ビッグコミック増刊号を買ったら、表紙が単館系映画としか思えない映画の主演女優さんで、なんだべと思って検索したら、この映画は新宿澁谷で乙女のハートを鷲掴み、毎回満員御礼の映画だそうで、カンヌで批評家賞だかなんかを獲ったとのこと。この女優さんも「不適切にもほどがある」で80年代ヤソキー娘を演じて全国のジジイのハートを鷲掴み、クドカンしてやったりで、今現在売り出し中の女優さんなんだそうで。それで一ツ橋グループのマンガ雑誌の表紙になったみたいです。それだけならこんな急いで観なかったのですが、下記の理由で見ました。
(1)
主演女優も監督もアジアダブルで、監督は母親が中国人で本人も中国留学経験あり。ということで、ちょっと検索すれば中国のどこ地方かすぐ出るかなと思いましたが何も出ませんでした。東山彰良サンが直木賞とった時は検索で吉林工業大學留学と分かりましたし、出版社の人から教えてもらって、台湾外省人の父君が九州の某大学に奉職されていることをサクッと知れたです。また、宇野康秀サンの伝記を読んだときについでに調べたら、台湾人だと思っていた有線の祖が、新安商人の系譜だと知れ、ほほうと思ったです。しかし今回山中瑶子サンの母親と留学先を調べようとして、全然分かりませんでした。百度なら出てくるかと思ったですが、今のところ記述なし。
《傲桥少女爱作战》"àoqiáoshàonǚàizuòzhàn"は主演女優サンが高校時代監督にホレて「私を使ってください」と手紙を送ったきっかけの映画「あみこ」*1の中文名らしいのですが、今回のカンヌ関係の中文ニュースや第26届上海国际电影节の報道*2では《Amiko》になっています。いましろたかし原作で「苦役列車」の山下敦弘監督「化け猫あんずちゃん」*3も同時に出品されててオカシカッタ。
(2)ラスト、中国の親族がテレビ電話*4で主人公に漢語で話しかける場面があるそうで、中国語が出来るはずの観客がそこの中国側のセリフを聞き取れなかったなどのSNSが見つかり、私には聞き取れるのか、丸出駄目男なのか、是非とも知りたくなった。
などの理由で見に行きました。事前に検索しまくって上記(1)(2)を調べようとして出来なかった副産物として、やたら監督についてのよけいな雑学知識がついてしまいました。インタビューのたんびに別の映画の名前をあげているので、そうやって人を惑わすのが好きなのかと思ったり(主人公と同じ?)三年脱毛エステに通って資本主義の搾取にドップリはまったと思ったそうなので、大学から日本に来て大学教授になった母親は経済学かしらと思ったりしました。長野市周辺で大学教授の中国人ということで、すぐ見つかるかと思いましたが、それなりに何人もいらっしゃるので、どの人か分からなかった。
日本のIT企業はどこもそうですが、インド人在職率がとっても高いニコタマ楽天タワー。水曜割引デーに午前上映で手近なところということで、ここに行きました。レビューではジジイが見て☆一つとかそういうのが多くて、新宿でルーギャーに熱狂的に支持されるのと同じ感想を自分が抱けるのか、全く共感出来ずうるさいことを言うDISりジジイに自分が一人追加でカウントされるだけになるのか、見る前はとても不安でした。ルーギャー受け映画を見るのは、「愛がなんだ」*5以来でしょうか。
観客は二十人前後。十代若者三人組がいて、珍しいなと思いましたら、終映後「クソ双極性障害」などと吐き捨てながら外に出ていましたので、家族にそういう人がいて、苦労してるのかなと思いました。
日本版ポスター。徹頭徹尾ネタバレで書きます。言うのが遅いか。
主人公が胸を出しているという情報も事前に得ていたので(しかしその時は濡れ場だと思っていた)オナクラクンに「21歳のオッパイ見てくるよ」と言ったら「23歳ですよ」とすぐにスマホの検索結果を見せてくれました。彼にとってはその2歳差はとても大切なのかなあ。予告のアメリカ映画「シビルウォー アメリカ最後の日」を見ながら、これが中国を舞台にした《内战 中国最后一天》だったら絶対上映されないだろうなと思いました。
(a)
で、始まったら、舞台町田ジャナイデスカ。いきなり主演女優さんがJR側の丸井のペデストリアンデッキをパリオのほうに疾走してゆくので、大笑いしました。アホか。どこが東京に生きる女性たちの苦悩やねん。町田やないか。もう笑いが止まりませんでした。ドソキの向かいのバスターミナルも出るし、不動産屋の元カレが土下座する「まちだほいくえん」のあたりなんか、私は行ったことないですが、町田最古の馬肉料理の店があるところらしいですし、タイ料理店も三軒くらいある近くなので、それでプーパッポンカリーかと思いました。ミニクーパーかなんかの「八王子501わ1058」のナンバープレートがモロだしなのはどうかと思いますが、レンタカーだから、どうでもいいのか。町田は八王子ナンバーでなく多摩ナンバーです。
(b)渋谷の先の青山の246で抱き合って男はタトゥー入れて女は鼻ピアスという、身体改造という形で双方の愛を交換して、「お互いに高めあって行こうね」なんて言うシーカレがクルド系否インド系に見えてしかたなかったです。あるいは伊藤沙莉の兄のオズワルド。元カレのほうがごっついので、役を逆にしたらどうかとちょっと思いました。が、ピンクのワイプが映画バービーの影響を無意識に受けているのかもという指摘同様、コナリミサトの「凪のお暇」実写ドラマの無意識の影響だったら面白いという話鴨しれません。「凪のお暇」実写ドラマでは、高橋一生がゴンちゃんやったほうがいいのではという事前評が放映後に見事に覆された。なので、この映画の今カレと元カレの配役は、最初は顔だけ見ると逆だろうと思う印象が、結局薬局これでよかったのだというふうに覆されるのかと。だいいち、元カレ役の人だとウェイト差が大きすぎて、マジころされるので、あんなにつっかかっていけない。
(c)事前にいろいろ見ていたインタビューの中で、ピンクの場面に関連づけて監督が中国の《小粉红》について話を振るところがあるのですが、司会も主演女優もアウトオブ眼中で、まったく話に乗ってこず、これがこの映画の伏流、暗渠、地下水脈としての砂漠だと思いました。こんなに孤独な話も、そうそうない。
山中 (略)そして、実は中国語ではリトルピンクと書いて「小さな共産主義者」っていう意味の単語があるんです。
河合 米倉さんは、その頃ジムに通っていたんですよね。
こんなに露骨に話をそらさなくても。"xiaofenhong"はこわいですよ。日本ではさすがに日本人にいきなり南京アトロシティーの話を振ってくるようなことはないですが、天安門事件はなかった、現場にいた人がそう言ってる、自分はその動画を見た、くらいのことはまず言ってくる。で、日本社会の中でも台湾人の場合はもっと大変で、「台(独)」みたいなことを言ったりなんだりするともうロックオンで、陰に陽にいやがらせが始まるとか始まらないとか。こういうのはある意味中国オタのあいだでは基本のキなのですが、ここまで無関心にそらされてしまうと、監督も、ああやっぱりふつうの日本人はこんなもんなのね、と思ったでしょう。
長野市出身の監督にも忘れられない光景であったろう、北京五輪聖火リレーを長野市でやった時に、歓迎で日本全国からバスで動員された中国人留学生たちと、フリーチベット東トルキスタンなどを唱えたネトウヨとが一触即発の場面。ネトウヨ勢は警官が路上規制する前に、ピケラインの内側の建物に前泊して登場したとか。左寄りの市民団体は別途聖火ランナーのほうに伴走していて、福原愛サンの前に在台湾チベット人男性が飛び出して、数にまさる留学生たちが五星紅旗に包んでボコった場面にいたりしたそうです。
今はなき長野駅前の築山を平成の二百三高地よろしく両者が頂上占拠争いをして、中国人留学生組が勝利する場面。
その後警官隊が築山から両者を排除して、入れないよう円陣を組むの図。今はこの築山は撤去されて、長野駅前に行ってもアリマセン。右はオマケで、同年コキントーサンが奈良の橿原かどっかに来た時に、京都から野次馬で見に行ったら、ここにも反対のデモ隊がいましたの写真。この時、柳生からバスで行ったのですが、同じバスに中国人留学生の女の子ふたりと引率のような中国人男性の三人組がいて、気にもとめてないかったのですが、胡錦涛を一目見てやろうという野次馬やデモ勢が警察のピケラインから中に入れないのに、いつのまにか同じバスの女の子二人が規制線の中に入っていて、胡錦涛に花束を渡しているではないですか。くちをあんぐり開けていると、脇にいた引率の男性がこっちを見て、目線をあわせて、ニヤリと、なんともいえない勝ち誇った笑いを見せて、立ち去ってゆきました。政治の世界は奇々怪々、オバケばっかしとその時ホントに思ったです。中国にいてこういう人が近寄ってくると、その後なぞの逮捕拘束とかされてしまうんだろうな。
(d)今カレと主人公が暮らすマンションの位置はよく分からず、緑が多いことと、京王バスなので京王沿線かなということくらい。オートロックなのにセイタカアワダチソウなどの雑草が生え放題で、2023年にこれはヤバいと思いました。今年なら猛暑なのでしかたないのですが。
(e)冒頭の喫茶店で、アイスコーヒーを頼んだのにアイスティーが来て、それには何も言わず紙ストローにだけ言及しているように見えました。映画を見る前にネタバレ含む相当数のコメント、レビューに目を通していたため、のんびり中居くんの「ノーパンしゃぶしゃぶ」について書かれた箇所にも目がいっていたのですが、レビューだと現在進行形でノーパンしゃぶしゃぶがあるように書いているものもあって、ちゃんとせりふで「昔、ノーパンしゃぶしゃぶってのがあってさ、今の世の中はノーパンしゃぶしゃぶとナントカに分けられるって言ってもいいのかと」という言い方をしているだろうと思いました。ちゃんと過去のものだと識別したうえで話してるのに、現存する風俗店と誤解するとは何事か(でも実は今でもあったらどうしたらよいのか)レビューはほかにも精神疾患精神疾患と連呼しすぎなものもあって、投薬せずカウンセリングだけなのにそんな簡単に最初のピラミッド堀部圭亮みたいな診察してしまっていいのと思います。投薬なしでコントロールしてるのなら、適応障害程度の病名ではないでしょうか。そこをわざと断薬させず処方箋薬のスリク漬けにして廃人にしてしまう点数目当ての医者も世の中にはたくさんいますが、そういうのにあたらなくてヨカッタデス。主人公が「病名は必要」と言うのはとても理解出来ます。人はカテゴライズされると安心する。自分が何者か分かったような気がするので。主人公の苗字が「みやま」で、「みやま」という双極性障害の人には現実にも出会ってるので、監督も同じ人に会ってるのかしらとふと思いました。
(f)監督が挙げる映画はたいがい見てないのですが、ロウイエくらいはさすがに見ていて、冒頭の脱毛エステの場面は「ブラインド・マッサージ」*6のオマージュのようなシーンでした。監督はかつて過大に広告してた時代の脱毛エステに恨みがあるようで、初回のみ格安のやり方とか(ディアゴスティーニのようだ)キッズ脱毛とか、手の甲に毛が無ければ指毛を脱毛すればいいのよ、みたいな、名案の逆の案を名案のように言うテクニックとか、エステでなく医療脱毛に行くべきとか、伊丹十三の霊が監督に乗り移ったのかと思うような面白さの連続で、よかったです。
- オナクラクンも指毛脱毛してます。日本では毛深いと言われる地方(南方)出身ですが、指毛気にするよりもっと大切なことがあるだろう。
- 本作のDISりレビューの何割かは、美容関係者かもしれません。そう考えるとしっくりくる。
- 過度な脱毛の広告に規制が入った後で大々的に暴露するわけで、石橋をたたいて渡るやり方というか、おかみが鉄槌を下してくれたので、追随して叩いても安心という考え方だと思います。計画生育、一人っ子政策がなくなったあとでそれを糾弾する映画*7がたくさん出たな、とふと思う。二人目の子どもをおろさせた職場の風紀委員みたいなしとが死ぬ間際に、「今はお金があるから、あなただって子どもが産めるわ」と言う場面は泣けました。と同時に、日本のドラマなら「あの時はああするしかなかったの、ごめんなさい」と絶対に謝るのにな、と思いました。謝らない。
(g)本作も日本人はすぐすみませんと言う、というせりふがあったりします。TOHOシネマズの舞台あいさつで、TOHOシネマズにかかるような映画を作ってたつもりではなかったが、かけてもらえてよかった的なあいさつがあって、その通りだと思いました。もともとは編集してみたら170分になってしまった映画だったそうで、削って削ってこうなったとか。タル・ベーラじゃないんだから、そんな長い映画作ってどうするつもりという。《铁西区》「苦い銭」*8の王兵みたいな監督になりたいのかもしれなかったりして。中国当局の検閲を受けない映画は中国映画じゃないから、俺の映画は中国映画じゃないとうそぶく男。
(h)映画を見てる最中ずっとガラムくさかったです。匂い迄感じられる映画ではなかったはずなのに。この映画は岩井俊二のチイファ*9の逆で、「中国で撮らない中国映画」なんじゃいかと思う時がありました。主人公が実は今カレのスリクでOD、おかしくなったのを、そのまま描くと検閲に触れるので読者が行間を読んで判断出来るような演出を試みた、など。渓谷で吸ってるのがリキッドで、虫がいるとバンバン叩いて、ピアスで、タトゥーで。途中まで、「中国で撮れよ」と思いながら見ました。
入口のモギリの人がくれたオマケ。今カレが入れるタトゥーの絵柄。これを配ってるということは、新宿や渋谷からその私鉄沿線にかけて、「あたしを好きならこれを右腕に入れてよ!」みたいな痴話げんかがあちこちのアパートで夜繰り広げられたのかと。監督も首かどっかに墨入れてるらしいですが、その画像は探してません。
(i)主人公はオッパイだけでなく、パンチラのサンビスカットもあります。縞パン。胸は、このような場面で出すような場面でないので、見ては悪いと思って、窓の外とか見てましたが、ひょっとしたら、加工画像だったかもしれません。乳首や乳輪はリアルそのままではないかも。世界のハルキ・ムラカミの『納屋を焼く』をもとにした韓国映画「バーニング」*10に女性がトップレスで踊る場面があり、まったく揺れないのでCGだろうと感想に書いたことがあります。レビューには立位があると書いてるのもありましたが、着衣だから立位じゃないだろう、両方ともパンツ履いてるのにどうやって挿入してるんだ。そこだけ穴開いてるのか。あれはケンカ。ケンカなのに足を相手の腰に巻き付けてるのは、ズバリチャウ・シンチー「喜劇王」*11のセシリア・チャンへのリスペクトです。ウィニー時代の元祖画像流出女優。
(j)その少し前のケンカシーンは、崔洋一「十階のモスキート」で内田裕也が婦人警官(役の女優さん)を強姦するシーンのパロディ。アパートの室内をロングでずっと撮ってて、その中を二人がケンカしながら這いずり回る。どう考えても十階のモスキート。このケンカは、中国人男女のケンカに非常によく似てると思ってます。邦人や韓国人なら、もっと男が手加減せず女を殴る気瓦斯。
(k)唐田えりかという人のビジュアルを存じ上げないので、事前に予習してなければこの人がでっくんの元カノとは分かりませんでした。「私たち、どうせ子ども産まないんだし」と言う彼女の元カレが出来婚宣言するのとこの映画の封切りが重なるのがなんともせつない。この映画もまた、中絶を扱った映画ですが、冒頭、不動産屋の元カレが酔った彼女にピルを飲ませてるように見えた場面だけ、意味を確認したいです。しかし靴下を脱がせたりなんだり、かいがいしくそういうことをして喜びを感じてるように見えるこの男は、やっぱり振られる性癖なんだろうなと思う。中絶といえば計画生育の中国北京の、地壇病院の、母乳を吸わせて固くなると日干しして砕いてまた再利用する石膏パッドが窓ガラスの下一面に干してある風景を、今ぱっと思い出しています。生まれることが許されず、処理されて天にのぼる無数のたましいがいるところ。付き添いの男は長椅子で雑魚寝で、革靴が多くて靴下履いたまま寝るのでくさい足のにおいがそこここで鼻について。光クンにもなれない胎児が、生まれぬまま死ぬ場所。
(l)最初の、限定五百枚売切Tシャツの絵柄は分かりません。二枚目のキリル文字はшаман。三枚目は"cycle" 白いトレーナーの字は小さいので、老眼で読めません。
(m)最初の彼の部屋と、次の彼の部屋が同じようにすぐなってしまう(ポットも同じやつだし)のがご愛敬だと思いました。レビューで、今カレ収入なくて主人公もメンタルで仕事辞めて、家賃払えるのかというのがありましたが、彼の親の援助一択でしょう。それ以外何があるというのか。
(n)エンドロールに王メイ子サンという方がいて、どうもワン・メイコと読ませるらしいのですが、エンドロールの人名は日本語アルファベット併記で、アルファベットが"Wang Meizi"で、メイコのコが北京語のズにかわっとおるよと思いました。そんなの初めて見た。
(o)途中まで「中国で撮れよ」と思っていたのですが、浜辺美波、否広瀬すずの顔真似をするあたりから、こりゃ中国だと”神经病!去死!“としか言われないだろコリャと思うようになり、もうこりゃ日本で撮るしかないよと思いました。21歳で生存が目標とか大変だと思いました。英語の勉強は確かにいいと思う。
(p)今カレは育ちがよいので、たかが冷凍ハンバーグを食べるのにもナイフとフォークを使っていて、この部屋ナイフとフォークあるのかと驚きました。私はどうもこっぱずかしくて、ナイフはよう使わんのですが、日系人だとペルーでもブラジルでも、ナイフ使わない方が不作法らしく、きれいにナイフ使います。
(q)というところでスマホのビデオ通話が始まり、それまで「かな」と呼ばれていた主人公が同じ名前を北京語読みで「ジャーナー!」と呼ばれる瞬間、頭をこん棒で殴られたかのような衝撃が走り、すべてが転換され、”好吗?" ”还好吗?“ "好久不见你“(元気?)(かわりない?)(ヒサシブリ)
“你懂吗?” “听不懂” “写信她懂了吧” 「もっとしゃべれるでしょー」“听不懂” “打招呼嘛” “打招呼”
(分かる?)(分かんない)(書けば分かるでしょ)"你可以讲更多,讲一下!"(分かんない)(挨拶ですよ)(挨拶)
聞き取れたかどうかは疑問ですが、だいたいこういうことを言われてるんだろうということは分かった気がします。つまり、あまりことばがとくいでない外国育ちの親戚に、手加減して喋ってるしゃべり方なので、それくらいの語彙しかない。それで瞬時に、インバウンドのほうの仕事をとれば、もっと稼げたかもしれないのに、なんで日本側の仕事ばかりという疑問が氷解します。親の教育方針だったのか、親はバイリンガルに育てたかったが、日本語以外(奇異の目をおそれるなどして)喋ろうとせず、日本語マターになってしまったのか分からねど、この程度の中文能力では、現状、インバウンド関係で働くなど無理筋っぽい。
《加奈》"jianai"でなく《加那》“jiana” と聞こえたのですが、上海国際映画祭でも《加奈》《佳奈》でしたので、ジャーナイ!と言っていたのにちゃんと聞き取れなかったと思うことにしてます。
で、それにも関わらず今カレは、「ティンブドンて、なに?」と心底ふしぎそうに尋ねます。ここは、両者の関係性が逆転した、コペルニクス的転回の場面です。初めて主人公が内心から今彼を見下せた場面。日本語のチンプンカンプンのもとになった言葉でもあるのに、知らねえの? それでよく脚本とか書いてるな、アホか。妈的个屄。
そこで、VPNが遮断され、通信は切れます。子豚の丸焼きが見えたので、それをよく食う地方なのでしょう。一度はおとこを下に見れるようになった主人公が落ち着きを取り戻し、しかしそれもつかの間、「そういえば、アメリカにいたとき、中国人の友だちがいたんだ」と今彼が言い出し、「は? それと今のあたしたちに何の関係が?」とまた主人公はキレだす、に1ペリカ。
「べいびー・わるきゅーれ」*12はナイフや銃でバトルアクションをやるけど、この映画はラップでもないのに言葉で心をえぐりあってます、これもバトルですと。私がこの映画を見て、DISり組の側に行くのでなく、なかみの感想をふつうに言える側にいけてよかった。私はモスキート音は聞こえませんが、この映画はこういう感想です。以上
【後報】
書き忘れた。(r)冒頭、主人公が町田で友人に会って、バイバイの時も友人が落ち込んだままなので、「じゃあ、どっか遊び行く?」と言って、どこ行くんだろカラオケかなと思ったらイキナリホストクラブの場面になり、これが令和かとドン引きしました。つかみはオッケー。出崎統のエースを狙え劇場版だと冒頭岡ひろみは落ち込んだらゲーセン行ってて、JKもゲーセン行くんだと驚いたものですが、令和はホストクラブ。21歳でもうホストクラブ通いしてるってことは、未成年から通ってたのかとか、もろもろ思いました。この映画はしかめつらしく*13少子高齢化を語ってますが、ようするに男女ともに非婚マンセーだから男のキャバクラ通いフィリピンパブ通いと同じくらい女性もホストクラブに通うあぶく銭はありますという。
(s)スカウトを無視するとさんざんバカマンコとか暴言吐かれ、男と待ち合わせだったので、そこでスカウト引くかと思ったら、彼氏にも「この女やめたほうがいいっすよ梅毒持ちっすから」と話しかけてくる始末。(r)(s)ともに町田っぽくはない(新宿かなあと思いましたが、八王子だったりして)ですが、これも令和だと思ったのが、そこまで言われて彼氏がスカウトに言い返さないところ。「俺の彼女おどさないでくれませんかね、なめたくちきいてくれてっから、彼女おびえちゃってるじゃないすか。なんすか梅毒持ちって。そりゃあんたじゃないんすか」などと言い返して、自分の彼女を守らないんだと思いました。言い返すと危険で、逆に守れないとかそういう理屈かもしれませんが… おそろしく令和だった。この時点でこの男性との未来に暗雲を感じましたが、映画は予想したようには展開しませんでした。(翌日)
(t)主人公が今カレの親族に会う前に手土産を異様に気にして「常識のないやつだと思われる」もまた監督には自明の理で、「中国人には(日本の)常識がない」「外国人には以下同文」を言われ続けて育った人の思考です。だからその後でちゃんと、今カレがお人形さんみたいな彼女をその出自迄縁者にぺらぺら喋っていたことが分かる場面になります。お人形さんなのでぼっち状態の彼女が在日本度假村才发现自己的孤独的那个場面のスチールが、上海国際映画祭の作品紹介のウェブサイトでは使われています。もっとも日本とかかわりのあった中国人にエンパシーが得られる場面と判断されたのか、あるいは中国でも上流とつきあった中流以下の子はこういう体験をしがちということなのか。(同日)
(u)主人公はオートロック付きマンションのエントランス外階段でコケて足首をねんざかなんかして、首もむちうちっぽくなって、一時期車いす生活になるわけですが、これをDV理由にしなかった理由は何だろうと少し考えました。モデルになった事件が監督にあって、①そのまま描けない。②実際も劇中と同じで事件性はないので、それをDVの「ものがたり」にしたら周りが誤解する。のどちらかか、あるいはぜんぜん違う理由からか。(同日)
*1:
佳奈是一个21岁的女孩,在一家脱毛美容院工作,她对什么都没有热情,连爱情也只是打发时间的东西……导演山中瑶子在19岁时自学成才拍摄的首部作品《Amiko》即入选第68届柏林电影节论坛单元,创下该单元导演的最年少纪录。本片是山中瑶子真正意义上的首部剧情长片,入围2024年戛纳电影节导演双周并获费比西奖。山中瑶子以她敏锐的目光捕捉着日本当代年轻人的爱情与生活,她镜头下的男女仿佛新浪潮电影中的主人公,有着玩世不恭的魅力和一触即发的激情。有“令和山口百惠”之称的新人女演员河合优实在片中饰演女主角,她浑然天成的表演为影片注入了新鲜而迷人的活力。本片在上海国际电影节为亚洲首映。
下記に上記の三点リーダーより後ろの部分の邦訳が載ってます。
山中瑶子監督が19歳の時に独学で作った初長編「あみこ」は第68回ベルリン国際映画祭のフォーラム部門に、史上最年少で招待された。しかし彼女の本当の意味での初長編は本作だと言えるだろう。2024年カンヌ国際映画祭の監督週間に選ばれ、国際批評家連盟賞を受賞。山中監督は本作で現代の日本の若者たちの恋愛や人生を鋭い視点で描いている。彼女がレンズで捉える彼らは、シニカルな魅力と今にも爆発しそうな情熱にあふれていて、まるでニューウェイヴ映画の主人公を見ているようでもある。ヒロインを務めるのは“令和の山口百恵”と言われている河合優実。彼女の自然な演技が新鮮かつチャーミングな活力を作品に注入している。
*3:
*4:テレビ電話って死語ですか?今はなんて言いますか? - ビデオ通話... - Yahoo!知恵袋
*5:
stantsiya-iriya.hatenablog.com
*6:
stantsiya-iriya.hatenablog.com
*7:
*8:
stantsiya-iriya.hatenablog.com
*9:
stantsiya-iriya.hatenablog.com
*10:
stantsiya-iriya.hatenablog.com
*11:
*12:
stantsiya-iriya.hatenablog.com
*13: