다음소희 NEXT SOHEE あしたの少女 劇場鑑賞

とってもひさしぶりに厚木の映画館危機に行って観ました。

左のポスターはペ・ヨンジュン、否、ペ・ドゥナの顔がぼかしてあるのですが、特典で顔がハッキリ写ってるポストカードくれました。私は別に彼女の全盛期を共に疾走したわけでもなんでもなく、「吠える犬は噛まない」「グエムル」「私の少女」しか見てないのですが、うれしいものはうれしい。この人の歳の取り方は、見事にアンチエイジング逆張りという気がして、整形大国韓国では珍しい気がします。あちらでは、整形先進国はこれまた日本ということになってるとかなってないとかですが、それは兎も角。

この映画もまた、キャストが適材適所な感じで、特に自裁したチーム長の奧さんは、ひとつまちがったグイ・ルンメイ(桂綸鎂)みたいな存在感がありました。学校の指導教師は、ちょっと小劇団ぽいあざとさがあって(マキタスポーツ感)どうかというところもありましたが、だいじょうぶです。

アミューもまたハコに比べてお客ガーの世界で、これが自分の持ち物のハコなら、客来ないねえ、なんてのんびり過ごしてればいいのですが、自治体からの預かりものだからか、いつでも営業努力を可視化してみせねばならないためなのか、働く人は徒労感が激しいと思います。前に辞めた人が、「何回おんなじことを繰り返すのかしらね」と言ってました。今日はサンビスデーでしたが、この映画のお客は十人ほど。新百合や下高井戸、横浜と比べると、やっぱり小劇場系で映画観たい人の絶対数が違うし、それでいてどこよりもスクリーンが多い3スクリーンなので、少ないお客が分散するしだし、なのかな。港南台や柏や深谷、静岡の小劇場系と比べるとお客さんの数はどうなんだろう。

この映画についていえば、もう関東の上映館はこことシネマートだけで、毎晩夜九時半に上映するシネマートはそれなりに好調みたいです。確かにこの映画は、夜新宿で見るとグッとくるかも。大久保も近いし。

それ以外に二時の回もあるのですが、サンビスデー(最近はどこの映画館も水曜なんですね)の今日に限って四時からでしたので、厚木のほうが移動時間が少ないからいいやと思って厚木に来ました。あと、同監督がやっぱりペ・ドゥナで撮った「私の少女」を私は厚木で見てるので、その辺の気分の問題もあります。

右のひとはペ・ドゥナじゃありません。コールセンターの中間管理職。まだパンフをろくに読んでませんが、実話をもとにした映画だそうで、韓国は高校の企業実習が事実上の労働力補填に使われているそうです。外国人研修生が日本より待遇がよくなるよう法の整備をしたそのウラで、今度は自国民の未成年を搾取。韓国も少子化社会なのに、貴重な若年労働力でタコの足食いをしてたという。

韓国の外国人研修制度を持ち上げる邦人に険しい目をしていた人が、高校生の実習で補ってたんか!ホラやっぱり、と鬼の首をとったように騒いだかどうか知りません。知られてないということは、逆に、いつのまにかしれっと日本でも始まるかもしれない話鴨と思ったりしました。もうやってるかやってないか永遠にやらないか、知りません。

ブラック企業のコールセンターの話で、最初はモンスタークレーマーがバンバン出てきて、感情労働はキツいのう、と思いながら見ました。「放火するぞ」なんて脅されてました。そこまで言われたら、サービス向上のため会話の内容は録音してるはずなので、刑事告訴出来るのではと思いました。で、実はこのコールセンター、解約率を下げて解約阻止率をあげると評価が高くなる、そのためならギリギリスレスレを平気でやる会社で、そりゃひどいのオンパレードと思いました。

この子が身を投げる人造湖は、行ってみたいと思いました。パンフに場所書いてあるかな。全州、もしくはそのそばの完州というところなのかな。

検索で出て来た画像。まさかこの湖ではないと思うんですが、どうなんだろう。

お葬式の場面で、三跪するので、仏式なんだろうけど、韓国も三跪するんだと思いました。精進落としの振る舞いが簡素化されてるのが、いかにも合理化の韓国という。

食べ吐き実況の友人が出ます。このキャラもリアルだった。

クレジットカードは中文で〈信用卡〉と言いますが、ハングルでも 신용카드 (シンヨンカードゥ)になるとは知りませんでした。韓国から中国に伝わった言い方なのかなあ。

ペ・ドゥナが最初にビールを飲む場面、泡が立ってないので、麦茶だ、と思いました。したっけ、次に飲む場面では、ガンガンに泡だってました。

韓国のデパガが、あの制服でそのまま地下駐車場の誘導をしてて驚きました。そんなことまでやるんだ。

実習先をやめた生徒は、高校から赤札だったり赤チョッキだったりのペナルティーを課されるそうで、それらのはっちょんが、パルガンヒとかパルガンチョッキだったりで、例のコミュニストの綽名である、パルゲンイ(빨갱이)を連想しました。

ペ。これが「相棒」なら、「あのブラック企業には企業庁の査察が入ったみたいですし、学校には教育庁の指導があったそうです。彼女のような悲しい運命は、もう見たくないものです」なんて歩きながら言ったり、小料理屋でいっぱいやったりして、それで読者もほっとして終わるんでしょうが、この映画は現実を反映して、何も解決しないまま終わっています。

教育実習先が決まった時の彼女。いやあ、この写真を最後に持ってくるとは。

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私も一時期、休日はどこ行くにも垢だらけの健康サンダルで出かけており、あれもまたバロメーターのひとつだなと思ってます。主人公を心配しかしない。

あとで、パンフ読んだりなんだりで知識が増えたら、後報します。以上

【後報】

とくに知識は増えませんでした。うん。

(2023/10/28)