エッセイ『視聴覚時代の学生運動』『"演劇青年"の自戒』『初夢』(筒井康隆全集6)Essays "Student Movement in the Audiovisual Era", "Self-Reflection of a 'Young Theatrical Artist'" & "First Dream of The New Year"〈THE COLLECTION OF TSUTSUI YASUTAKA vol.6〉読了

『視聴覚時代の学生運動"Student Movement in the Audiovisual Era"(「サンデー毎日」昭和43年(1968年)12月8日号)

学生運動について書けという仕事が筒井筒サンに来て、政治に参加したくない、茶化すだけにしたいと筒井筒サンが答えたら、茶化すのも参加じゃんと言い返され、筒井筒サンが引き受けたルポ仕事の記事です。

最初は現代のAIを彷彿とさせるコンピュータの集合知について性善説で触れます。ここは、甘いなとしか現代からすると思われないのですが、後述します。その後、タテ看ルポに移ります。クギ字とかトロ字とかゲバ字とか言われるあの書体はまだ登場してなかったのか、筒井サンのルポにそれに関する記述は見られません。そのかわり、元工芸社写真として、タテ看の大工仕事のデタラメ具合、素人としてもメチャクチャな点の指摘はぞんぶんにしてます。東大なのに誤字も多かったとか。理系はまだましだが文系学部が多いからか、みたいなことも書いてあったようななかったような。

頁362

(略)「マスコミはわれわれの敵だ。政府や警察と結託した資本主義の飼犬だ」というのが、学生たちの考えだそうである。しかし、自分たちの悪口を書かずに、意見をそのまま伝えてくれた場合はあきらかに喜んでいるのだから、(略)

 だいいち、同じ資本主義の飼犬でありながら警官は学内に入れず、マスコミ関係者はどんどん入れるという理屈がわからない。

(略)このあたり、何かといえばマスコミの悪口をいいながら、その実、名を売りたくてしかたがないアングラ族そっくりだ。

東京の大学の郊外移転は学生運動対策で、八王子に移転した中央大学などではほぼそれは成功し、移転先の八王子キャンパスではタテ看一律禁止なので、以降入学の学生はタテ看が何なのか知らずに四年間を過ごすとか。逆に法政大学や早稲田大学のように移転してない大学は以下略

某大学で学費値上げ反対闘争が起こった時(お相手はかっちゃんのパートナーと同じ漢字の苗字だが読み方がちがう総長)「革キョン同」なるシャレ、革命的キョン²ナントカ同盟を名乗って天安門広場みたいに学内に張ったテントにいてた学生をマスコミが取り上げたら本人すっかりその気説はむかし聞いた話ですが、じっさいの小泉サンは単なるアバズレと厚木市在住者からの情報で得ていたのに、今なんかすごく左巻きの発言を時折する人というイメージでネトウヨウーマンから警戒されるまでになっているのが、なんかすげえというか…… 後天的に勉強したのか、そういう家だったのか、か、か…… 義務教育サボって原宿までスカウトされに連日遠征する厨房の姿なぞ微塵も感じさせない現在の、現在の、何を書こうとしたのか忘れたのでここでいったん切ります。コマーシャル(ははてなが勝手に挿入します)

立て看板で画像検索すると京大しか出ませんので、ほかはもうないと考えていいのかな。ポケモンGoのように、バーチャル空間で見るとバーチャルなタテ看があるような形態に変わっていくとか。

b.hatena.ne.jp

韓国ではまだこういう人たちは元気なので、韓国と日本の区別がつかない中国人が混乱してる… わけではないんだろうな。「存立危機事態」ということばを、そのまま中国語の文章の中で使ってる字幕を見て、へえと思いました。ツンリーウェイジーシータイ(スータイ)

このエッセーの最後は各セクトのヘルメットがテレビ映えする色なので(そうかなぁ)視聴者が喜ぶだろうと結んで終わってます。

つくづく、SNSという双方向の武器を手に入れた自我の強いにんげんが21世紀にどういう方向に向かったか、予見出来たはずなのに出来てないのが悲しい。イヴァン・イリッチの双方向はこういうことじゃないかったはずですが、でも性善説だから予見出来なかったのかなあ。悪貨は良貨を駆逐する。玉石混交の雑駁な意見が錯綜する民主主義社会の中で、自然とよりよい選択が残るようになる、というヌルイ予想は絵に描いたモチで終わりましたと。

『"演劇青年"の自戒』"Self-Reflection of a 'Young Theatrical Artist'"(「週刊言論」昭和44年(1969年2月19日号)

タレント作家になるかもしれない危惧を謙虚に書いたエッセー。もともと演劇志望で、宝塚歌劇団の香村菊雄サンという方に師事してシナリオなどを勉強した経歴があるそうです。それは知らなかった。

池田文庫の本棚放浪記【第25回】~愛しのタカラヅカへ~ | 阪急文化財団ブログ | 阪急文化財団

上記によると、香村サンは中国伝奇ものを得意としたそうで、ヅカでそういうジャンルの作品があること自体意外でした。ウィキペディアなどない人で、著書も三冊かそこらしかないので、そういう人を知るのに、ブログがあると助かります。

ときどき開くとこうなりますが…

『初夢』"First Dream of The New Year"(「別冊小説新潮」昭和44年(1969年)1月)

フロイト好きの初夢分析、かな。

解説は宇波彰という人。

宇波彰 - Wikipedia

以上