『散歩する侵略者』 (角川文庫) 読了

散歩する侵略者 (角川文庫)

散歩する侵略者 (角川文庫)

映画も観たので、読んでみた小説です。戯曲なのか小説なのか、
まずそこが分かりませんでしたが、戯曲を劇作家本人がノベライズの由。
2007年メディアファクトリー刊の単行本に加筆修正文庫化との由。
カバーデザイン/鈴木成一デザイン室 カバー写真/オノデラユキ
Yuki Onodera 目次なし あとがきなし 解説は映画監督黒沢清

文庫巻末の、ほかの本の広告が下記で、ひとり異質なものが紛れ込んでると、
思いました。

荒俣宏帝都物語/有栖川有栖/綾辻行人/泉鏡花高野聖/いしいしんじ
角川文庫発刊に際して、が、いまだあるのがいいですね。
http://ir.kadokawa.co.jp/company/idea.php

2017-12-23映画感想
http://d.hatena.ne.jp/stantsiya_iriya/20171223/1514046104

だいぶ映画と違いました。映画観た時、こんなハッキリ侵略せんでも、
そんで、侵略の成否ハッキリ書かんでええに、でも原作がそうなんだから、
そうせざるを得なかったのだろうな、と思いましたが、原作アイマイでした。
ちゃんと書いてなかった。その辺、やっぱり「気分」を優先する、
現代に支持される演劇なのでしょう。なら映画も追随すればよかったのに。

映画は長澤まさみなので勝手にしぞーか遠州三河と思ってましたが、
小説だと日本海だそうで、そんで米軍とか自衛隊がいっぱいいるそうで、
最初敦賀かと思い、その次は田母神アパホテル能登と思い、その次米子、
そのどれかだろうと思いました。地元民なら分かると思いますが、分からない。

頁10で鯉の甘露煮を初めて食べたのは真ちゃんと行った長野旅行、
と書いてあり、佐久だなと思いました。私はまだ食べたことありません。

頁23の、真ちゃんと呼ぶ行為については、映画監督も、
映画に入れるには云々とちゃんと断ってますので、理解しました。
でも私は音波で聞いてたので、ひらがなの「しんちゃん」だと思ってた。

頁26、映画だとホンダはホンダでも軽でなくFITだった気がします。
そう、ホンダだったからしぞーかと余計思ったんですね。映画。
日本海でも、マツダじゃないなら、中国地方じゃないかな。

映画のしんちゃんは松田龍平なので松田龍平キャラになったが、
原作の真ちゃんは能弁である、とパンフにあったのですが、
戯曲は知りませんが、小説はそんな能弁でもなかったです。
ただ、頁187の、客観性ということばは、社会性の間違いじゃいかと思います。

映画のラブホは長澤まさみがむんむんして横腹見せてますが、
小説だと鳴海はセックスするつもりなしです。宣言してる。

で、小説だと、鳴海は桜井と対立します。

頁182
 鳴海は桜井の、自分の意見が正論という姿勢がいちいち癇に障った。

そういえば、小説は神父の場面もない。しんちゃんが神父から、
奪おうとして奪えなかった概念(神父の内部はそこが空洞だった)は、
神だったか愛だったか。

sinryaku sitemo sinakutemo jibun no koto taisetu ni site hosii yo...

ホットロードならこう言えばおわりなんですが。侵略は難しい。以上