台湾ニューシネマの名匠ワン・トン監督作品『バナナパラダイス』/特集上映「台湾巨匠傑作選2020」予告編
とりあえず上の動画冒頭で得勝が歌う軍歌を歌ってみたらいいさ、という。“肩上扛着枪,手榴弹挂胸膛,挺起那个胸脯" じぇーんさんかんじぇちぁぁぁん、しょうりぅだんぐぁしょんたぁぁん、てぃんちぃねーがしょぉんぷぅ!〈扛着〉とは歌ってないかな?
イラン映画二つ見て地上に出たら、まだ雨が止んでないかったので、また階段を降りて観た映画。これはもう、イラン映画より、はるかに知ったかぶりが出来る世界なので、安心してゲハゲハ笑ってました。
中国、台湾の歴史の大きなうねりの中 流れに抗うこともままならない立場に置かれた非力な人々が とにかく必死に生きようとする姿をユーモアを交えて描く!
30年の時を経て遂に王童監督作品日本初公開とのことで、てことは、四方田犬彦が何かに書いてたと思う《ダオツァオレン稲草人》も未公開なんですね。私が見てるわけもないですが。この公開は、東山彰良に捧ぐ公開といっても過言ではないと思います。ちょっと中文齧った人間なら、冒頭、一人称が〈我〉ウォアでなく〈俺〉アンで始まる時点で、ニウ・チェンザーが監督をやった「軍中楽園」でもフロッグメン部隊長(役者は山東回族)にさべらせてた山東方言であることに気づき、キタ――(゚∀゚)――!! と思ったはずです。
《香蕉天堂》Banana Paradise |全新數位修復預告 Trailer|中影,中影數位電影頻道,經典影片,數位修復
レジーナ・ツァン(香港人だからツォンでなくツァン?)演じるキリンの奥さんだけやけにキレイなプートンホワ、否、國語をさべるので、パーロだパーロだと思って見てましたが、パーロではありませんでした。パイオツねえちゃんも國語。翻訳職場の上司は、これも軍中楽園に同じ方言が出たと思いますが、四川かなあ。シロウトのあてずっぽう。
「チンピラ」のくだり、うかつにも字幕だけ追って耳をちゃんと研ぎ澄ませていませんで、もし研ぎ澄ませていても、私のようなボンクラが聞き取れたかどうか分かりませんが、とにかく、彼女を乱暴したのが、鬼子とか日狗だったのか、八路だったのか、あるいは酷民黨だったのか、さっぱり分かりませんでした。帰宅後検索しても分からず。
自分が生んだわけでもないのに、赤ちゃんのウンチの世話まで当たり前にこなせたのは、兄妹が多かったから経験豊富だったってことなのかなあ。門栓や得勝が中年になって役者交代してるのに、月香はレジーナが老けメイクでそのまま演じてて、ミスマッチだったと思います。「三たびの海峡」で三国連太郎と若い俳優とで現在と過去を演じ分けてるのに、かたき役は同じ役者が若作りと老けメイクでそのまま演じ続けた時と同じ違和感を感じました。
得勝と門栓は出だしのあたりで、ホウホウツー、<好好吃>と言っていて、やっぱそう云うんだと思いました。門栓は煙台出身でしたか、食事の場面でナマの葱を齧っていて、やんぬるかなと思いました。彼のさまざまな変名のうち、何九妹がいちばんバカだったと思います。喝酒了没? そんなカレでも、従現在開始、ツォンシェンザイカイシィ、と言う場面があって、ばかでーと思いました。
台湾内省人ならぬ以下略は、チンドン屋がいたり、ナカシがいたり、年端もいかない娘がヤラレそうになったり、大変ですが、奥巴桑(オバサン)が、なにかっつーと、やたら最後に、ツータオマ?と聞いてくるのが、なんちゅうか本中華でした。それまで台湾語でべらべらしゃべっといて、しっとるけのけもないもんだ。分かるわけがない。んで、"你懂吗"でも"你了解吗"でも"你明白吗"でもなく、"知道吗"
冒頭の兵隊さんが、石で尻を拭いていたのも、時代だなあと。得勝のおっちゃんですが、人はそんな簡単に狂わない。薬物でもなく狂うとしたら、それだけ共匪狩り、匪諜狩りで受けたリンチが勵害だったのではないかと。日本でも、全共闘世代で、内ゲバの恐怖で狂ってしまった人の話は、時々聞きました。ハルシオンの飲みすぎかもしれないよ、と言われても知りません。フェイディエフェイディエ、空飛ぶ円盤は飛碟。
インテリだと思ってた麒麟サンの父親が〈爸〉でなく〈爹〉と呼ばれ、母親が〈媽〉でなく〈娘〉と呼ばれるあたり、相手も田舎者なのかな、だから山東話まるだしでもあやしまれないのかなと思いました。てっきりオチは、「台湾に住むと山東訛りになるのかい?」「そうだよ、そうだよ、魯肉飯なんだよ」とでもするのかと思ってました。まあそんなことしないか。
東山彰良の講演会があったら歌ってほしいです。“肩上扛着枪,手榴弹挂胸膛,挺起那个胸脯!" 以上