- 作者: 吾妻ひでお
- 出版社/メーカー: イースト・プレス
- 発売日: 2013/10/06
- メディア: コミック
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アマゾンは既に50以上レビューがついていて、
完璧主義者の陥穽、欝みたいな評が高評価、
税金生ぽについての苦言が低評価でした、今のところ。*1
わざわざ組織票でひっくり返したりするか分かりませんが、
ひっくり返したら面白いな、と思いました。
小谷野敦というレビュアーの方は本人でしょうか。
物知らずですみません。
確か前作は、
米澤嘉博の支えと勧めで描き上げられたみたいな記憶があるのですが、
米澤嘉博のほうが先に、
ずいぶん先に逝ってしまった。
http://www.meiji.ac.jp/manga/yonezawa_lib/
アマゾンでも、
家族の支えに対する感謝抜きで、
本人天才宣言は如何なものか的レビューがありましたが、
同じことが米澤さんにも言えるのではないかと思います。
マンガ家だから緻密な描写、というのは、
この人の場合、当てはまらないと思います。
花輪和一と吾妻ひでおは、違う。
あじまは相当デフォルメや空想の車、服装を入れてる。
- 作者: 花輪和一
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2006/05/12
- メディア: 文庫
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スキャンに頼った今の人には不可能な芸ばかりですが、
描きこむことが当たり前だった時代の職人の当たり前をキッチュに評価されたら、
なんか違う…と思います。
しかし、頁321のペンネーム教えろのくだりは、大事にならなくてよかった。
いせやのあたりはご愛嬌で読めましたが、
http://www.iseya-kichijoji.jp/
自助グループもこんなにいろいろ紹介されると、
名称なんかはもう少しあいまいに書いてと思いました。ひとごとですが。
興味本位の冷やかし賑やかし、ネタを求めるライターが来たらめんどくさいだろうな、
と思ったので。
なんか、断酒連盟でない断酒会とかいろいろ書いてるので、
めんどくさくなると大変だろうな、
と思ったので。
本当に必要なら、病院に問い合わせるなりしてつながれるだろうし。
団体に関しては上記のように思いましたが、
個人については、エピソードもひともぼかしてシャッフルしてるんだろう、
と割り切って読めました。
前に知人がDVドキュメントの取材を受けて、
出来上がった本が本人特定出来ないよういろいろ変えている点について怒りまくって、
いくら説明しても「いや、事実とちゃう、うそばっかりや」と、
めんどくさい駄々ばっかりこねていたのを思い出します。
そらあんた、病院とか自助グループのミーティングは、
外に持ち出さないディシプリンがあるから、
ある程度話せるだろうけど(それでも他者に不快感嫌悪感を催させる話は皆慎む)
活字で同じことはあかんで。
あんたはええかもしらんけど、未来のあるお子さんや奥さんのこと考えたり。
近所や学校に知られたないこと、
あん人と特定されたらやばいやばい、ぼかして書かんならんこともいろいろあるわけや。
幾ら言っても聞いてくれなかった彼が後年Facebookを始めて、
https://ja-jp.facebook.com/
あっちゅうまに炎上して痛い目に遭ったと聞いた時の私の気持ち。
このマンガの頁303やラストのように、ただ風が吹いてく感じでした。
そして、けど、生きてゆく、そんな感じ。
頁086は、内科に入院した中島らもへのレクイエムというか、強烈なメッセージでしょう。
- 作者: 中島らも
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2013/03/29
- メディア: Kindle版
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アメリカは国民皆保険じゃないから、病院や中間施設に行ける人は限られていて、
犯罪起こして刑務所で治療しかないと聞きましたが、ほんとかな。
頁004
酒で身も心もボロボロになって
破滅していくのってむしろ美しくて
潔いと私は思ってるんですけど
奥さんや子供達が厳しい目で
見張ってるしなぁ
これが本当の理由ではないと思います。
頁032
親父に
借金申込みの
ハガキ
書かなきゃうわあ
この歳になって
恥ずかしー
親父泣くぞ
この時四八歳くらい、入院中。実父宛だと思うのですが、
妻の父とかだったら、さらに恥ずかしかったでしょう。
死を考えるような観念的な美しい悲惨さでなく、泥臭いみじめさ情けなさ。
巻末のシーンと出版時期の季節が重なっているので、
余計思います。死ななかった、死ぬことは出来ない、
では、何ですきまを埋めるのか。埋めている。しかし。
風が吹く街頭の巻末シーン。曇天を見上げる巻末のシーン。