町田市民文学館ことばらんど「みつはしちかこ展 ―恋と、まんがと、青春と―」観覧

みつはしちかこ展ー恋と、まんがと、青春と-2018年10月20日(土曜日)から12月24日(月曜日)/町田市ホームページ

そろそろ観ようと思って行ったのですが、博物館はだいたい月曜休館だからその他の日なら開いてるだろうとたかくくってたら、月イチで第二木曜も休館とのことで、その日にドンピシャでした。運が悪い。しかもホームページ見てたら、数日無料観覧デーがあって、その日を狙い打てばよかったとも思いました。四百円は別に高くないのですが、ふだん、ことばらんどの企画展は無料なので。いや、やっぱ、お金ちゃんと出して見てみたいかな。

この次の企画展は、戦中の芥川賞だか直木賞作家で、私もあっちこっちのアンソロジーで読んだ五族協和文學『刘广福』作者の企画展で、無料ですが、まさかこの作者も町田に住んでたとは知りませんでした。

世界の果てで生き延びろ―芥川賞作家・八木義徳展―2019年1月19日(土曜日)から3月17日(日曜日)/町田市ホームページ

小さな恋のものがたりの新刊読書感想も、後報扱いでぜんぜん書いてないのですが、これはもう、はてなダイアリーからのインポート問題が解決してから書くつもりです。せっかくはてなブログのほうに書き足して膨らましても、百日以上記事のある日をいじる関係上、インポートをいったん全削除しなければならないので、その後の再インポート後でないと、加筆出来ない。

まぁ、正直、最新巻でも時間を止めて待っている、トン子や眼鏡の松木さんでしたか、あと美人だがぜんぜんギャルでないし、淫行条例とか先生とラブホ通いのJKが主人公の場面から始まる『NANA』とかとどう擦り合わせれば私は心身ともにアンマッチがない状態で生きていけるんだろうと思うキャラとかを、どうクリティークすればインカ帝国なので感想書いてないという切実な事情もあります。

 以下再訪後に記述予定。

というわけで、あと数日で終了なので、むりくりに再訪しました。クリスマスイブまでの展示なのですが、イブ月曜だから休肝休館日じゃん、と思い至り、見に行ったら、イブは休日なので、振替ということで、開館するんだそうで。でもどのみちあと三日。日曜は私出勤日。

f:id:stantsiya_iriya:20181220231510j:plain

小さな恋のキャンペーン 初恋セット 恋するレモンスカッシュ ときめきメロンソーダ クリームソーダ チッチのおしるこ
f:id:stantsiya_iriya:20181220231511j:plain
f:id:stantsiya_iriya:20181220231512j:plain
これ見て、改めてチッチの足がカトンボと称されるそのまんまなのを改めて認識しました。

f:id:stantsiya_iriya:20181220231515j:plain

1979年の多摩川学園。作者とチッチとで、足のかたちがすでにして異なっている。

名前は単行本のうしろの広告でよく存じておりましたが、現物は一度も見たことがなかった、「いつかどこかで」が見れてよかったです。手に取るまでは出来ませんが、見れるだけで幸いです。

50年代の高校時代のスケブが展示されており、ひととおりデッサンなども出来ていたことが分かります。年譜によると、社会人になってから、クロッキーの教室に通い始めたことになってますが、どうしてなかなか。高校生当時の絵で、劇画調のデビューをしてたら、どうなってたろうか。とにかくデザイン会社やアニメ制作会社を転々としてたそうなので、そこで知り合った男の影響を受けた作品でデビューしてた可能性もあったのかと。

60年代、チッチになる前の「ちびこ」時代の作品を見て、長谷川町子やピーナッツのシュルツなどを意識した絵柄の時代もあるのだと分かりました。この時期のデフォルメした足を生涯保ち続けたチッチ。初期はもうふたりしか登場しない閉ざされた世界で、第44集が、夢以外彼氏が出てこない、不在の物語になっているのと対照的です。

年譜を見て、母親の早逝や父のスピード再婚を知りましたが、あまりそれと作品との関連まで、考えられません。脳がショートしてくすぶっています。無料のパンフを見ると、下記のような批評まで載っていて、主催者のなみなみならぬ意思が感じられます。

●チッチは、一部の読者の評判では、「わがままな女の子」 とされているようです

チッチの「ひたむきさ」は、現代では「わがまま」と感じられてしまうのかもしれません。

 『ハーイあっこです』関連の展示に、「明日はもっといいママになるからね」と寝入っているふたりのこどもに添い寝しながら語り掛ける場面がありました。確かに、イライラして、まとわりついてくる子どもに当たり散らす話があったなと。私が京都精華大マンガ学科の院生だったら、みつはしちかこ漫画におけるネグレクト、みたいな大げさなレポート書いたかもしれません。

ハーイあっこですは、モデルとなった作者の嫁姑問題が有名で、この展示でもそこはけっこう刮目明記されてるのですが、子どもを泣かした回のコマなんかも、さらっと入れてるところが恐ろしかったです。学芸員の眼力すごい。

f:id:stantsiya_iriya:20181220231513j:plain

ともに町田市在住の田川水泡夫妻との交流 1979年執筆。唯二の撮影可作品のひとつ

田河水泡プラスのらくろとの遭遇マンガ、および手塚治虫遭遇イラストも展示されてました。オサムシはベレー帽脱帽してますが、ハゲてません。浅野いにおは既に引っ越してるので、出なくてもなんとも思いませんが、マトリズムのしとは、今回の展示に合わせて交流ある体裁とってもよかったかと。

 B3のエンピツからB2へと変化とか、こまかく書いてある展示でした。下記は大人の塗り絵だそうです。

f:id:stantsiya_iriya:20181220231516j:plain

大人の塗り絵

これ見たがるかな、と思った人は「マンネリだからいーや」とのことで、もったいないと思いました。以上