[装丁]橋田 洸 協力の三方は変わらず。バーと喫茶店と渦巻き🌀の人。初出は漫画アクション令和2年4/7号~8/4号、9/1号、9/15号。
これまでのこのシリーズで最もむさくるしく、かつ意味不明の表紙。作中でマスターが縄文人になる前後編は確かにあるのですが、ここまで面長の馬面ではなく、かつ前髪は垂らしているので、この表紙は誰ならということになります。なすびの現在を検索したら、福島関連で活動してる人になっていたので、この表紙がなすびでもおかしくないのですが、検索で出たなすびの顔の方が長いので、じゃあこの表紙は誰と振り出しに戻る。
帯が太いので、ビーチクまで帯にうつってます。
頁144には驚きました。まさかの展開。縄文時代だけではシュール度が足りなかったとでもいうのか。
その縄文時代は、何故母音のみで会話してるのか分かりませんでした。サミングしたのに目が充血もしてないのは、残酷描写を手控えたのか、シャモの漫画家ですので、このくらいでは目に異常はないと考えているのか。
話を頁144に戻すと、その次の話がオジロワシで、その次が老嬢のストリッパー。頁144の前がマチコ先生で、その前が、何故怪談に出る女性はショートカットでないのか。妙に落ち着く漫画のラインナップ。思えば、狩撫麻礼が死ななければ、私がたなか亜希夫のまんがを読むこともないかったでしょう。狩撫麻礼原作だったら読まなかったと思うので(ひじかた憂峰であっても)それがこんなに次の単行本を待つようになるとはなあ。
犬の恋は小編で、その次の話は、竹竿のファランクスの絵が、武器準備集合罪にあたらないように武装する日本ならではの学生運動の場面なのかと思いました。そっちに行くのかなあ。行かなくてもいいのに。
縄文まんがは、武富健治へのエールなのかもしれないと思いました。ストリッパーの話で、ヒロインが使うSNSが分かりませんでした。LINEではないですよね。何を使えばそんなに拡散出来るのだろう。彼女自身がそのSNSで、よほどフォロワーがいるということなのだろうか。そして、往年のストリップ鑑賞経験者たち(デジタルデバイドも含む高齢者)が、そんな機敏にSNSに反応するなんてことがあるのだろうかとも思いました。休憩時間じゅうスマホいじくってる六十代はけして珍しくないのですが、それが、SNSを見ていて、その話題の場所に集まる可能性はどれくらいあるだろうと。
このイラストの男性が本編に登場してた覚えがないです。誰なら。
私はこのまんがの背骨になる歌手、ベッシー・スミスの歌にそれほどひかれないので、作者とは音楽の趣味が違うと思ってます。最初の話に、黒い海に連れていかれたマスターの奥さんが好きだった歌、車中生活の老夫婦が好きだった歌、などがまとまって登場しますが、特に感想はないです。「黑」と「海」はもともと同じことばで、古代中国人にとって海は暗く深くおそろしいものだった、という、白川静の説を思い出したり、张艺谋和高仓健的单骑千里走は、背景の海をわざわざプロジェクターの画像で撮って、わざとロケなしで海を表現してたな、とか、そっちには感想を持ちました。
以下その辺の歌。
車中泊夫婦が聴いていたのが、Tonny Bennett "Cloud 7"
上の動画は、ミュージックプレミアム会員でないと見れないとのこと。次がJoni MItchell "Clouds"
次が Fairground Attraction "The First of a Million kisses"
Fairground Attraction - Perfect
次がCarole King "Tapestry"
キャロル・キング Carole King/君の友だち You've Got a Friend (1971年) «lyrics»
再びジョニ・ミッチェルに戻って(マスターは酔ってるので)Joni Mitchell "Blue"
マスターがコロボックルの不倫親父と飲んでるのはラフロイグ。日本ではサントリーが販売のスコッチ。
次の巻は今春発売予定だそうで、ということは五月には出るということで、そんなにペースの早い連載だったかなと思いました。そのペースで出るならうれしいですが、無理はされないように願います。この巻は、在庫があることが分かってる書店に行く前に五軒くらいまわって、やっぱりなかったので、「コミック王国」の異名をとるターミナル店で買いました。ほんとはこの本の読書感想を先にあげるつもりではなかったのですが、これも巡り合わせ。以上