『象とカレーライスの島』(あかね紀行文学・1)読了

象とカレーライスの島 (あかね書房): 1977|書誌詳細|国立国会図書館サーチ

庄野英二サンの、やさしい紀行文。1976年12月19日東京発でシンガポールに一泊、乗り換えて翌日、当時「コロンボ」だったスリランカに到着。三十日に帰路につくまでのスリランカ紀行です。

さしえのこさかしげるさんがそうていも担当。庄野英二サン自身もスケッチをする人なので、巻末などにそのスケッチがまとめてあります。

「あかね紀行文学」シリーズの11巻が坂東眞砂子のデビュー作のような、イタリア留学記で、それを読んだ際に、シリーズの開頭が庄野英二サンであることを知り、いつか読もうで読んだ本です。相変わらずこの人は一人旅のほうが気が楽とかで、奥さんと旅行しないんだなと思いましたが、奥さんが旅好きでないとか、ほかの理由があって、それを書いてないだけかもしれません。

この人の旅行は年末年始が多いので、何故家で正月を家族と過ごさないのだろうと思いますが、学校勤めなので、冬休みを利用してるのかもなと、今回ハタと思いあたりました。

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目次の、各ページの前のアスタリスクがふしぎです。「カレーライスの島*6」とか、「おしゃかさまの歯*40」とか。

一日三食、毎食カレー料理だったとかで、しかし、シーフードとチキンカレーな印象を受けます。宗教上の理由かな。マトンカレーは、当時は、南なので、あまりポピュラーではなかったかんじ。私の生活圏にスリランカ料理屋は二軒あり、一軒は昨年初冬に行ったことがあるのですが、もう一軒は行ったことないので、非常事態宣言も終わりましたし、今度行ってみようかなと思っています。廿日くらいに。下が、昨年行った店の、ワンプレートランチ。

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クリスマスイブです - Stantsiya_Iriya

庄野英二ッさんは。戦争中マレー半島にもシンガにもジャワだかスマトラだかにもいたはずですが、アジア象に乗る機会がなかったらしく、この本で、1976年初めて象🐘に乗ったと書いていて、子どものように喜んでいます。観光用でなく、荷物運搬用を、象使いが、外国人の旅行者にサンビスしてくれたかんじ。ガイド兼運転手借り切り旅行です。旅程はあらかじめ、仏教遺跡など、それなりに調べた感じ。宿泊客が自分しかいない歴史あるコロニアルなホテルなど出ます。まだ治安はぜんぜんよくて、アーサー・C・クラークも住んでた感じだったのですが、シーズンオフだったのか。庄野英二サンは英語喋れますので、意思の疎通に不自由はないと。

stantsiya-iriya.hatenablog.com

気楽に読めた本です。こういう旅行を著者はしょっちゅうしてますので、これを読んで、「スリランカが好きになりましたか」と言われても、はてさてですが、カレー屋には行ってみます。以上

【後報】

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南林間

(2020/6/9)