『世界屠畜紀行』"The World Slaughterhouse Tour" 再読

 苦し紛れもいいとこ。たまたま積み上がった本の上のほうにあったので。

世界屠畜紀行

世界屠畜紀行

  • 作者:内澤 旬子
  • 発売日: 2007/01/01
  • メディア: 単行本
 

 ブックデザイン 寄藤文平 板野達也 本文レイアウト 板谷成雄 巻末に主要な参考文献一覧 初出は、部落解放2002年11月号~2005年3月号の連載「世界屠畜考」と、ユニバーサル・コンボという会社がかつて出していた「TONE」という雑誌の2005年6月創刊号と8月創刊2号に掲載した記事と、書き下ろし。 

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世界屠畜紀行 THE WORLD’S SLAUGHTERHOUSE TOUR (角川文庫)
 

 中国の市場に行くと生きた🐓鶏をそのまま売ってますが、あれはじゃあ誰でも捌けるのかというと、いまだによく分かってません。開封で、清真寺に、ハラル処理をするためニワトリをぶらさげて門前をくぐるおばあさんを見たことがあります。

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品のよい茶色の見返し遊びがあります。ここの名称の実際をいまだによく知りません。

よくあるフォークロアで、中国領シルクロードのドミトリーで、集まった日本人旅行者が、トリでもさばこうという話になり、市場で一羽買ってきて、たまたま農大生が居て、捌くのお手の物だったのでさっさか手際よく捌いたのだが、それを見た中国の女子大生だか旅社の服務員の姉ちゃんだかが、「残酷、私にはとてもそんなこと出来ない、どうしてあなたたち日本人は…」みたいなこと言ってきて、へ? そしたら、あの市場で生きたまま売ってるにわとりたちは? という話があります。実際、自分では捌けないと言ってる都市の若い中国人は、探せばすぐ見つかるはず。

そうかといえば、沖縄に行った時は、山羊汁を作るのに、自分たちで山羊をしめて捌くオッサンらーをふつうに見ましたし、臨夏で牛を殺すところも見たし、羊ももちろん見たし、豚も以下略 珍しいところでは、中国で、飼い犬がふらふら逃げ出して道をうろうろしてたら、後ろから三輪車を音もなく接近させて、後頭部ポクッとやって首根っこ摑んで荷台に載せてそのまま行ってしまった犬殺しのオッサン見たことがあります。でも、さばくとこまでは、そんな見てないです。

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見たい 知りたい 肉のつくりかた  アメリカ、イラン、インド、エジプト、韓国、チェコ、モンゴル、東京、沖縄……見てきました「動物が肉になるまで」。 屠畜場イラストルポ 

実は、ので、というか、『被差別の食卓』のほうが、本としては好きです。吉野家だかどっかのスーパーの面接受けた時、面接官が、入社してずっと精肉畑歩んできたとかで、繊維にそって筋をとかそういう話をえんえんしてて、就活じたいよりその話が全然面白かったことを、覚えています。

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屠畜という、 動物を殺して肉にする行為を はじめて目にしたのは、1993年、 モンゴルでのことだった。 すごい! これをこれから食べるんだ。 そうだよな。 肉って血が滴るものなんだよな。 グロテスクだとか、 羊がかわいそうだとか、 そんなところまで まったく気が回らなかった。 なによりもその辺を走ってる羊が、 鍋にちゃぷちゃぷ浮かぶ 内臓やら肉になるまでの過程を 見損なってしまったことが 悔しくてたまらない。 どうやるのかな、 羊の中身ってどうなってんのかな。 肉ってどうついてんのかな。 頭の中はもうそれだけでいっぱい。

このブログを始めてから、「インジェクション」とか「タンプリング」などの、精肉カサ増しテクノロジーを知り、それで、やーねえ、なんて思ってます。

『激安食品の落とし穴』読了 - Stantsiya_Iriya

作者については、本を読んだ後で、知人から、ナンダロウアヤシゲの奥さんだと言われ、へーそうなんだ、趣味が似てると、中央線沿線みたいな感じでいいね、と思ったのですが、最近検索して、分かれたみたいで、フーンと思い、それからなんだとうあやしげのコラムをどこかで目にするたび、そのことに想いを馳せてしまいます。以上