウデスカと思いました。

www.youtube.com

(翌日)

【後報】

41の冷蔵庫のビールが、すべて麦芽100%のラガーなので、麦芽100%というとモルツかエビスだが、どちらもラガーかどうか知らないので検索しましたが、どちらもあまり前面に出して歌っていなくて、しかもプレモルとモルツでちがうようなことを言ってるサイトもあったので、分かりませんということにします。しかし、狩撫麻礼の伝説の冷蔵庫みたい。

また、電子版2月号収録の話が、同じ15幕だったので、感想タイトルを前後編としました。

(2024/3/25)