何かで見て、読もうと思ったはずの本。図書館で借りました。しかし、何で見たのか今となってはさっぱりさっぱりです。天声人語でもなさそうだし。
装丁ー吉田憲司(TSUMASAKI)
DTPー寺門朋代(TSUMASAKI)
撮影ー島崎智成(80~83、114~115、133(一部)、134~136頁)
写真ーAdobe Stock(36~37、58~59、79、88~91(一部)頁)
校正ー鷗来堂
編集協力ー澤田憲
編集担当ー朝倉陸矢
一部は既出(がいしゅつとは読まない)なので、出典明記
サイズとしてはこれくらいでちょうどいいというか、B5とA4のあいだくらいの、ちょっと横に長い変形なので、トイレとはいいませんが、ものを考える場所にひょいっと置いておくのに適してるんですが、ただ、それに載ってる写真がふつうの写真でなく、ミニチュア写真だという…

昨日上げたバンドデシネと大きさ比較。何もこんな大きくしなくてもいいわけですが(寝っころがって読むのに重い)バンドデシネというのはおフランスの文化で、これくらいにせんければならんようですし、疎開生活、東京でも居候大所帯とはいえ、今より間取りが広かったかもしれない一軒家のりんたろうサンと、仕事部屋を三つも持ちながら、どれもミニマリストというかコンパクトにまとめてる時代の田中サンとでは、本の大きさに関する考え方も違うかもしれません。上に書いたように利便性も加味した本だし。

読んだのは初版と同年の2024年10月の4刷。
田中達也サンというと、私としては元サッカープレイヤー、元代表でしたか、の方がまず思い浮かびます。以前日産スタジアムに鞠アルビ戦を観に行った時、アルビ側で出ていて、その老獪なプレーぶりに、素人観客ながら、うならされました。
stantsiya-iriya.hatenablog.com
スンスケ選手引退まぢかの有終の美を飾るためにも、勝ちたかった鞠ということで、結局スンスケ選手は鞠で引退せずズビロに移籍しますた(横縞だったかな)確か。アルビ側で観戦したのですが、関東在住のサポがミニコミ紙を配っていたり、"J's Goal"がまだあった頃なので、ゲーフラも盛んだったりと、いろいろなつかしい。三苫選手が本を出した時にたまたま川崎の大型書店に行ったら、三苫コーナーの一角に風呂サポのミニコミ紙が置いてあったので、まだそういう活動はあるんでしょうが… しかし2013年。もうそんなに経ったんですね。写真も300万画素くらいなので、こんなにぼんやり。
以下後報
今日も、明日も、穏やかに、静かに、落ち着いて、平和に。そして、出来ることなら、自分も周りもみな、しあわせにすごせますように。
おかべたかしサンのくらべるシリーズやしらべるシリーズくらいの大きさの写真だったら、見やすかったのですが、どうだろう。展覧会に行けば現物が見られるそうで、現物より大きなサイズの写真はどうかという考えも、もちろんあるとは思うのですが、でもB5の1/4のサイズのミニチュアは、見にくい時もあります。老眼なので。
ツレヅレハナコさんがコロナカにインスタにあげた家飲み写真やGoToTravel?食写真をまとめた本の写真もこれくらいの大きさでしたが、料理は見やすいから… 田中さんの本書も、オムライスなどよく出るので、それは分かるのですが、オムライスでミニチュアが何をやってるかが、とほほ、老眼はさみしいだ。
頁137 1日のスケジュール
(略)
AM 8:00 起床、身支度を整える
考えを作品に集中したいのと、写真への写り込みを防ぐため、服は基本的には黑しか着ない。
毎日同じコンビニのコーヒーを1杯飲む。
(後略)
黑しか着ないとは、えらいストイックだと思いました。私は鶴見のオキナワタウンに行った時、ヘイトと間違えられて、その話を知人にしたところ、「ホンマそっくりですやん」と言われたので、以後、なるべく暗色は着ないようにしています。実際のヘイトが何色を着ているか知りませんが… パステルカラーでチョークアートの狼があちこちにプリントしてあるような服を着てるのかもしれない。ただ、この習慣も、グーグルピクセルで邪魔なものを消せるといっても見落としが怖いのとは別の角度で、コンビニコーヒーが劇的にうまくなったのはそう昔のことでもないので、それ以降の習慣かもしれないとは思っています。ミニストップの、バイトの人が淹れたポットのコーヒーが懐かしい。
頁98によると、撮影用の人形は10万体以上揃えているそうです。さまざまなスケールの人形が必要だから、という理由は分かるし、整理魔なのか、仕事場におそろしく整然と収納している写真も載っていますのですが、ほほほほほほぉと思ったのが、自作以外に、既製品の人形と3Dプリンターで作った人形があるという点。3Dプリンターと自作がどこが違うのかというと微妙だと思いますが、既製品はもちろん名のある造型師が作って、限定生産限定販売してるゴジラや綾波レイやガンプラではなく、村上隆の巨大巨乳フィギュアでもなく、かといってNゲージやタミヤの1/35、モノグラムの1/32の戦闘場面ジオラマ用兵士でもなく、平和な市井の人々のフィギュアで、本来どこでどういう用途に使われてるんだろうと思いました。あえてそれを言うかという視点で言うと、本書のフィギュアはオリエンタルと白人の区別がやや曖昧、不分別で、モンゴロイド以上の濃さの有色人種は目についた範囲では見えません。
頁140、田中サンは異文化を見ても、日本との共通点の方に目がいってしまうそうで、確かに本書のミニチュア見立てアートは、西洋との共通点を感じさせるもの(普遍)と、「和」を感じさせるもの(ドメス)に大別されるように思います。

頁19、トラソプサンやルピオ、ヴァンスサンらが地中深くに構築された核施設をバンカーバスターで攻撃する作戦を検討してるかのような場面に使われる海苔巻。「和」です。何度も見直しましたが、韓国のキムパプよりは日本の海苔巻だと思います。

頁21、ドーナツをCTスキャンだかMRIに見立てた写真は不変。カップラーメンを風呂に見立てた写真はややもすると東洋文化。

頁24、本書にはいくつか弓道場を模した作品があります。弓道の人形を折角作ったので使わなければ勿体ないと考えているのか。これは完全にドメス。柔道や剣道のように、日本の「キュードー」がアーチェリーとはまた別に、世界じゅうに競技人口がいるのかどうか知りません。

頁29、和洋折衷プラス立笛(リコーダー)というエロスとパトスの競演。田中サンは毎朝七時にウェブにあげる作品のタイトルについても頭を使っているそうですので、そうなるとロゴスも饗宴で、手に負えない。

塗色前のアルミ缶をわざわざ使ってるのがへえ、な鉄道別バージョン。同じページ。

頁48、筍を掘る文化のない国から見ると、何が何やらの写真。ほんとはタケノコはこんなに顔を出す前に探り当てて掘るんですが、それはご愛敬。現実の文化に忠実にやったら、なんのこっちゃみたいな写真にしかならないでしょう。ヤラセとリアルの境界、原発避難区域DASH村。

頁54、コーラの気泡を天体に見立てた写真。容器がドンと置いてあるのがツボ。

爪楊枝のサウナ。頁72。爪楊枝を知らないと作れない一品。

今度はアイフォン、スマホを壺湯もしくは五右衛門風呂に。これも壺湯もしくは五右衛門風呂を知らないと作れない。同じページ。どちらも「和」を知らないと作れないし、へええと思う人は「和」の人。

頁44、サーフィンのビッグウェーブは世界共通。

頁75、しょんべんこぞうも世界共通。

頁125、本書の和食洋食以外の「食」は、このページのギョーザのみ。上のカップ麺も入れればふたつですが… 素材としての西洋ジャパン以外だと、上の立笛トレインの横に麻雀牌があり、麻雀牌は意外とあちこちに出ます。将棋や碁、花札や百人一首は出ません。でもチャイナドレスの女の子が出たりカンフーの達人が出たりということはないです。格ゲーでなく見立てだからか。

ジジイネタならぬ時事ネタでガザ、なわけではなさそう。でもこのページのテーマはほんまに「平和と戦争」です。頁153。

頁155、銀色の遥かな道。否、田んぼの畔道。素材も畳。おそろしいほどにドメスですが、国際的には共感を呼びそうな絵。
頁158 おわりに
(略)
見立てを意識し続けるには、
毎日、目の届く場所に思い出すきっかけを
置いておくことが大事です。
そのために私のSNSをフォローしたり、
写真集や絵本を本棚の目立つところに置いたりするのも
よいかもしれません。
(なんだか、テレビショッピングみたいですね。笑)
テレビショッピングどころか、ステマそのものやないかーい、と思う人はいないと思います。本書はハウツー本なので写真も詰め込んだサイズですが、写真集や絵本はチャンと本書よりおっきなサイズで写真を載せてるようです。
MINIATURE LIFE at HOME - 水曜社:文化・まちづくり・アート

サイズのちがうもののピントをたいらくするのは大変そう。

いろいろフィギュアの内実が分かってたのしい。

しかし中には、フィギュアの服の質感が違うことが分かってしまったり(真ん中と右は同じ厨房服なのに質感が違う)まるまる太ったねずみのような余計なものが映りこんで、すき家騒動を連想してワーギャーの人が出たり、なんかかんかあるかもしれません。本書のサイズならそんなことはない。見えないから。でも見えた方がいいな。以上
(翌日追記)
【後報】

頁23、中トロパラセーリング。これはフカヒレの姿煮でも羊のフワ(肺)でも出来ると思いますが、やはり人はその人の経験や知識の範囲でしか「気づき」がないのだろうと思いました。あるいは、河童橋合羽橋に行って食材のミニチュアがあるかないかで創作が左右されてしまうのかもしれない。さてどうでしょう。
(2025/6/28)