『七つ屋志のぶの宝石匣 (3)』(KC KISS) 読了

年末大掃除発掘シリーズ 

七つ屋志のぶの宝石匣(3) (KC KISS)

七つ屋志のぶの宝石匣(3) (KC KISS)

 

 読んだのは初版。装幀◆関善之(ボラーレ)

初出は「Kiss」2016年1, 5, 8, 10月号。四話。このペースで連載してて最新刊が八巻になるのはへんなので、どこかでペースアップしてるんだなと。

最初の話は、男性は鉱物に魅かれると、前巻のカバー折で筆者が書いていたのはこのことかと分かりました。鉱物と書くと、マンガンとかクロムとか錫とかニッケルのことだと思われるかもしれませんが、もっと希少なやつです。

次の話。デパートの外商、こんなに売れたら店舗いらないから、相模大野の伊勢丹もなくなるのかも。思うのですが、デパートの外商って、ハリカとか、シャディ・サラダ館とか、ディノスとかとはまた違うんだろうなと(そりゃ)

ハリカ - Wikipedia

シャディ - Wikipedia

ディノス - Wikipedia

この話に出てくる、「千里子」という名前の、セレブだが農業や園芸の現場が大好きで、太眉毛でそばかすで日焼けにも枝毛にも無頓着そうでいて、実はゴージャスというおばさん(五十歳。優秀な財閥後継者を既に産んで大学まであげた)のブランドが、全然分からないながらも、すごいんだろうなと思いました。

・作業着のシャツーフレンチリネン

・英国王室御用達ブランドエプロン

(検索結果に、無地の、汚れの目立たない濃い色の園芸用のが出ません)

・プリアーズ手袋

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ブーツは、漫画や価格コムでは「ルシャムー」楽天では「ル・シャモー」"LeChameau"

(検索結果は、"Briers"が出ます。そのまま出せなかったのかどうかは不明)

・長靴は「ルシャムーランドブーツ」

・房州鋸

kotobank.jp

・お取り寄せ五寸釘

作者もバブルの残党兼農家嫁ですので、この手のことにしても、すぐブランドのことに目がいったんだろうな。「家の光」には絶対に出てこない、無駄遣い嫁と言われようとモチベを保つ必須アイテム。 

トレンドの女王ミホ(1)

トレンドの女王ミホ(1)

 

  このデパートのデパ地下には、えび天入りねりきりあんこ「エビあん」を出す「麻央」という和菓子屋が入っていて、志のぶはこれをいいなづけのクレカで三十個買っていますが、そんな和菓子や和菓子店は検索で出ませんでした。てゆーかクレカの名義人名音波で読み上げていいのか。

十一話。「置き込み」知らなかったので検索しましたが、辞書サイトでなく、実際の質屋さん(非チェーン)のブログがわんさか出ました。

頁112

※偽物、コピーなどの価値のない品物を質屋に持ち込み、あの手この手で本物の品物であるように騙して引き取らせようとする詐欺行為のこと。

 それと高価買取の店の話。チェーンでない商売敵だったので、潰れて終わりですが、チェーンだったらどうなっていたのか。都内の、まだ生きてる商店街には、必ず高価買取の店が入っていて、漢語も書いてあったりすると思います。ハングルは、見ない。

 同時進行で、老舗の貴金属店が高齢化で店たたんだ後、係累の若者が、ナシゴレンとガパオとネパール風カレーをランチで出す、観葉植物と自転車とボンゴが店内にインテリアとして置いてあるオープンな店を開業するのですが、そういう店って、誰か金主とか従業員にレクチャーする黒子とかいると思ってたので、よく分かりません。

最後の話は、トランプ大統領みたいな外見の人が出ますが、2016年なので、まだ彼の本質まで写せてないのか、そこまで深く踏み込むと面倒なので、浅瀬でとどまって遊んだのかって感じです。 ストーリーの根幹にかかわる場所なので合宿会議して、作者だけ途中から記憶がないそうですが、子どもの友だちとかその保護者、ママ友なんかも意識して、鼻割り箸の泥酔キャラみたいのはさすがに出してませんでした。出す必要もなし。

以上