『重版出来!(1)』 (ビッグコミックス) 読了

装幀:関 善之(ボラーレ)「月刊!スピリッツ」という雑誌に2012/11~2013/4月号連載とのこと。その辺から見つけて読みました。

重版出来! (1) (ビッグコミックス)

重版出来! (1) (ビッグコミックス)

 

 以前この漫画の10巻の読書感想で、出来を「でき」と読んでた旨書きましたが、重版も、「じゅうん」と読んでました。「じゅうん」なんですね。

最初の話は就活。主人公ではないですが、控室と面接で人格が違う就活生が、「あのコ採用したら まずいな。」「入社したらまっさきにメンタルやられるタイプですね。」「器用で優秀で瑕疵もないが、自己評価も異常に高い。もっとも組織に向いてない。」その学生への役員の評価が高いのを見て「うわ…まんまとだまされてる。だいじょうぶかうちの会社…」という場面が重いです。集英社で最終面接まで残った人材は無条件に最終面接まで通す小学館が出版不況時のマンガでこういうセリフ羅列するとは、暗黒期の中國で魯迅が吶喊したような迫力を感じます。

頁6でアップで描かれる耳がギョーザ耳であると気がつきませんでした。怪物くんかと思った。柔道日本代表にまでなって怪我で競技人人生を終了とのことですが、どこを痛めたのか知りたかったです。そのうち描かれるのかな。体軸がまったくブレてないそうで、頁186で靴底がカカトだけ左右非対称に擦り減ってしまった営業さん(私も革靴だとそうなります)は同道の彼女の歩き方を見習いよしと思いました。でももう運動しなくてカロリーの消費量もぜんぜん違うようになったわけですので、頁41のような爆食をするとすぐ体脂肪や体重、健康にはねかえるかもしれないです。磯貝は別格としても、仙台でメロンパン屋時代の山田隆裕をテレビで観た時、アスリートがカロリー消費しなくなるとこうも違うのかとうなったのを思い出す。

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頁46で、作者が自分のネームを読みにくい漫画家さんのネームで四苦八苦する主人公の箇所で使っていますが、坂田信弘からお借りすればよりインパクトが出たと思います。確か一度、編集者泣かせで専従の読解者がついてる坂田プロの直筆がビッグコミックに載ってたです。事実は事実だった。頁62、2013年って、2ちゃんのたそがれが進行した時期だった気がします。私も見なくなりました。

頁105、社長自伝。なんでスラダンの作者名がここで出て来るのか分かりません。実在漫画家が伝記漫画描くべきとまで言われる架空の社長の風雲ぶり。君たちはどう生きるかの漫画版買う層には響いただろうと思います。社長の人生は。

頁183、マンガの手搬入ってあるのかと思いました。というか、出版社が直接手で品物持って搬入に来るようなところで働いたことがありません。POSも不思議。トーニッパンだけが頑張ればよいのかと思った。一時期、京都にやっと出店した紀伊國屋書店が、三条の地下のその書店スペースのまんが、全部取次のラベルシールつけて置いてて、これから時代はこうなるのかとぞくぞくしたのですが、そうなりませんでした。

頁135にフリーの編集者なるものが出てきまして、フリーのライターならともかく、大企業の出版社の定期刊行物にフリーの編集者がいる時代なんだなと思いました。売れたんじゃなくて俺たちが売ったんだ、的なしめのセリフでこの巻は終わるのですが、テキヤのバイみたいな言い方しないでと思いました。テキヤはそんな言い方しないか。以上