「バルタザールどこへ行く」"AU HASARD BALTHAZAR" Écrit et Réalisé par Robert Bresson 劇場鑑賞

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厚木でバルタザールだけの写真も撮ってるはずなのですが、探し出せず。

『バルタザールどこへ行く』『少女ムシェット』オフィシャルサイト

前の週の金曜日にやはり20時オーヴァーのイップ・マン最終回観た時、観客が四人しかいなかったので、それがイップ・マン一作目の泥臭い抗日ドラマに起因するのか、最終日の最終回はみんな観終えているので客が入らないからか、確かめたくて、金曜日に観に行くことにしました。結論から言うと、イップ・マン一作目が抗日だから客が入らなかったでFAみたいです。バルタザールは30人以上入ってた。

ロベール・ブレッソン - Wikipedia

Au Hasard Balthazar - Wikipedia

https://upload.wikimedia.org/wikipedia/en/thumb/1/1b/AuhasardBalthazar1966Poster.jpg/220px-AuhasardBalthazar1966Poster.jpg"au hasard"をグーグル翻訳すると、「無作為」とか「ランダム」になります。糸切れた凧、バルタザール。

なんというか、ヒロインに関してはやるせない話なのですが、美徳の不幸とか、そういうサドマゾよろめきロマンの系譜と思いました。人は何度でもやり直せるという発想、思想はこの映画にはありません。のら犬に咬まれる。

それとロバの生態はまったく別の話で、その辺、フランス人には既知の事項が、ロバに親しんでない大多数の邦人にはあまり分かってないように思います。私も中国辺境の農村に行くまで知りませんでした。あわれっぽくいなないてカンにさわる驢馬(ロバ)の鳴き声、あれ、嬉しい時にあげる声だそうです。まずここでギャフン。

で、後半、不良少年たちが、棒を拾って、ひっきりなしにどついたり蹴ったりしてロバを前に進めますが、これは、ロバが、立ち止まるいきものだから。ほんとに前に進まないんですよ、すぐ止まる。で、どつかないと進まない。人間のサディズムを覚醒させるために家畜化されたと言っても過言ではない。だから私は絶対ロバ飼いたくないです。馬ならほっといても前にぱっぱか進むのに、ロバはアホみたいに、どつかれてもどつかれてもその分しか進まず、止まる。だから一代雑種の騾馬(ラバ)にしたら、いいとこどりで、かしこくなってよいとか、言いますよね。人間の文化って、こういうことに使われてたのか。

で、眉唾のつけたしでいうと、ウイグル人チベット人がよく言う漢族の残酷ポイントとして、漢族は寒い冬、ロバ鍋をやるのですが、ロバを殺す時、生きたまま口を開けさせて、そこに熱湯を注ぎこんで殺すんだとか。ブラックジャックで頭ポクッ、とか、喉を牛刀でザクッ、とか、そういう、慈悲深い殺し方をしない。見たわけでないので、ほんとかしらというところ。華人にこの話のウラをとったこともありません。

この話のわかりづらさはムシェットを抜いていて、登場人物がときどき消えてたりするので(牢屋にでも入ってたのか、地方にフケてたのか、戦争にでも行ってたのか)なんだか分かりません。エロは、ポスターのシーンはあるのですが、片親で父親しかいないヒロインが、不良にぐいぐい来られて泣いてしまう場面のほうがエロいと思います。泣かせたら去りなさい。行くなよ。という人は❶童貞❷21世紀、どちらでしょうか。

なぐさめる、という選択肢をここには入れませんでした。泣かした当人ではなく、別の男が後からなぐさめるが、ダメ、という映画なので。

この父親は分かりづらいです。学校の校長で、立派な人物なんだが、ひとやま当てようとして借金負うのかな。そこが分かりにくい。あとはなんだろ。ムシェットには、貧乏ながらも、ドンブリカフェオレを楽しく淹れる場面とかあって、ウキウキしますが(フランス帰りの鄧小平も毎朝そうだった、クロワッサンにカフェオレの朝食で、そこでなじられてクロワッサンを投げつける場面もいいです)バルタザールには、固くなったフレンチバゲットで面小手払い胴をするような場面はありません。

以上、駆け足ですが、感想です。